【恋愛】目覚めたら何故か騎士団長の腕の中でした。まさかの異世界トリップのようです?

梅花

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64話

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慣れないテーブルマナー。
正面に座るベルゴッドの所作をちらりと見ながら食事と会話を楽しんで、最後のデザートを食べ終えると食事会はお開きになった。

「なんだかんだ言いながら、ミナミのテーブルマナーはちゃんとしているのよね」

シルヴィアが並んで歩きながらそう言った。
美南としては全く出来ていないのだが、そうでも無いらしい。

「そんな事ないよ……あまりカトラリーを使うの得意じゃないから……練習しないといけないかな」
「なら、私たちとお食事会という名前の女子会をしましょう?食事の後に皆でお風呂とか寝るまで談話とかしましょうよ、ミナミが心配なら騎士団でもいいわよ?」

シルヴィアは楽しそうに笑いながら廊下を歩いて行く。
ミナミはその後を少し離れて追い掛けた。

「じゃあミナミまた明日ね?」

シルヴィアと別れると、ミナミは扉を開けた。
その瞬間、動き画止まる。
行く時には無かった一輪の薔薇の花。
綺麗な細工の硝子の花瓶。
バラの色は真紅。
ふわりと香るのはこの薔薇の匂いだろうか。

「綺麗」

美南はソファーに腰かけようとしてまだ自分がドレスなのを思い出して、背中のボタンを外そうと奮闘する。
どのくらいそうしていただろうか、首に近いところから二個は何とか外れたがそれより下は上手く外せない。
ベルを鳴らしてメイドを呼べば良かったのだが、美南にはそんな考えはない。
困りながらソファーに腰掛けると、コンコンというノックが聞こえた。
美南はどうぞと声を掛けると、静かに扉が開いた。

「美南、水を……!?」
「あぁ、ベルゴッド……ごめんなさい、背中のボタンを外してくれませんか?」

背中に回した手を解いて、振り向きながら美南はお願いする。
が、ベルゴッドは動きを止めた。

「脱がせればいいのか?」

部屋に入ってきたベルゴッドは水差しをことりと置いて、美南へと歩み寄る。

「椅子にでも座るか?」
「あ、はい……」

背もたれがない方がいいだろうと、部屋の隅に置かれた丸椅子に座るとベルゴッドが膝をついた気配がした。

「あぁ、噛んでしまっているな……ちょっと待ってくれ」

ボタンホールの糸がほつれてボタンに掛かっているらしく、ベルゴッドが何やらゴソゴソと取り出すと、パチンと金属の音がした。
クッと少し引っ張られる感覚があり、そして直ぐに服が緩まった。
コルセットをしているわけではないが、やはりきっちりと締められた服が解かれるのは窮屈から開放された感じがあり、美南は息を吐き出した。

「ありがとうベルゴッド。助かりました」

美南が振り向こうとすると、引っ掛かっていたボタンより下のボタンが外れていく。

「な……ベルゴッド?」

一つだけ外れれば恐らく後は自分で脱げるのだと美南はベルゴッドを止めようとした。
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