【完結】【BL】月下~乙女ゲームの世界に転生したが、何故か俺は攻略対象から求婚されています。

梅花

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第2章 退魔

20話

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俺は、女装のまま市街地に向かう。
この辺りにあるはずなんだ…。
探していたのは土産物屋。
紫の暖簾の掛かった小さな店。
あった。
暖簾をくぐると店の中は色彩で溢れていた。 

「うわ、綺麗だ」

つまみ細工や組紐を扱う店で、この辺りの特産となっている染色された糸や織物の端切れを使ったものだ。

「えぇと…」

小さな笊に、組紐をそれぞれのカラーリングで選んでいく。
同じ緑がイメージカラーの鶯と翆でも、同じ色ではなくて少し色味を黄色系と青系の緑にわける。
8本は簡単に決まり、あとは蓮と雀のものになり、二人は桜色をベースに赤みと白みの糸を足したものを選んだ。
蓮が赤桜で、雀が白桜だろうと。
この紐に浄化の力を入れて身につければ御守りとなる。
それに合わせて蓮と雀には組紐と同じ色の簪を。
男どもには根付けを選んだ。
少し値が張るが仕方ないかと包んでもらったら、沢山買ってくれたからと値引いてくれた。
ご贔屓に!と声を掛けられながら店を出る。
次の瞬間、ぶつかってきた男が財布ごと俺の品物を引ったくる。
遠くで引ったくりだ!と言う声が聞こえた。
はっとした瞬間俺は駆け出した。
財布はいい。
金に困ってはいないから。
ただ、あの組紐等はあの店で買わないとならないし、同じ色味のものが入荷するのに時間がかかる。
俺は履いていた靴を脱いで、走る男に投げつけた。
スコン!
靴の踵が男の頭に当たると男は前のめりに倒れ地面に組紐が散らばった。
あー…汚れてねぇかな。
その心配だけをして、バランスが悪くなったもう片方の靴を脱ぐと、靴下のまま男に近付く。

「あー…良かったそんなに汚れてないか…」

組紐の数を数えて無事を確認していると、何やらざわざわしはじめ、顔をあげると人だかりの中にいた。

「騒ぎの原因はそなたか?」

頭上から振ってくる声に顔を上げると、其処には輝く銀の髪をした武士風の男が立っている。

「えぇ、と言うか荷物を引ったくられたので」

「ならば、話を聞きたい。男を運んでくれ」

男が指示を出すと、倒れた男に縄が掛けられ、俺はぐいっと引き上げられて立たされた。

「私は白銀しろがね、この街の用心棒だ」

にっこりと笑った男に見覚えがあった。
やべえ、こいつも攻略対象だぞ!隠れキャラの。
俺の背中に嫌な汗が流れる。
流石にこいつまでは大丈夫だろ。

「話が聞きたいから屋敷まで来てくれ」

掴まれた手は頷かなければ離されないだろう。
仕方ないと俺は頷いた。
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