43 / 44
第4章 受け入れ
43話
しおりを挟む
「とーき?」
縁側で隣に座ったのは蓮。
くるりと左手首に巻いた組紐はまるでミサンガのよう。
うん……ミサンガって、若い子わからない?
「どうした蓮?」
「ふふ、一緒にお茶でも飲もうかなって。どうぞ?」
急須のなかには既にお茶が入っているらしく、持ってきていた湯飲みに注いで手渡してくれた。
「ありがと」
貰った湯飲み、ほっこりと湯気を上げるお茶に口を付けて息を吐いた。
身体に染み渡る温かさ。
「鴇、身体大丈夫?」
いきなりの振りにお茶を吹き出しそうになった俺は慌てて口の中を嚥下した。
「ん、大丈夫だよ、いきなり……何?」
しらばっくれて聞き返しても、流石に乙女。
話をはぐらかしてくれなかった。
「鶸としたんでしょ?紫苑とも……かな?」
え。ばれてる?
「うん……」
「いいのよ、そう言うことするなって言うんじゃないから安心して」
クスクスっと笑った蓮はこちらを見上げていた。
「私は別に雀に手を出される訳じゃないから全然大丈夫だし。
ただ、全員とするのって大変じゃない?全員とするの……よね?」
確認をするような問い掛けに俺は黙ってしまう。
7人が俺を好きになってくれている。
俺は全員が好きだし、鶸や紫苑としてしまったから他としたくないって訳じゃない。
むしろ、他の5人が求めてくれるならそれはそれで大丈夫だと思ってしまう。
他の5人が俺としたくないって言うならそれを受け入れる事もできる。
「鶸も紫苑もそれでもいいって。他は聞いてないけど、嫌だと思ったら仲間に戻ればいいからさ?
狡いのはわかっているけど……ね」
そう、わかっている。
でも、俺からは言えない。
鶸だけなら言えたけれど、紫苑も受け入れてしまったから。
まぁ、繋がってみて身体の相性とか性癖が合わない場合もあるって聞いたし……
「いいんじゃない?狡くたって。全員に本気ならね……遊びならやめてあげてほしいけど」
蓮がするりとお茶を飲んでいる。
「遊びなんて思ったことはない」
「ならいいの、鴇が幸せになるのが大事なのだからね?」
俺は知っている。
このゲームの破滅エンド。
ゲームとは違うと思い込んでいたが、やっぱり破滅エンドの終わりもあるのだろうか。
「うん。ありがとう蓮。少し考えてみるよ」
何が大切なのか。
「そうね。あぁ、寒くなってきたけれど日差しが気持ちいい……風がなければいいわね」
蓮の声を聞きながら俺はこれからの事を思う。
幸せの定義はそれぞれなのだと。
縁側で隣に座ったのは蓮。
くるりと左手首に巻いた組紐はまるでミサンガのよう。
うん……ミサンガって、若い子わからない?
「どうした蓮?」
「ふふ、一緒にお茶でも飲もうかなって。どうぞ?」
急須のなかには既にお茶が入っているらしく、持ってきていた湯飲みに注いで手渡してくれた。
「ありがと」
貰った湯飲み、ほっこりと湯気を上げるお茶に口を付けて息を吐いた。
身体に染み渡る温かさ。
「鴇、身体大丈夫?」
いきなりの振りにお茶を吹き出しそうになった俺は慌てて口の中を嚥下した。
「ん、大丈夫だよ、いきなり……何?」
しらばっくれて聞き返しても、流石に乙女。
話をはぐらかしてくれなかった。
「鶸としたんでしょ?紫苑とも……かな?」
え。ばれてる?
「うん……」
「いいのよ、そう言うことするなって言うんじゃないから安心して」
クスクスっと笑った蓮はこちらを見上げていた。
「私は別に雀に手を出される訳じゃないから全然大丈夫だし。
ただ、全員とするのって大変じゃない?全員とするの……よね?」
確認をするような問い掛けに俺は黙ってしまう。
7人が俺を好きになってくれている。
俺は全員が好きだし、鶸や紫苑としてしまったから他としたくないって訳じゃない。
むしろ、他の5人が求めてくれるならそれはそれで大丈夫だと思ってしまう。
他の5人が俺としたくないって言うならそれを受け入れる事もできる。
「鶸も紫苑もそれでもいいって。他は聞いてないけど、嫌だと思ったら仲間に戻ればいいからさ?
狡いのはわかっているけど……ね」
そう、わかっている。
でも、俺からは言えない。
鶸だけなら言えたけれど、紫苑も受け入れてしまったから。
まぁ、繋がってみて身体の相性とか性癖が合わない場合もあるって聞いたし……
「いいんじゃない?狡くたって。全員に本気ならね……遊びならやめてあげてほしいけど」
蓮がするりとお茶を飲んでいる。
「遊びなんて思ったことはない」
「ならいいの、鴇が幸せになるのが大事なのだからね?」
俺は知っている。
このゲームの破滅エンド。
ゲームとは違うと思い込んでいたが、やっぱり破滅エンドの終わりもあるのだろうか。
「うん。ありがとう蓮。少し考えてみるよ」
何が大切なのか。
「そうね。あぁ、寒くなってきたけれど日差しが気持ちいい……風がなければいいわね」
蓮の声を聞きながら俺はこれからの事を思う。
幸せの定義はそれぞれなのだと。
22
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年の乙女ゲー転生BLです。
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる