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12、 魔王が街にやってきた!
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「ロイ、 疲れた。ちょっとその公園で休もうよ」
アイリンは そう言って、 小さな公園に入って行った。 僕もその後についていく。
お嬢様だから歩くのに慣れてないんだね。
...... 僕も体力がないから、バテバテなんだけどね。
アイリンが 休憩を提案してくれて助かったよ。
公園の中には鉄棒と滑り台があって、 小さな子供達が遊んでいる。
ベンチが2つある。 そのうちのひとつにおじいさんがぽつんと座っていた。
「 おじいさん、誰かと待ち合わせですか?」
にっこり。
アイリンは、 わざわざおじいさんの隣に座って笑顔で声をかけた。
「 死神のお迎えを待っているんだよ」
「えっ!?」
「ふふっ。 冗談だよ」
「 もう驚かさないでくださいよ」
「 すまないね。...... 私にもしも孫がいれば君ぐらいの年なのだろうか」
おじいさんは切なそうにアイリンのことを見つめた。
おじいさんのお孫さんは幼い頃に亡くなったのだろうか。 それとも最初からいないのだろうか。
アイリンは 自分の胸元で両手を合わせた。
「 今だけ、 私のことをおじいさんのお孫さんだと思ってください」
「 ありがとう。......でも、もういいんだ。 もうすぐ迎えが来る」
「 死神なんてやっつけてやりますよ!」
「 勇敢なお嬢さんだ。では、その時はお願いするよ」
「 任せてください!」
アイリンと おじいさんは楽しそうに談笑している。
微笑ましい光景......でいいのかな。
僕が微妙な気分になっていると、リンがアイリンに 謎の言葉を発した。
『アイリン、 動画再生!』
「えっ?」
『 私が言うとおりにスマホを操作してみて』
「 よくわかんないけど、 やってみるよ」
このパターンは見たことがある。
この前はユウキの 写真を 見たんだよね。
今回はアイリンのスマホだから、 データが違うはず。
動画というのは確か、動く写真のことだったよね。
アイリンが スマホを操作すると、30代くらいの女性の姿が現れた。 服装が今の女性と明らかに違う。 きっと、リンと同じく 世界大文明の頃の人間なのだろう。
『サトルさん、 あなたがこれを見る頃は私は すでにこの世にいません』
「カナ!?」
女性の声が聞こえると、なぜかおじいさんは大声で叫んだ。
カナというのは 女性の名前なのだろうか。
でも、どうしておじいさんが世界文明の頃の女性を知っているのだろうか。
おじいさんは 世界文明の頃の記憶がある転生者?
......いや、 まさかね。
『私が この世を去るのはあなたのせいではありません。 私はあなたといて幸せでした。 だから、ご自分を責めないでください』
「 私がスキルをコントロールできなかったから、 君は死んでしまったんじゃないか!」
『 コントロールする術は誰にもわからなかった。 誰のせいでもありません』
「 それでも私が殺したことに違いはない!」
『 あなたにまで私の幸せな日々を否定されるのは悲しいです。 私はあなたに愛されて幸せなのです。 私が愛したあなたを許してください』
「 私は......私も、カナの ことを愛しているよ。カナが 愛してくれた私を...... 受け入れるよ」
おじいさんは 泣いていた。
アイリンとリンまで もらい泣きしている。
「 いい話だね」
1番大泣きしていたのは僕なんだけどね。
思い出すとちょっと恥ずかしい。
「 20年探して見つからなかったものがやっと 見つかった。 お嬢さん、ありがとう」
映像が終わって しばらくして落ち着くと、 おじいさんは 笑顔でお礼を言った。
みんな、思わず笑顔になる。
「 これであとは、魔王としての罪を償いに行くだけだよ」
「「えっ!?」」
おじいさんの爆弾発言に、 僕とアイリンは目を見開いて驚いた。
リンは 未来予知で既に分かっていたのか平然としている。
そういえば、魔王は20年間何かを探していた。 おじいさんが20年間、カナさんのデータを探していた話と一致する。
だけど......。
「 魔王には見えませんよ!?」
「 では、これではどうかな」
僕が指摘すると、 おじいさんは 黒っぽい服に黒マントの姿に変わった。 テンプレートの魔王っぽい服装である。
「 魔王め! 勇者の僕が倒してやるぞ!!」
「ぐわあ!? やられた!」
バタン!
小さな男の子が木の棒を振り回し、おじいさんは 倒れてあげた。
孫の勇者ごっこに付き合っている優しいおじいさんにしか見えない。
これが本当に極悪非道と噂されるものなのだろうか。
ティルが 本物の魔王を倒したはずだから、 厨二病のおじいさん?
