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転校生
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何度か紫乃に相談されて知ってはいるが紫乃自身がなかなか踏み込まないし、始が紫乃をお姫様扱いしている今はそういう事をしないのかもしれない。
俺はしばらく恋愛はいいや、今はバイトと金の事だけを考えようと再び視線を下に向けてパラパラと雑誌を捲る。
ライブ会場のイベントスタッフか、アイドルとか全く知らないけど面白そうだな。
教室のドアが開いてくたびれた中年教師が入ってきた。
「えー、今日は転校生を紹介したいと思います」
教師の声に周りが期待と興奮でざわざわと話し出した。
この学園は外部入学生も珍しいのに転校生なんてもっと珍しい。
俺の時もそれなりに注目を集めて友達も多く出来た。
それが今は紫乃と始だけ、他の奴は俺に彼女が出来てから離れていった…意味が分からない。
始の話によると「下心と非リア充ばっかだったんじゃねーの?」という話だ、よく分からなかったが頷いておいた。
教室のドアが開き足音が聞こえると話すのを止めて皆そちらに集中する。
さっきのような騒がしさはないが内緒話のように小さくぽつぽつと話している声が聞こえた。
「え?根暗?」
「前髪長っ!」
期待していたような顔じゃなかったのか不満で溢れている。
うるさいな、この学園は顔が命なのかよ…そういう不満は自分の鏡を見てから言えよ。
なんでここの奴らは、人の容姿を基準にしてるんだよ。
相手が誰だっていいだろうに、こういう陰口は気に入らない。
嫌な空気になり雑誌を閉じて、ちらっと転校生を見た。
確かに顔の半分隠れるほど前髪長いが別にいいんじゃね?不潔なわけでもないし…
見た目じゃなくて大事なのは中身だろ、中身を見ろよ。
女子がいないから身だしなみがずぼらになってる奴なんて沢山いる、この前だって寝癖が爆発してる奴が登校してきて皆で大笑いしていたのに…
それに小心者っぽいじゃん、あんまり転校初日で陰口言うと可哀想…
「うるさい黙れよ、お前らになんて言われても構わないけど…友達ごっこしに来たんじゃねぇから話しかけんなよ」
綺麗な低音で発せられた言葉に一瞬で陰口がピタリと止まった。
その場にいる誰もが口を開けたまま固まっている。
もう、誰も転校生の事をバカにする声はなかった。
俺の隣の席を見る、周りを見ても空いてるのは俺の席だけだった。
「えーっと、席は…三条くんの隣かな」
「は?」
なんでよりにもよって俺の隣なんだ!?見た目で判断はしないが、なんか怖そうだから関わりたくなかった。
とはいえ、俺には元々拒否権があるわけではない。
関わりたくないって言っても隣になったら気に掛けなきゃいけないじゃんか。
とりあえず慣れるまでは、俺がいろいろ教えてやらないとな。
名前が分からないからとりあえず根暗くんと呼ぼう、性格もまだ分からないし見た目で分かりやすいし…性格は根暗ではないようだけど…
根暗くんが近付いてくる、周りは俺と根暗くんを見ている。
注目されるの苦手なんだよ、時給が発生するわけでもないし…なんか損した気分。
根暗くんが席に座り俺をジッと見ている、な…なんだよ。
俺は何も言っていないが、気に入らない事でもあるのか?
