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44話
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「わぁ、大きいですね」
美南は馬房にいる馬を遠目に見せてもらい、声を上げた。
綺麗な黒鹿毛のしなやかな馬体。
輝くような毛並み。
利発そうで優しそうな瞳。
サラブレッドとは違う太い脚。
「あぁ、鎧を着て乗ることもあるからな」
「そうなんだ……大人しい良い子ですね。名前は?」
「リゲルだ」
「あぁ、綺麗な星が入っていますからね。それに可愛い足袋も履いてる」
美南はリゲルの足元を見る。
足先は額と同じように蹄までが白くなっている。
「タビ?」
「はい、私のいた地方で履く……ストッキング……のようなもので、親指とそれ以外の指が鍋つかみのようにこう別れているものなのです」
美南は、右手を上げると指を揃え親指だけ動かして見せる。
「下駄というサンダルに似た履物を履く時に、鼻緒と言う紐を引っ掛けるようにこの形になったようで、足に力を入れる時にとても良いと言い、建設を行う人たちはこぞって靴の中にでもこれを履いたと聞くので」
流石に素足を見せる訳にもいかず、美南は説明をしたがベルゴッドにはわからなくてもいいかと簡単に端折った説明をした。
「ふむ……踏ん張りが効くと言う事か……」
「あれ、この子……蹄鉄は」
ふと、美南はリゲルの足元に違和感を感じてベルゴッドに聞いた。
「テイテツ?」
「はい、蹄を保護する金属で、こんな形をしたのを釘で蹄に打ち付け……ないんですか?」
こくりと頷いたベルゴッドに、美南はこの世界の常識を疑われてしまったかと、嫌な汗が流れ落ちるような気がした。
「その、テイテツと言うものを詳しく教えてくれないか?」
「私も専門職ではないので、詳しくはわかりませんがこういった形の金属を蹄に合わせて作り、沢山の釘で打ち付けると馬の蹄が摩耗しすぎなくなるんです。もちろん定期的に外して伸びた爪を削ってまた装着するしかないのですが」
「そんな物があるのか……美南のいた所は凄いな……」
「私も見た事がないのですが、蹄鉄を打つ人、付ける人色々な職種の方がいましたから」
「ミナミ、帰ってから時間のある時にでもその辺を詳しく聞きたい」
ベルゴッドに問われると美南は微笑んだ。
「わたしがわかる範囲で良かったら」
この世界で少しでも役に立てればと、ベルゴッドを見上げると何かを察したのかリゲルが鼻を鳴らした。
美南は馬房にいる馬を遠目に見せてもらい、声を上げた。
綺麗な黒鹿毛のしなやかな馬体。
輝くような毛並み。
利発そうで優しそうな瞳。
サラブレッドとは違う太い脚。
「あぁ、鎧を着て乗ることもあるからな」
「そうなんだ……大人しい良い子ですね。名前は?」
「リゲルだ」
「あぁ、綺麗な星が入っていますからね。それに可愛い足袋も履いてる」
美南はリゲルの足元を見る。
足先は額と同じように蹄までが白くなっている。
「タビ?」
「はい、私のいた地方で履く……ストッキング……のようなもので、親指とそれ以外の指が鍋つかみのようにこう別れているものなのです」
美南は、右手を上げると指を揃え親指だけ動かして見せる。
「下駄というサンダルに似た履物を履く時に、鼻緒と言う紐を引っ掛けるようにこの形になったようで、足に力を入れる時にとても良いと言い、建設を行う人たちはこぞって靴の中にでもこれを履いたと聞くので」
流石に素足を見せる訳にもいかず、美南は説明をしたがベルゴッドにはわからなくてもいいかと簡単に端折った説明をした。
「ふむ……踏ん張りが効くと言う事か……」
「あれ、この子……蹄鉄は」
ふと、美南はリゲルの足元に違和感を感じてベルゴッドに聞いた。
「テイテツ?」
「はい、蹄を保護する金属で、こんな形をしたのを釘で蹄に打ち付け……ないんですか?」
こくりと頷いたベルゴッドに、美南はこの世界の常識を疑われてしまったかと、嫌な汗が流れ落ちるような気がした。
「その、テイテツと言うものを詳しく教えてくれないか?」
「私も専門職ではないので、詳しくはわかりませんがこういった形の金属を蹄に合わせて作り、沢山の釘で打ち付けると馬の蹄が摩耗しすぎなくなるんです。もちろん定期的に外して伸びた爪を削ってまた装着するしかないのですが」
「そんな物があるのか……美南のいた所は凄いな……」
「私も見た事がないのですが、蹄鉄を打つ人、付ける人色々な職種の方がいましたから」
「ミナミ、帰ってから時間のある時にでもその辺を詳しく聞きたい」
ベルゴッドに問われると美南は微笑んだ。
「わたしがわかる範囲で良かったら」
この世界で少しでも役に立てればと、ベルゴッドを見上げると何かを察したのかリゲルが鼻を鳴らした。
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