遑神 ーいとまがみー

慶光院周

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第2章

ブライダル・ローズ中 ~彼の者もっとも偉大なるアリなり~

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 「で、今に至るというわけか」

 脳内再生で今までの出来事を振り返り終わると気が抜けてその場にゆっくりと腰を降ろしそのまま大の字に転がる。いくら歩いたとて出口が無いなら休息を挟まないと疲れるだけだ。

 『あの~……すみません生きておられますか?』

 しばらく同じ体勢で頻繁に降ってくる流星を眺めていると新月と同じ方法で声がけされて体が素早く反応を起こす。  
 が、すぐに控えめな口調であるから新月ではないと気がつき肩を落とした。だがこの場で【以心伝心】か何かを使ってでも文書が届いたということは少なくとも会話が成立する相手がいるということだ。
 そう考えると活力が生まれるものだ。これでこの空間を抜けることが出来ると上半身を起こして文書が届いた方角やその周りを見渡す。しかし届いた筈の文書の主の姿は愚か影すら見えない。 

 そんなはずは無い、さっき自分に届いたのだから何かはいるだろうと起こした上半身を戻し草の根を分けて探すと一つだけ花の影では無い点を見つける。
 これが文書の主かと理解すると力に任せて草の根を左右に分け広げるとそこに居たのは点では無く一匹のアリだった、しかも白い色の。
 一瞬シロアリかと首を傾げるが普通のシロアリがこんな場所にいるわけが無い。これだけ歩き回っても虫の一つも見なかったのだから。

 「………」
 『………』


 お互いの間に流れる沈黙に浸っていても話が進まない。むこうが話し出さないなら私から話そう。

 「……さっきの文書の主はお前か?」
 『はい私でございます』

 疑いつつも試しに声をかけてみると先程と同じ口調の文書が返ってきた。

 「そうか、ではお前は何者だ? ただのシロアリでは無いだろう?」
 『シロアリではありません!!  確かに姿はそう見えなくも無いですがシロアリではなくクロオオアリです! 色の違いは私が神であるからですよクロノス様』

 あまり役立ってはいないがそれなりに使っている偽名ではなく、本来の名前を言われて少し驚くが自らが神であると言われて成る程と納得する。そうか同じ神やそれに連なるものであればこうして対話も可能だろう。

 「そうか、それは悪かった。だかお前が神だと言うならお前はこの世界の管理をしているということか?」
 『驚かれないのですね……まぁいいです。そうです私はクロノス様や混……今は新月様でしたね、の御二方がアニメ顔負けの活躍をされている世界の神、アリアスでございます。
 因みにステータスなどの声や説明も私が担当をしていますしこの世界では美しい神として語られているのですよ~……でも多神教の世界ですので私を信仰してくれる国もヴェレンボーンと魔界だけであとは人が作り出した創作の神を信仰していたり自然を信仰されて力が弱くアリ以外の姿になれないのですが……」

 アリアスか、見た目から取ったような名前だが覚えやすくていい。
 自己主張をするかのように飛んだり跳ねたりとせわしく動きながら色々と重要なことを話してくれたアリアスだったがここで質問しなくてはいけないことが生まれた。

 「ではアリアス、ステータスを管理しているということは今までもお前が?」
 「はい、なるべくわかり易く説明するように心がけています。クロノス様の場合は少し説明を柔らかくしておりますが。しかしそのせいでクロノス様がこんな場所に来てしまわれるとは……御二方はこの世界にとって客人であらせられるというのに申し訳ございません』

 今までの変わった説明文の理由が知りたくて質問をするとしょぼくれたらしく精一杯上へと上げていた頭を地面につくほど下げて謝られる。
 思い当たる節といえばあの巨大獅子のことしかなかったのでどのことかと首を傾げる必要はなかった。確かにあの説明文はおかしかった。説明文はテレビの通販番組ではないのだ。
 しかこれで信用するというのもまだ証拠不足かもしれない。もう少しテストさせて貰おう。

 「いや謝らなくていいこれは私が油断した結果だからな。それよりもお前が本当に神であるという証拠をもう少しみせて貰ってもいいか?」
 『いいのですか?!  ありがとうございます、どうぞ何なりと』
 「では証拠に六雲峰の名前の由来を言うこと、さらに説明文に……そうだ【世界の図書館】の説明文を新月の口調で書き直して欲しい。出来るか?」

 六雲峰、確か読み方は《ロクウンミネ》と言われているが正確な読み方は検索しても翻略機能が付いているわけではないので本来の読み方はよくわかってはいない。
 私も数分前まではそこにいたが大体の人間は読み方を間違って覚えているらしい。現にこの私も登山中に変な名前だと思って考えていたが読み方が違うと気が付いたのは結構遅かった。
 多分正しい読み方は《リクウンホウ》だ。アリアスがこれを知っていたら少しは話を信じてもいいだろう。

 『はいはい出来ます出来ます。六雲峰がなぜ漢字なのかというと昔、オージュンの魔導師が雲の成分を全て解析したため魔導師が付けた名前がそのまま定着したことによります。説明文も変更しましたのでどうぞご自由にご覧ください。  
 あ、読み方は《ロクウンミネ》ではなく《リクウンホウ》です。これにはよく間違われる人が多いんですよ、大体全国で9割ぐらいの人が間違って覚えている程ですから』

 当たっていた。唐突な注文にもアリアスは驚くことなく出来ると言ってのけ私と同じ読み方をしてくれた。では説明文もご覧くださいと言われたのだから遠慮なく調べさせて貰おう。これが出来ていたらこいつをこの世界の主神だと今のところは認めよう。

 『六雲峰って読み方が《リクウンホウ》って読むんだって!  俺普通にロクグモミネとかって呼んでたわ( ゜д゜)
 理由はオージュンの魔導師くんが雲の解析をしたからその子が付けた名前か定着したらしいけどこの山ってクソ王国のだよね? 自分の国の領域も解析出来ないのかよwww
 権力に溺れる時間があったら勉強しろよ~。あーでも俺は勉強とかやらない主義なんで!  だってクロがいるしー拙者、働きなく無いでござる!』



 「……本当に神なんだな」
 『そうですよ!』

 調べて出て来たステータス画面の説明文が説明よりも脱線した話が多くあいつが話す口調に限りなく近いもので一瞬本人が考えたのかと思った。どうやらこのアリアスは本物らしい。

 「そうらしいな。試すようなことをしてわる―――

 『あ、ついでにいいますとこの空間はつい数時間前に発生したものでして私はその調査にここに来て閉じ込められました! それ故にクロノス様が【鑑定】と【世界の図書館】を使われた時に急いで説明を考えたことで魔獣に隙を与えてしまったことは申し訳ないと考えております!』

……」

 謝罪を述べようと潰さないようにアリアスを拾い上げると元気に飛び跳ねながら一番重要なことを話したアリアスに新月と似たとことを感じてさらに肩を落とす。
 新月と同じような能天気さでいいのか創作神、

 『いやー本当に困っています! そこでクロノス様にこの空間を破壊することにご協力をお願い出来ませんか? クロノス様がどうやって入って来たかというと貴方様に自覚は無いかも知れませんが空からゆっくりと落ちて来たんです!  私もこの空間に入って来たのはこの夜空からなんですけどね』

 六本のうちの一本の前足で空を指し示すアリアスの視線を追って空を見上げる。確かに私にはどうやってこの空間に入って来たかという記憶が無い。
 いや記憶というより目の前が白くなってしばらくしたらこの花畑に立っていたのだから視界に情報が入っていなかったのだろう。
 しかし空から落ちてきたって私はペンダントなんて付けていないぞ。それにそこまでわかっているならアリアス一人でも脱出できたのではないか?

 『いやー私この姿なのでどうも魔法なんかの能力が弱いのです。はっきり言ってレベルなんて普通の魔術師ぐらいというのが関の山です。【加護】なら能力として使えるんですけどねー、そこでクロノス様の出番という訳です!』
 「そうか……、なら私の出番というのは?」

 なんだか聞いていてこちらが申し訳なくなくことを言われて哀憐の情を感じる。自分の力を卑下しながら後ろ足をプルプルとさせ、背筋を逸らし、前足で私を指差すシロアリの背景に紅白の旭日旗のようなものが見え更に見た目が小さく見えた。と同時にその見た目が面白くて何をすればいいかという言葉が喉からするりと出てきてしまったことを後悔する。

 『頭突きして下さい。あの流れ星に向かって』
 「私に燃え尽きろ言いたいのか」

 一呼吸置くとまた降ってきた流星を指す細い前足にさらりと自殺行為をお願いされた、素早く拒否の意を示すと頭部を微かに振ってそうではないと付け足す。

 『いえいえ実はこの世界は花が力の源ではなく、あの数分に一回のペースで流星なのではないかと私は見込んでいるのです』

 そんなに流れるのかここの流星は、確かに頻度は多いがどれだけ流れれば気がすむん……待てよ流星? 星空? そしてネメアーの獅子?