見返す事が出来ず目を逸らす、情けないが喧嘩なんてした事ないからいきなり殴らないでくれと心の中で祈る。
「三条?」
「…あぁ、三条優紀だ…よろしくな」
「…よろしく」
てっきり無視されるか「お前とよろしくしたくない」と言ってくるかと思って驚いて根暗くんを見る。
ジッと見つめられていて、表情が分からない。
なんだ、まさか喧嘩売られてる?…いや、俺は暴力はちょっと…
さすがにこんな大勢の前で殴ったりはしないよな。
根暗くんが口を開くと同時に授業が始まり口を閉じた。
何を言おうとしたのかは、話をやめた今分からない。
まぁ、話さないのなら大した事ではないだろう。
今日はバイトないし、たまに始と紫乃と遊ぶかなと放課後のプランを考えていた。
いや、この場合恋人同士の時間を邪魔しない方がいいのかもしれない。
二人だって俺と遊ぶよりはそっちの方がいいだろうし…
友達としては悲しいけど、二人には上手く先に進んでもらいたいのも正直な話だ。
紫乃も始も第三者から見たら物凄くもどかしいんだよな。
可愛い顔して紫乃も肉食なくせに、なんだかな。
ここは俺が二人きりになるように誘導しようか。
そう考えて、一人頷いていたから根暗くんがずっとこちらを見ているのに気付かなかった。
俺はしばらく恋愛はいいや、今はバイトと金の事だけを考えようと再び視線を下に向けてパラパラと雑誌を捲る。
ライブ会場のイベントスタッフか、アイドルとか全く知らないけど面白そうだな。
教室のドアが開いてくたびれた中年教師が入ってきた。
「えー、今日は転校生を紹介したいと思います」
教師の声に周りが期待と興奮でざわざわと話し出した。
この学園は外部入学生も珍しいのに転校生なんてもっと珍しい。
俺の時もそれなりに注目を集めて友達も多く出来た。
それが今は紫乃と始だけ、他の奴は俺に彼女が出来てから離れていった…意味が分からない。
始の話によると「下心と非リア充ばっかだったんじゃねーの?」という話だ、よく分からなかったが頷いておいた。
教室のドアが開き足音が聞こえると話すのを止めて皆そちらに集中する。
さっきのような騒がしさはないが内緒話のように小さくぽつぽつと話している声が聞こえた。
「え?根暗?」
「前髪長っ!」
期待していたような顔じゃなかったのか不満で溢れている。
うるさいな、この学園は顔が命なのかよ…そういう不満は自分の鏡を見てから言えよ。
なんでここの奴らは、人の容姿を基準にしてるんだよ。
相手が誰だっていいだろうに、こういう陰口は気に入らない。
嫌な空気になり雑誌を閉じて、ちらっと転校生を見た。
確かに顔の半分隠れるほど前髪長いが別にいいんじゃね?不潔なわけでもないし…
見た目じゃなくて大事なのは中身だろ、中身を見ろよ。
女子がいないから身だしなみがずぼらになってる奴なんて沢山いる、この前だって寝癖が爆発してる奴が登校してきて皆で大笑いしていたのに…
それに小心者っぽいじゃん、あんまり転校初日で陰口言うと可哀想…
「うるさい黙れよ、お前らになんて言われても構わないけど…友達ごっこしに来たんじゃねぇから話しかけんなよ」
綺麗な低音で発せられた言葉に一瞬で陰口がピタリと止まった。
その場にいる誰もが口を開けたまま固まっている。
もう、誰も転校生の事をバカにする声はなかった。
俺の隣の席を見る、周りを見ても空いてるのは俺の席だけだった。
「えーっと、席は…三条くんの隣かな」
「は?」
なんでよりにもよって俺の隣なんだ!?見た目で判断はしないが、なんか怖そうだから関わりたくなかった。
とはいえ、俺には元々拒否権があるわけではない。
関わりたくないって言っても隣になったら気に掛けなきゃいけないじゃんか。
とりあえず慣れるまでは、俺がいろいろ教えてやらないとな。
名前が分からないからとりあえず根暗くんと呼ぼう、性格もまだ分からないし見た目で分かりやすいし…性格は根暗ではないようだけど…
根暗くんが近付いてくる、周りは俺と根暗くんを見ている。
注目されるの苦手なんだよ、時給が発生するわけでもないし…なんか損した気分。
根暗くんが席に座り俺をジッと見ている、な…なんだよ。
俺は何も言っていないが、気に入らない事でもあるのか?
見返す事が出来ず目を逸らす、情けないが喧嘩なんてした事ないからいきなり殴らないでくれと心の中で祈る。
「三条?」
「…あぁ、三条優紀だ…よろしくな」
「…よろしく」
てっきり無視されるか「お前とよろしくしたくない」と言ってくるかと思って驚いて根暗くんを見る。
ジッと見つめられていて、表情が分からない。
なんだ、まさか喧嘩売られてる?…いや、俺は暴力はちょっと…
さすがにこんな大勢の前で殴ったりはしないよな。
根暗くんが口を開くと同時に授業が始まり口を閉じた。
何を言おうとしたのかは、話をやめた今分からない。
まぁ、話さないのなら大した事ではないだろう。
今日はバイトないし、たまに始と紫乃と遊ぶかなと放課後のプランを考えていた。
いや、この場合恋人同士の時間を邪魔しない方がいいのかもしれない。
二人だって俺と遊ぶよりはそっちの方がいいだろうし…
友達としては悲しいけど、二人には上手く先に進んでもらいたいのも正直な話だ。
紫乃も始も第三者から見たら物凄くもどかしいんだよな。
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