4 / 44
第1章 転生
4話
しおりを挟む
ただいまと、声を出してから靴を脱ぐ。
こちらの世界は服は和装に近いが、靴などは洋装だったり和装だったり。
色々とちゃんぽんをしているゲームに良くあるご都合主義なのだ。
さっきの蓮は着物と袴に近い格好で、足元は茶色の半長靴。
翠は甚平や作務衣に似た上下の別れた服だった。
ゲーム通りで鮮やかな色彩や刺繍がしてあるんだけどね?
俺は屋敷のなかを歩き、自分の部屋に向かう。
その前に琥珀の部屋に行かなきゃなと、自分の部屋を通りすぎてその先へと向かう。
屋敷の部屋の位置は妹のゲームでだいたいわかっている。
「琥珀いるか?」
雪見障子の桟を叩くと中から返事がした。
「どうぞ鴇?」
するすると雪見障子を開けると、其処には鮮やかな金色の髪を後ろで1つに括った青年。
黒い僧衣を纏う薬師だ。
「わるい、傷薬をわけてくれるか?」
「構いませんが……どなたかが怪我を?」
「あ、俺が擦り傷……」
自分が怪我をしたと告げた瞬間、手にしていた薬研を横にずらして慌てたように立ち上がると大股で近寄ってきたかと思えば両頬を掴むと左右の顔を見下ろしてくる。
「何処を怪我したのですか!腕ですか?足ですか?だから岩場には行くなと……」
「や、大丈夫……滑って転んだだけだからさ?痛みとかは無いから何処を擦ってるかわからないんだけど、汚れたから風呂に入れって翠が。
出てきたら薬を塗ってやるからってさ…痛く無いのになぁ?
だから、風呂に入る前に貰おうかなって。在庫あるか?」
「ありますが、私が塗りますから風呂から出てきたらこの部屋に来てください。他にも診察をしたいので」
きっぱりと言い切られると、そこまでしなくてもと笑いつつ、言い出したら聞かない薬師に忙しいところ手を止めさせて悪いなと謝り、よろしくなと頼むと今度こそ自分の部屋に戻る。
その部屋はがらんとした何も無い部屋。
あるのは着替え一式と布団。
窓際に置いた文机の上の文具と手鏡。
細々した小物は押し入れの中に。
その手鏡を覗き込むと、そこにはやっぱりゲームで良く見た『鴇』の顔があった。
ぱっちりとした大きめの瞳、白い肌、きりりと弓なりになった眉。まだ削げ落ちる前の少しだけふっくらとした頬はほんのりと色づいている。
色味の薄い唇は触れると少しだけかさついていた。
「参ったなぁ……どう見ても鴇なんだけど……俺の中で一番苦手な性格の奴なんだよなぁ……チャラいし、女性を見たら口説くんだもんなぁ」
呟いてしまうと、俺は溜め息を吐く。
とりあえず風呂に行こう……。
俺は着替えと手拭い、石鹸等の風呂セットを手にして風呂に向かった。
こちらの世界は服は和装に近いが、靴などは洋装だったり和装だったり。
色々とちゃんぽんをしているゲームに良くあるご都合主義なのだ。
さっきの蓮は着物と袴に近い格好で、足元は茶色の半長靴。
翠は甚平や作務衣に似た上下の別れた服だった。
ゲーム通りで鮮やかな色彩や刺繍がしてあるんだけどね?
俺は屋敷のなかを歩き、自分の部屋に向かう。
その前に琥珀の部屋に行かなきゃなと、自分の部屋を通りすぎてその先へと向かう。
屋敷の部屋の位置は妹のゲームでだいたいわかっている。
「琥珀いるか?」
雪見障子の桟を叩くと中から返事がした。
「どうぞ鴇?」
するすると雪見障子を開けると、其処には鮮やかな金色の髪を後ろで1つに括った青年。
黒い僧衣を纏う薬師だ。
「わるい、傷薬をわけてくれるか?」
「構いませんが……どなたかが怪我を?」
「あ、俺が擦り傷……」
自分が怪我をしたと告げた瞬間、手にしていた薬研を横にずらして慌てたように立ち上がると大股で近寄ってきたかと思えば両頬を掴むと左右の顔を見下ろしてくる。
「何処を怪我したのですか!腕ですか?足ですか?だから岩場には行くなと……」
「や、大丈夫……滑って転んだだけだからさ?痛みとかは無いから何処を擦ってるかわからないんだけど、汚れたから風呂に入れって翠が。
出てきたら薬を塗ってやるからってさ…痛く無いのになぁ?
だから、風呂に入る前に貰おうかなって。在庫あるか?」
「ありますが、私が塗りますから風呂から出てきたらこの部屋に来てください。他にも診察をしたいので」
きっぱりと言い切られると、そこまでしなくてもと笑いつつ、言い出したら聞かない薬師に忙しいところ手を止めさせて悪いなと謝り、よろしくなと頼むと今度こそ自分の部屋に戻る。
その部屋はがらんとした何も無い部屋。
あるのは着替え一式と布団。
窓際に置いた文机の上の文具と手鏡。
細々した小物は押し入れの中に。
その手鏡を覗き込むと、そこにはやっぱりゲームで良く見た『鴇』の顔があった。
ぱっちりとした大きめの瞳、白い肌、きりりと弓なりになった眉。まだ削げ落ちる前の少しだけふっくらとした頬はほんのりと色づいている。
色味の薄い唇は触れると少しだけかさついていた。
「参ったなぁ……どう見ても鴇なんだけど……俺の中で一番苦手な性格の奴なんだよなぁ……チャラいし、女性を見たら口説くんだもんなぁ」
呟いてしまうと、俺は溜め息を吐く。
とりあえず風呂に行こう……。
俺は着替えと手拭い、石鹸等の風呂セットを手にして風呂に向かった。
35
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年の乙女ゲー転生BLです。
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる