異星生活

ゆうぽん

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宇宙での遭難

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 「…それではまもなく離陸致します。大きな揺れにご注意ください。」
アナウンスの十数秒後、大きな音と共に機体が動き出した。
「いよいよ旅が始まるんだな…。」
旅行することが決まってからおよそ一年が経過しようやく出発を迎えた。ここ1週間は楽しみすぎてまともに眠れなかった。あくびをすると機体が浮かび上がった。そして半年間の宇宙の旅が始まった。


 どうして僕が宇宙旅行をすることになったのかというと、それは7月21日。僕達の学校が夏休みに入ってまもない日の出来事だった。
 僕は家族3人である大手宇宙開発機構が運営する科学館に来ていた。
別に宇宙が好きなわけじゃないが入場料割引クーポンがチラシにあったのと科学館に近かったのが主な理由だ。だが、少し暗くインドア派な僕はそれだけでは行かない。その日には僕が。いや、誰もが行きたくなるようなすごいイベントが開催されるのであった。
 去年、世界で5つの国で宇宙旅行が可能になり世間では宇宙ブームがきていた。そして今年。僕の国でもついに宇宙旅行が可能となった。だが宇宙旅行するものはごく少数だった。なぜかって?世の中は厳しいもので一般の市民ではとても払えないような金額だったからだ。まあ、当たり前だよな。宇宙旅行だし。と思って諦めてたところにこんなニュースが流れて来た。それは1000人限定で宇宙旅行がクジで当たるというものであった。
そのイベントのせいでどこの街でも人が半分以上いなくなった街もあったらしい。道路が各地でっていうか科学館周辺の主要道路では100キロメートル以上の渋滞が起こったせいでイベントが元の20倍の期間になったり日によって来られる地域を制限したり国が動いたりなど前代未聞の対策が行われた。ロボットが仕事をする世の中でなかったら国が崩壊していたところだったらしい。
 まあ、そんなこんなでくじをしに僕は科学館に来ていた。5時間弱並んでついに順番が来た。くじは1回1万円。あまり家計にゆとりがない僕たちは1人1回ずつ引くことになった。まずは僕が。次にお父さんが引き、2連続で外した。人生甘くねーな。と諦め、携帯を取り出しSNSでオタク友達に結果を報告しようとした時。「おめでとうございます!」という声と一緒にカランカランカランとハンドベルの音がなった。
 その後、母さんは僕に宇宙旅行を譲ってくれた。お母さん飛行機とかが苦手だから~とか言っていたがおそらく嘘だろう。マジでありがとう。


 「おぉ、本当に宇宙に来たんだ…。」
地球を見ながら友達に感動を報告しようと思って携帯を取り出したら、圏外だ。ちくしょう。
「宇宙旅行できるようになったんなら宇宙でも通信できるようにしろよ…。」
愚痴を言っていると妙なことに気がついた。地球と少し離れたところに星の見えない範囲がある。「なんだ…?あそこだけ星が全然ない…わけないか。…近づいて来てる?」
よく見てると星が1つ、また1つと見えなくなっている。いきなりサイレンが鳴った。
「お乗客の皆様!至急シートベルトを締め、低い体勢をお取り下さい!」
えっ何?と乗客がざわざわと騒ぎ出す中窓の外を見ると星の見えない範囲がいきなり隕石に変わった。地球の影に隠れていたのか!
「隕石だーー!」
僕は叫んで家族に電話を試みた。
「ちくしょう!繋がれよ!つな…」
ガンッとものすごい衝撃が襲った。そのまま僕は意識を失った。

 何時間過ぎたのか分からない。他の乗客はまだ誰も目を覚ましていないようだった。
「誰かいませんかー?誰かー!」
返事はない。仕方ないので少し機内を歩いてみた。おかしいな…アナウンスが一切流れない…。嫌な予感がしてコックピットに行ってみる。
「嘘…だろ…?」
そこには頭から血を流している機長がいた。そして大画面のモニターには制御不能の文字と星に衝突するまでの時間が書かれていた。
「残り2分で衝突する…?」
なんとかならないのか!僕は必死になって解決策を探した。まだ死ねない!まだ恩を返していない!普段あまり喋らず迷惑をかけているのに最後にお礼も言えないなんて…!機体がガタガタと揺れ出した。残り40秒。もう時間がない!それでも諦めずも解決策を探しているとふと赤いレバーが目に入った。
「あのレバーを引けば…!」
しかしレバーは自分がいる位置からは遠かった。残り20秒。おまけに重力に引かれ落ちている機体内は無重力状態。その状況下ではレバーに触ることさえ素人にはあまりにも厳しかった。
「そんな…。まだ死ねない…!他の乗客も死なせるわけにはいかない…!それなのに!届け…届けよぉぉぉぉぉ!」
その瞬間視界が光り真っ白になった。
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