緑の森の白い妖精

歌川ピロシキ

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闇の森と不思議な守り人(2)

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 自分の後を追ってついてきてしまった蟲たちの姿に、シュネーは絶望した。

「ああ、こんなところにまで……僕はどこに行っても嫌われ者の出来損ないだ……」

「とんでもない。彼らは森を支える大切な仲間だ。彼らにここまで慕われる君に、何もできないはずがないのだよ」

「そんな、誤解です。僕には何もできません。できるのは、カビやキノコを生やすだけ」

「素晴らしいじゃないか。他の誰にもできないことだ」

「何の役にも立ちませんよ。キノコもカビなんて気持ち悪いもの、森には必要ない……いや、あってはいけないものなんです」

「誰だ、そんな愚かなことを君に吹き込んだのは。生きている草木を促して、育つように仕向けるだけなら他の妖精にだってできる。しかし、死したものたちや棄てられたものたちを土に還してやれるのは君のキノコやカビたち、そして君を慕う蟲たちなのだよ」

「え!?」

 そういえば、父さんが昔そんなことを言っていたような気がする。あの時は姉に「あんたをなぐさめるためにウソついてるのよ。父さんにまで気を使わせて本当に情けない」と言われて、今まで忘れていたけれど。

「君は死したものたちをよみがえらせる、素晴らしい力を持っているんだ」

「死んだものをよみがえらせる?姉さんが枯れ木に花を咲かせるように?」

「ああ、あれはただのまやかしだ。弱ったものから力をしぼり取って強引に放出させているだけ。君のように、死んだもの、棄てられたものを、豊かな土に還してよみがえらせることはできないよ」

「……よくわかりませんが、僕はここにいていいんですか?」

「もちろんだとも。むしろ、私からお願いする。ここにいてくれるかい?」

「よかった。こんな僕なんかを受け入れてくれてありがとうございます」

「なんか、ではない。君だからこそ、ここにいてほしいんだ。お願いできるかい?」

「喜んで。あなたが望んでくれる限り、僕はずっとここにいます」
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みんなの感想(1件)

防衛太郎
2022.12.11 防衛太郎

あらあら……この後どうなるのか……

歌川ピロシキ
2022.12.11 歌川ピロシキ

いつもありがとうございます❀.(*´▽`*)❀.
色々と大変なことになりそうです( ̄▽ ̄;)

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