 「あ、」
 『どうしましたか?』
 「いやこの空間を作った犯人がわかっただけだ。とっととこんなところ出るぞ」
 『え?!  ちょっとそこが一番気になるんですけどぉぉぉおおお!!!!』

 思いつくやつが二人程いるが流星となればあいつしかしないだろうと数秒で真実に行き当たる。ならこんな場所で道草をしている場合じゃないな。
 しっかりと力を入れて立ち上がるとシロアリを手に閉じ込めると本日二回目の神通力を使い夜空を駆け抜ける光を追いかける。あいつがら無事だといいのだが……



****
アホ視点

 『ーーーー!!!!』

 クロがライオンの腕に薙ぎ払われるとなんの予兆もなかった筈の空から降ってきた流れ星とぶつかりどこかに消えていき伸ばした手には何もなかった。
 けど俺の頭の中では叫びたい言葉が叫べない為により喉の奥に塞き止められていた。



 俺の……俺のクロが消えた。

 返せ、返せ、返せ………………………………………返せ、返せ、返せ、返セ、返セ、かエセ、かエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセ、カエセー――――!!!

 『fjrkcんwldけあぇk』
 「お嬢様落ち着いて下さい。お嬢様ががむしゃらに動いても勝てるような相手ではありません」
 「そうですよ!  あのクロス様がそんな簡単に死ぬ訳ないじゃないですか。 多分、もうこっちに戻ろうと動いてますから、ひとまずっ、落ち着け!!」

 ろくな言葉になっていない文書を最近板についてしまった癖で二人に送ってしまうが謝る時間も惜しい。
 衝動に任せてライオンに全力の体当たりをしようと―――するが二人掛かりで羽交い締めにされて宙でバタ足をするだけになった。
 つーちゃん意外と筋肉すごーい。
 ついでに胸の弾力もすごーい、なんて頭の片隅で思いながら二人を押し退けようと手を使ってさらにがむしゃらに体を動かす。

 つーちゃんに気を取られているといつの間にかライオンの背後からひょっこりと偶然通りかかったような顔をした人型生命だった。
 シャツにスラックス、ネクタイといったシンプル過ぎる服装に、なぜかすごーく目立つ原宿産かと言いたくなる星空を切り取ってそのまま首に巻いたようなマフラーをした、肩まである金髪を靡かせた青目のお伽話にでも出てくるような顔つきの男―――ってこんなとこに人がいる訳ないじゃん、あいつが犯人でしょ?!

 「うひゃー、さすがエキドナの子供だな~あのクロノスを一発で振り払えたんだもん。こんなことならあんな回りくどいことしなくて良かったじゃんか~~損した!!」

 こんなにあっさりかよ~と俺でもこの場に合わない明る過ぎる声で笑った。しかしどことなくライオンの背中で額に手を当てて空を仰ぐポーズをする男に懐かしさを感じた。

 えーとどっかで会ったはず!  でもどこだ? えーと、えーと、え………………あぁぁああ!!!




 『なんで君がいるんだく……くれないちゃん!!』
 「クレイオスだ!!  というかお前誰だよこのちんちくりん!!」
 『うっせーやい!  っていうかちんちくりんじゃなくって新月ちゃんだーい!  旧名、名無しの権兵衛カオス様だよく覚えとけーい、んでもって崇めろ称えろ。そして早くクロを返せやエセ王子!!』
 「ええ?! 今までお前誰だよとか思っていたのにお前が混沌カオスかよ?!  だったら積もり積もった積年の恨み覚悟しろ。あと誰がエセ王子だ、僕は星を司る神だぞ!!」
 『見た目が狙ってやってるとしか思えないんだよ!  どうせ王子目指すなら提灯みたいな袖とズボンの服着とけ!!』
 「嫌だよ!!」
 「少しよろしいでしょうか」
 「『なんですか?!!」』

 場に似合わないことはわかってはいるが衝動で動いてしまったため後には引けず二人でぎゃあぎゃあと言い争っていると後ろから声をかけられた。
 二人同時に振り返ると手を上げていたのはつーちゃんだった。紅ちゃんは急に話をせき止められて眉間にしわを寄せる、それでもつーちゃんが引かないとわかると視線をつーちゃんに向けた。

 「なんだよ巨乳」
 「御二方は知り合いであるがゆえに話を先に進めておられますが私とハリスはこの状況に理解が追いついていないのです。特にそちらの方、貴方は何者ですか? 神か人間よりも神に近い存在のように私には感じます。貴方は我が主人の……」

   敵か味方か、探るような目つきで紅ちゃんを睨むと待っていましたと言わんばかりに名乗りをあげる。

 「はは、ならここで答えるのが世の情けだ! 僕は天翔る流星を司る神、クレイオスだ!! 僕の目的はただ一つ、クロノスをまた王座に戻らせることさ」
 「神……」
 「そうだよ僕、僕は神。しかも母なる大地であるガイアから生まれた古い神さ!」
 『あー思い出した紅ちゃんの正式名称!  でも紅ちゃんの方が可愛いからこのままにしよう!』
 「やめろ―!!」

