俺のコピペが世界を変える!

滋賀列島(シガレット)

文字の大きさ
16 / 27
第4話「亡国の姫」

4-4: 「未習の魔法」

しおりを挟む
 朝霧がゆっくりと晴れていく中、リバンスとルーンはミストヘイブンの町を後にしていた。

「よっしゃ、体の調子もバッチリだな」

 リバンスは腕を伸ばしながら言った。

「なあルーン、アーカルムまでどのくらいかかるんだ?」

 ルーンは少し躊躇しながら答えた。「その前に...寄り道をしたいの」

「寄り道?」

「ええ。昔お世話になった知り合いに会いに行きたいの」

 リバンスは首を傾げた。「どんな人なんだ?」

「王国がまだあったころ、王家の顧問魔法使いとして代々王家の魔法指導を行っていた女性よ」ルーンは説明した。

「魔法の知識がとんでもなくて、逆に知らないことを探す方が難しいほど精通しているの」

「へぇ、すごい人なんだな。でも、なんでわざわざ会いに行くんだ?」

 ルーンは真剣な表情で答えた。「実は...王家にのみ伝わる『融合魔法ゆうごうまほう』という魔法があるの。本来なら一定の年齢になった際に習得する過程に入るはずだったけど...」

 彼女の声が少し沈んだ。「その前に国が滅んでしまったから、私はまだその魔法を使えないの」

「そっか、それを習得しに行くってわけか」リバンスは理解したように頷いた。

「よし、行ってみよう。俺の複写再現コピー&ペーストのこともなにかわかるかもしれないしな」

 道中、リバンスは気になっていたことを尋ねた。

「その人も王国の生き残りなのか?」

 ルーンは首を横に振った。「いいえ、違うの。王国が滅ぶ前から別の場所に住んでいたわ。ミラっていう名前で、グリーンリーフという村にいるの」

「ミラさんか。どんな人なんだ?」

「もともとは王国の近衛魔法使いとして国防を担っていたんだけど、一線を退くと同時に今のグリーンリーフ村へ移り住んだの。静かな場所で穏やかに魔法について探求したいって理由だったわ」

 ルーンは説明した。「実力がとんでもないから、顧問魔法使いとして関わり続けてくれていたの。私も幼い頃、よく魔法の指導をしてもらったわ」

「へぇ、なんだかすごい人みたいだな」

 ルーンは少し恥ずかしそうに付け加えた。

「少し変わり者だけど、とてもいい人よ。それに...美人なの」

 リバンスは微笑んだ。「へぇ、美人か...」

 ルーンは呆れたように目を細めた。

「何を期待してるの」

「いや、なんでもないよ」リバンスは慌てて手を振った。

「それで、その村にはどうやって行くんだ?」

「『写し鏡うつしかがみの洞窟』という場所を抜けなきゃいけないの」

「写し鏡の洞窟?どんなところなんだ?」

 ルーンは説明を続けた。「もともとはただの洞窟だったんだけど、ミラが移り住んだ際に、王家の魔法や自分の知識が狙われるのを防ぐために、通り道の洞窟に魔法をかけたの」

「へぇ、どんな魔法なんだ?」

「洞窟の奥に行くと、自分自身を模した影が現れるの。それを倒さないと抜けられないようになってるわ」

 ルーンは少し不安そうに付け加えた。

「王家の人間や村人は影が出現しないで抜けられる仕様になってるから、今回抜ける時はリバンスの影を二人で倒すことになると思う」

 リバンスは複雑な表情を浮かべた。「自分が倒されるのを見るのは複雑な気持ちになりそうだな...でも、俺たち二人なら問題なく倒せるだろう」

 そうしてたわいもない話をしながら歩を進める二人。

 やがて、遠くに洞窟の入り口が見えてきた。

「あれだ」ルーンが指さす方向に、確かに大きな洞窟の口が見えている。

 リバンスは深呼吸をした。「よし、行こう」

 二人は新たな試練に向かって、ゆっくりと歩み寄っていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!

神崎あら
ファンタジー
運動も勉強も特に秀でていないがめっちゃ運が良い、ただそれだけのオルクスは15歳になり冒険者としてクエストに挑む。 そこで彼は予想だにしない出来事に遭遇する。 これは初期ステータスを運だけに全振りしたオルクスの豪運冒険譚である。  

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...