それはそれで、なんだか嫌だな。
アイリンは そう言って、 小さな公園に入って行った。 僕もその後についていく。
お嬢様だから歩くのに慣れてないんだね。
...... 僕も体力がないから、バテバテなんだけどね。
アイリンが 休憩を提案してくれて助かったよ。
公園の中には鉄棒と滑り台があって、 小さな子供達が遊んでいる。
ベンチが2つある。 そのうちのひとつにおじいさんがぽつんと座っていた。
「 おじいさん、誰かと待ち合わせですか?」
にっこり。
アイリンは、 わざわざおじいさんの隣に座って笑顔で声をかけた。
「 死神のお迎えを待っているんだよ」
「えっ!?」
「ふふっ。 冗談だよ」
「 もう驚かさないでくださいよ」
「 すまないね。...... 私にもしも孫がいれば君ぐらいの年なのだろうか」
おじいさんは切なそうにアイリンのことを見つめた。
おじいさんのお孫さんは幼い頃に亡くなったのだろうか。 それとも最初からいないのだろうか。
アイリンは 自分の胸元で両手を合わせた。
「 今だけ、 私のことをおじいさんのお孫さんだと思ってください」
「 ありがとう。......でも、もういいんだ。 もうすぐ迎えが来る」
「 死神なんてやっつけてやりますよ!」
「 勇敢なお嬢さんだ。では、その時はお願いするよ」
「 任せてください!」
アイリンと おじいさんは楽しそうに談笑している。
微笑ましい光景......でいいのかな。
僕が微妙な気分になっていると、リンがアイリンに 謎の言葉を発した。
『アイリン、 動画再生!』
「えっ?」
『 私が言うとおりにスマホを操作してみて』
「 よくわかんないけど、 やってみるよ」
このパターンは見たことがある。
この前はユウキの 写真を 見たんだよね。
今回はアイリンのスマホだから、 データが違うはず。
動画というのは確か、動く写真のことだったよね。
アイリンが スマホを操作すると、30代くらいの女性の姿が現れた。 服装が今の女性と明らかに違う。 きっと、リンと同じく 世界大文明の頃の人間なのだろう。
『サトルさん、 あなたがこれを見る頃は私は すでにこの世にいません』
「カナ!?」
女性の声が聞こえると、なぜかおじいさんは大声で叫んだ。
カナというのは 女性の名前なのだろうか。
でも、どうしておじいさんが世界文明の頃の女性を知っているのだろうか。
おじいさんは 世界文明の頃の記憶がある転生者?
......いや、 まさかね。
『私が この世を去るのはあなたのせいではありません。 私はあなたといて幸せでした。 だから、ご自分を責めないでください』
「 私がスキルをコントロールできなかったから、 君は死んでしまったんじゃないか!」
『 コントロールする術は誰にもわからなかった。 誰のせいでもありません』
「 それでも私が殺したことに違いはない!」
『 あなたにまで私の幸せな日々を否定されるのは悲しいです。 私はあなたに愛されて幸せなのです。 私が愛したあなたを許してください』
「 私は......私も、カナの ことを愛しているよ。カナが 愛してくれた私を...... 受け入れるよ」
おじいさんは 泣いていた。
アイリンとリンまで もらい泣きしている。
「 いい話だね」
1番大泣きしていたのは僕なんだけどね。
思い出すとちょっと恥ずかしい。
「 20年探して見つからなかったものがやっと 見つかった。 お嬢さん、ありがとう」
映像が終わって しばらくして落ち着くと、 おじいさんは 笑顔でお礼を言った。
みんな、思わず笑顔になる。
「 これであとは、魔王としての罪を償いに行くだけだよ」
「「えっ!?」」
おじいさんの爆弾発言に、 僕とアイリンは目を見開いて驚いた。
リンは 未来予知で既に分かっていたのか平然としている。
そういえば、魔王は20年間何かを探していた。 おじいさんが20年間、カナさんのデータを探していた話と一致する。
だけど......。
「 魔王には見えませんよ!?」
「 では、これではどうかな」
僕が指摘すると、 おじいさんは 黒っぽい服に黒マントの姿に変わった。 テンプレートの魔王っぽい服装である。
「 魔王め! 勇者の僕が倒してやるぞ!!」
「ぐわあ!? やられた!」
バタン!
小さな男の子が木の棒を振り回し、おじいさんは 倒れてあげた。
孫の勇者ごっこに付き合っている優しいおじいさんにしか見えない。
これが本当に極悪非道と噂されるものなのだろうか。
ティルが 本物の魔王を倒したはずだから、 厨二病のおじいさん?
それはそれで、なんだか嫌だな。
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