-PEACE KEEPER- (バルバロイR2)アルファ版

ずかみん

文字の大きさ
66 / 85

理屈では説明できない胸騒ぎ

しおりを挟む
 その会話とはべつに、カイトの声が聞こえた。
「なあ、アリーとなんかあったのか? ヌエ」

 それを聞いて体が強張った。アリシアは、あれから唯斗と口を聞いていない。

「べつに……なんでそう思うの?」
「なんとなく」
「それより、カイトはなにも感じない?」
「なにってヌエ……米軍の連中か? ま、不信だな。それ以上はなんとも」
「キオミ、いま何人確保できる?」

 唯斗は、予備のピクシードライバーについて尋ねた。

『いま、ちょっとがシフトが狂っていて、調整中』

 これ以降のシフトは、予備も含めて米軍の担当になっていた。ピクシードライバー達にもリアルでの生活はあるので、急な予定の変更は難しい。

「もしかして、一人も?」
『一時間で解決できる」

 一時間……。
 アリシアは、それを尋ねた唯斗の真意を測りかねた。

「ヌエ、どういう意味?」
「さあ、自分でもわからない」

 唯斗の言っていることが、アリシアにも理解できる。それは理屈では説明できない胸騒ぎみたいなものだ。
 辻褄が合わない、とアリシアの本能が訴えていた。
 なにかがおかしい。なに、と聞かれても答えることはできないけれど。

「ねぇキオミ。一台ずつ装備の換装って可能かしら?」
『換装? いったい何に?』
対戦車ミサイルフランキスカ。その他もフル装備で」
『どうして、と聞いても無駄?』
「そうねちょっと説明できない。あえて言うと、後悔したくないってとこかしら」

 キオミは少し思案していた。おそらく、キオミも不安を感じているのだ。ニブい奴は戦場で生き残れない。臆病すぎるくらい慎重でも、まだ足りないくらいだ。

『ヌエは、どう思う』
「……べつに反対する理由がない。そうするべきだと思う。理由はないけど」
『了解、トラッシュから始めて』

 唯斗の後押しで、キオミは納得した。アリシア達は、唯斗の直感を信頼している。
 危険を嗅ぎ分ける、という一点については、唯斗は一度も、間違えたことがなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...