【完結】【BL】月下~乙女ゲームの世界に転生したが、何故か俺は攻略対象から求婚されています。

梅花

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第1章 転生

4話

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ただいまと、声を出してから靴を脱ぐ。
こちらの世界は服は和装に近いが、靴などは洋装だったり和装だったり。
色々とちゃんぽんをしているゲームに良くあるご都合主義なのだ。
さっきの蓮は着物と袴に近い格好で、足元は茶色の半長靴ハーフブーツ
翠は甚平や作務衣に似た上下の別れた服だった。
ゲーム通りで鮮やかな色彩や刺繍がしてあるんだけどね?
俺は屋敷のなかを歩き、自分の部屋に向かう。
その前に琥珀の部屋に行かなきゃなと、自分の部屋を通りすぎてその先へと向かう。
屋敷の部屋の位置は妹のゲームでだいたいわかっている。

「琥珀いるか?」

雪見障子の桟を叩くと中から返事がした。

「どうぞ鴇?」

するすると雪見障子を開けると、其処には鮮やかな金色の髪を後ろで1つに括った青年。
黒い僧衣を纏う薬師だ。

「わるい、傷薬をわけてくれるか?」

「構いませんが……どなたかが怪我を?」

「あ、俺が擦り傷……」

自分が怪我をしたと告げた瞬間、手にしていた薬研を横にずらして慌てたように立ち上がると大股で近寄ってきたかと思えば両頬を掴むと左右の顔を見下ろしてくる。

「何処を怪我したのですか!腕ですか?足ですか?だから岩場には行くなと……」

「や、大丈夫……滑って転んだだけだからさ?痛みとかは無いから何処を擦ってるかわからないんだけど、汚れたから風呂に入れって翠が。
出てきたら薬を塗ってやるからってさ…痛く無いのになぁ?
だから、風呂に入る前に貰おうかなって。在庫あるか?」
「ありますが、私が塗りますから風呂から出てきたらこの部屋に来てください。他にも診察をしたいので」

きっぱりと言い切られると、そこまでしなくてもと笑いつつ、言い出したら聞かない薬師に忙しいところ手を止めさせて悪いなと謝り、よろしくなと頼むと今度こそ自分の部屋に戻る。
その部屋はがらんとした何も無い部屋。
あるのは着替え一式と布団。
窓際に置いた文机の上の文具と手鏡。
細々した小物は押し入れの中に。
その手鏡を覗き込むと、そこにはやっぱりゲームで良く見た『鴇』の顔があった。
ぱっちりとした大きめの瞳、白い肌、きりりと弓なりになった眉。まだ削げ落ちる前の少しだけふっくらとした頬はほんのりと色づいている。
色味の薄い唇は触れると少しだけかさついていた。

「参ったなぁ……どう見ても鴇なんだけど……俺の中で一番苦手な性格の奴なんだよなぁ……チャラいし、女性を見たら口説くんだもんなぁ」

呟いてしまうと、俺は溜め息を吐く。
とりあえず風呂に行こう……。
俺は着替えと手拭い、石鹸等の風呂セットを手にして風呂に向かった。
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