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第1章 転生
16話
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雷が遠くへ行って雨が上がった頃、俺たちは身体を離して服を着る。
まだ全然乾いてはいなかったが、早く屋敷へと戻りたかった。
「早く戻ったら風呂に入りたい…」
芯まで冷えてはいないが、濡れた髪や身体を洗いたい。
せっかく買った土産は濡れてしまったが、味噌や七味は大丈夫そうなのを確認してから屋敷へと向かった。
まだ、日が高いうちに屋敷へと着くと、俺は厨房へ味噌等を届けに行く。
焼き菓子は濡れてはいないが見た目が悪くて配るには忍びない。
とりあえず俺は仕方なく土間へと買ったものを置いてから風呂へ行くための準備をする。
浴衣とお風呂セット。手拭いを手にしてできるだけ床を濡らさないように気を配りながら風呂場へ向かった。
鶯が先に来ているかと思ったが、鶯の姿は無い。
その代わり、同じように雨に濡れた藍がいた。
「藍もか?」
隣に並ぶようにしながら服を脱ぐ。
雨を含んだ服は洗濯籠に入れた。
「あぁ、流石にまいった…濡れるくらいならまだいいんだけとな?」
「だな、早く入って温まろうぜ?」
俺は全裸になると、そのまま湯殿へ直行する。
たっぷりと溜まっているお湯を桶で汲み上げざばっと頭からかぶる。
何度か掛けると漸く人心地ついて俺は濡れた髪を軽く搾ってから身体を洗う。
ざばざばと身体を洗う俺とは違って藍は、何をするにも静かなのだ。
職業上仕方ないのだけれど。
周りは知っているか知らないのかはわからないが、藍は諜報活動を担っている。
だから、肌などが凄く綺麗で丁寧に手入れがしてあるのだ。
「藍?背中流そうか?」
「いいのか?」
「いいよ、確か石鹸は専用のだよな?」
俺は藍の風呂桶から石鹸を取る。
身体の皮脂等をしっかりと落として匂いも消せる特殊なものだと知っているからだ。
「藍はいつまでいるんだ?また出掛けなきゃならないだろ?」
しっかりと石鹸を泡立てて背中を洗ってやる。
藍の情報が無ければ俺たちは活動できないのだ。
「んー…今夜また発つけど、鴇との夜は俺の番だからギリギリまで一緒にいる」
「そっか、無理はするなよ?」
しっかりと背中を洗ってから腕の辺りを洗ってやると手を止めた。
「大丈夫、ありがとな?」
笑う藍から離れようとするとぐいっと引き寄せられて唇を奪われた。
「朝からイチャイチャしようかと思ったら出掛けちまうから…任務行ったら雨に降られるし…」
「仕方ないだろ…10日に1回の市なんだからさ?で、任務に手伝えることある?」
「女装」
「それは嫌だ」
「ちぇっ、絶対似合うと思うのに…駄目か?」
膝に座らされて背中から抱き締められる。
「駄目に決まっているだろーが。それに似合わないっつーの。夜にでもやってやろうか?後悔するぞ?」
気持ち悪さに眠くなってもしらないからな?
そんな意味を込めて言った言葉だったが、藍自身は凄く乗り気になってしまったようで、やるやると楽しそうにしていた。
まだ全然乾いてはいなかったが、早く屋敷へと戻りたかった。
「早く戻ったら風呂に入りたい…」
芯まで冷えてはいないが、濡れた髪や身体を洗いたい。
せっかく買った土産は濡れてしまったが、味噌や七味は大丈夫そうなのを確認してから屋敷へと向かった。
まだ、日が高いうちに屋敷へと着くと、俺は厨房へ味噌等を届けに行く。
焼き菓子は濡れてはいないが見た目が悪くて配るには忍びない。
とりあえず俺は仕方なく土間へと買ったものを置いてから風呂へ行くための準備をする。
浴衣とお風呂セット。手拭いを手にしてできるだけ床を濡らさないように気を配りながら風呂場へ向かった。
鶯が先に来ているかと思ったが、鶯の姿は無い。
その代わり、同じように雨に濡れた藍がいた。
「藍もか?」
隣に並ぶようにしながら服を脱ぐ。
雨を含んだ服は洗濯籠に入れた。
「あぁ、流石にまいった…濡れるくらいならまだいいんだけとな?」
「だな、早く入って温まろうぜ?」
俺は全裸になると、そのまま湯殿へ直行する。
たっぷりと溜まっているお湯を桶で汲み上げざばっと頭からかぶる。
何度か掛けると漸く人心地ついて俺は濡れた髪を軽く搾ってから身体を洗う。
ざばざばと身体を洗う俺とは違って藍は、何をするにも静かなのだ。
職業上仕方ないのだけれど。
周りは知っているか知らないのかはわからないが、藍は諜報活動を担っている。
だから、肌などが凄く綺麗で丁寧に手入れがしてあるのだ。
「藍?背中流そうか?」
「いいのか?」
「いいよ、確か石鹸は専用のだよな?」
俺は藍の風呂桶から石鹸を取る。
身体の皮脂等をしっかりと落として匂いも消せる特殊なものだと知っているからだ。
「藍はいつまでいるんだ?また出掛けなきゃならないだろ?」
しっかりと石鹸を泡立てて背中を洗ってやる。
藍の情報が無ければ俺たちは活動できないのだ。
「んー…今夜また発つけど、鴇との夜は俺の番だからギリギリまで一緒にいる」
「そっか、無理はするなよ?」
しっかりと背中を洗ってから腕の辺りを洗ってやると手を止めた。
「大丈夫、ありがとな?」
笑う藍から離れようとするとぐいっと引き寄せられて唇を奪われた。
「朝からイチャイチャしようかと思ったら出掛けちまうから…任務行ったら雨に降られるし…」
「仕方ないだろ…10日に1回の市なんだからさ?で、任務に手伝えることある?」
「女装」
「それは嫌だ」
「ちぇっ、絶対似合うと思うのに…駄目か?」
膝に座らされて背中から抱き締められる。
「駄目に決まっているだろーが。それに似合わないっつーの。夜にでもやってやろうか?後悔するぞ?」
気持ち悪さに眠くなってもしらないからな?
そんな意味を込めて言った言葉だったが、藍自身は凄く乗り気になってしまったようで、やるやると楽しそうにしていた。
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