ハニードロップ

蜜柑大福

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嫉妬

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※河原飛鳥視点

暖かいシャワーを頭から浴びて瞳を閉じる。

何故って、それは自分が一番知りたい。

何故…俺はアイツに触りたいと思った?

思い出すのは、焼けていない真っ白な肌だった。

筋肉は薄いとはいえ、ちゃんとした男の身体だ。

視界に映さなくても、触れるだけで男だと分かる。

手のひらを見つめると、触れた感触が思い出される。

今まで男に触りたいなんて思った事は当然なかった。

男女共にキスをしたいと思った事すらなかった。

あの時の気持ちを確かめたくて、もう一度確かめたくてキスをした。

だったそれだけの理由だった、他意はない。

これで分かるだろう、やっぱり男とか考えられないって…

でも前とは違い、俺の想像のものとも違った。

柔らかい唇の奥に潜む真っ赤な舌に触れてみたくなった。

気付いたら欲が増えていた、もっともっと触れたい全身で感じたい…そう思った。

三条優紀という一人の人間に対しての気持ちだ。

ここまで来たら、男とかそういうものじゃないような気がしてきた。

スキャンダルは最も両親が嫌うもので今まで付き合った事はなかったが、自慰はしないといけないからそういう動画なんかを見て一人でしていた。

未成年は見てはいけないと思いつつ、両親が思ってるほど真面目ではない。

ほとんど両親はいないから、そこだけは良かった。

少しは興奮するが、それは作業のように機械的に手を動かすだけだった。

その興奮も触れているからで、視界に映る女には何の感情もなかった。

保健室にある人体模型とあまり違いが分からないほどだ。

男の方が好きなのかと思って好奇心で調べた事があった。

気持ち悪すぎて1分も見れずに止めて、俺は元々性欲が薄い方だと思っていた。

だからこんな欲まみれの感情が初めてであの時は制御の仕方を知らず少し暴走してしまった。

やっぱり俺も普通の男みたいに興奮するんだ、なにがきっかけかは分からないがいつもみたいにやれば良い。

すっきりしたら、おさまると…そう思っていた。

結果はもっと欲が出てしまった。

触れ合った体温は火傷しそうなほど熱かったのに離そうとは思わなかった。

先端が触れるだけじゃ足りない、もっと奥の奥まで繋がりたい。

アイツのいろんな、俺しか知らない顔を見てみたい。

……見たい、見たい。

「やばっ、また勃った」

俺ってこんなに性欲が強かったっけ。

次アイツが使うからこの場は萎える事を考えてやり過ごそう。

そういえば具合悪そうだったな、大丈夫だったのか?

顔色悪かった気がする……苦しそうで、泣きそうな顔で…

心配してるんだ、俺がなにか泣かせるような事をしてしまったんじゃないかって…

そうは思っていても、身体は俺とは真逆にまた興奮してしまった。

アイツの事を考えるのはやめよう…仕事の事を考えよう。

マネージャーは俺の二倍は生きてるし、この不安定な気持ちの意味を知っているだろうか。

明日新曲のレコーディングだし、聞いてみるか。

風呂から上がり、着替えて廊下に出るとアイツが廊下にいて風呂に入っていった。

アイツを同室者にしたのは単純に俺の正体を知ってるからだ、こうして遠慮なく元の姿でいられるから…

担任に同室者の話をするのに、クラスメイトだといろいろと楽で良かった。

………少しだけ下心もある。

アイツの部屋に入ると、空気が全体的にアイツのにおいでいっぱいだった。

嫌なにおいじゃない、むしろ落ち着く。

ベッドに座る、ちょっと変態っぽいが本人がいないから枕に顔を押し付ける。

シャンプーのにおいか?だからあんな良いにおいしたんだな。

「…三条、優紀…か、優紀…ゆうき」

あ、また興奮してきた…こんな事でしたら一発で分かるよな。

警戒されたら困る、今日から一緒のベッドで寝るんだから…

俺に襲われたのになんで一緒に寝る事を同意したんだ?

まさか、俺…無害だと思われてる?

普通に襲ったんだから無害なわけがねぇだろ。

もしかして触られる事は三条からしたら日常なのか?

確かに三条は美人で友達思いで、ちょっと反抗的なのもそそるのは分かる。

大浴場とはいえ、女がいない男子校だから三条の裸を見る野郎が現れるのか?

外に行けば女がいくらでもいるのに…

三条に興奮した俺が言える事じゃないよな。

ベッドから起き上がり離れる。

これ以上ベッドにいたら我慢出来なくなる…ただでさえこの空間は俺にとって毒なのに…

周りを見渡し、本棚に目線を向けた。

暇つぶしにはちょうどいいと思って、本棚の前に立つ。

いろんな参考書に混じって異質なものがあった。

人気デートスポット案内の本とか彼女をときめかす男の必勝法とかなんか微妙なタイトルの本が並んでいる。

三条の一人暮らし部屋だから、三条の私物だよな。

今彼女いる気配ないし、あの時の元カノか。

何となくデートスポットの本を手に取りパラパラ捲り驚いた。

そこにはいくつか丸印が描かれていて、自分に自信を付けるためか一言コメントみたいに「大丈夫だ」とか「俺なら成功する!」と書かれていた。

棚に戻すと風呂から上がった三条が自室に来た。

「悪い、待たせた…えっとじゃあ俺はソファに…」

「……三条」

「なに…っん!」

三条に近付き逃げない事を良いことにキスをした。

舌を入れると三条から力が抜け腰を支える。

三条には絶対に言えないな。

元カノに凄い嫉妬したなんて…
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