 青空の下、まだ夜でもないのに星空をはためかせて自慢げに名乗りを上げ体操ご立派な野望を話し目を見開いた。


―――が、何と無く癪に触ったのでかっこよく名乗ったシーンをぶち壊す。

衝撃で久しぶりに固まるハリスくんにドヤ顔説明するのを残念な結果にしてやったZE☆あはは、ざまあみろ!
 してやったりと心の中からも漏れ出した感情が顔から悪戯が成功したときの笑顔を引き出すと紅ちゃんはげんなりとした顔をした。

 「ハリスが固まるのも無理ないです。この方はマスターと同じく神という存在です。しかも古の神、力も並大抵の神崩れなど塵芥でしょう。
 しかし、クレイオス様が望まれていることはマスターが望まれていることだとは思えませんが?」
 「かもしれないね。でもあんたやクロノスはオリンポスの方との戦争後の出来事を知らないだろ? あのあとティータンの側は一時牢屋行き、その後監視付きまた軟禁状態で暮らしてるんだ。
 分かるか? 僕等世界を創作したティータンがそのあとに生まれたくせに我が物顔でのさばってるオリンポスのやつらに虐げられているティータンを!! 」

 冷静に見えるが話によっては攻撃も辞さないと言わんばかりに低音のハスキーな声でどうなのかと聞くと王子様スマイルは何処へやら。
 紅ちゃんは真剣な顔つきで俺達三人、実際は俺を睨んで言葉を吐き出す。だがそれだけでは言いたいことは終わらないようで今度は汚物を見るような目で青空を睨む。

 「僕はクロノスが呪いで恐ろしい姿となり、殆どの力が使えないことをいいことに殺して王座を奪ったあのゼウスが憎い。クロノスこそ王座にふさわしいというのにあの大マヌケが神々を束ねるという重大な仕事が出来ていないくせにとばっちりで死んだやつらがどれだけいると思っているんだ!  
   人間だってそのとばっちりを受けているんだぞ? そんな存在がか神々の王だなんで僕は絶対認めない!!  だからクロノスには悪いが無理矢理にでもこうするしかないんだだよ!!」

 心の内をありったけの力を込めて吐き出した紅ちゃん、荒く肩で息を吸いながら涙を溜めた泣きそうな顔で俺達を親の仇のような目でジッと見つめられる。

 「お前はそう思わないのかよカ……新月。クロノスが言っていたがお前はクロノスを弟だと思ってずっと一緒にくっついてるんだろ? ならクロノスが受けたこれまでの仕打ちに腹が立っている筈だ。どうだ、僕達と手を組まないか?」
 「っ?!」
 「は? なんでお前なんかと!!」
 「五月蝿い!! 新月、お前だってクロノスがまた王座に返り咲くのがみたいだろ?」

 表情が暗く陰っていながらも口元にうっすらと笑みを浮かべた不気味な笑顔で手を差し伸べられ目を見開く。 
 見ていたつーちゃんもハリスくんも同じだ。つーちゃんは一緒驚いた顔をしたがすぐに落ち着きを取り戻して真っ直ぐに俺を見つめる。判断は俺に委ねると言いたいらしい。

  対してハリスくんは紅ちゃんの誘いに若干キレ気味に吠えた。多分つーちゃんがハリスくんを腕に閉じ込めなかったら五月蝿いと怒鳴った紅ちゃんに隕石落とされて殺されていたかもしれない。
 再度手を差し伸べられる先には夜空と晴天の二つが見えるが今は関係ない。

……紅ちゃんの言うことも俺は正しいと思う。
 俺はクロ、クロノスが今は感情値のメータ反応がが薄いから一番強い感情である怒りとかしかないと思ってる。
 けど、この先微笑んでくれる未来があるなら俺はその道を作りたいと思っている。だけど同時にその道がクロが王様のときに実現してらどれだけ良かったことかと何回も考えたりした。



  俺だって今でもクロの方が神々の王としては感情やらなんやらを含めずに公平に物事を進めれると思う。
 ぜうぜうみたいに場を引っ搔き回したりうらちゃんみたいに美醜にとやかく言わない分誰が王に相応しいかって言われたら間違いなくクロの名を上げる。
 それに俺はまた見たいと思っている。

 クロが、クロノスが呪いであんな気色悪いものになる前に、王として華々しく活躍して神話にも書かれることが無かったほど平和だったあの僅かな時代を、
 となれば俺の答えは初めから決まっているよね。それは―――
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