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滋賀列島(シガレット)

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第5話「魔法の継承」

5-2: 「銀髪の魔女と王家の秘法」

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 まばゆい光が消え、リバンスとルーンの目の前に広がったのは、まるで絵本から飛び出してきたような美しい村の風景だった。木々がしげる中に可愛らしい家々が点在てんざいし、空気はんでいて、かすかに魔力のような不思議な力を感じる。

「ここが...グリーンリーフ村?」リバンスは息をんだ。

 ルーンはまだ疲れが残っているようで、リバンスの肩にりかかりながら小さくうなずいた。「ええ...ここよ」

 村の中心には大きな泉があり、そこから魔力がき出ているかのようだった。村人たちは二人を好奇心旺盛こうきしんおうせいな目で見つめている。空中に浮かぶ本を読んでいる子供や、つえを使って野菜を収穫しゅうかくしている老人の姿も見える。

「すごいな...みんな当たり前のように魔法を使っている」リバンスは驚きを隠せない。

 そのとき、一人の美しい女性が二人に近づいてきた。

 長い銀色の髪は風に揺れ、深い緑のひとみは神秘的なかがやきを放っている。年齢不詳ねんれいふしょうの魅力的な雰囲気ふんいきを持つその人物に、リバンスは思わず見とれてしまった。

「お久しぶりね、ルーン」女性は優しく微笑んだ。

 その声は、まるできよらかな小川のせせらぎせせらぎのようだった。

 ルーンは弱々よわよわしくも嬉しそうに返事をした。「ミラ...会いたかった」

 ミラはルーンの状態を見て、心配そうな表情を浮かべた。「ルーン、あなた...随分と疲れているようね。大変な旅だったのでしょう」

 ルーンは少し申し訳もうしわけなさそうに微笑んだ。「ごめんなさい、ミラ。予想以上に大変な道のりだったわ」

 ミラは優しくうなずいた。

「そうね、写し鏡うつしかがみの洞窟での戦いを見ていたから、どれほど大変だったかわかるわ。まずはゆっくり休んで。特にあなた、ルーン。魔力を使い過ぎているもの」

 リバンスは驚いた様子で尋ねた。「え?ミラさんは洞窟での戦いを見ていたんですか?」

 ミラは微笑んで答えた。「ええ、魔法で遠隔観察えんかくかんさつしていたのよ。あなたたち二人の戦いぶり、とても印象的いんしょうてきだったわ。特にあなたの複写再現ふくしゃさいげん能力...とても珍しいものね」

 リバンスは驚きと共に、少しずかしさも感じた。

 ミラは続けた。「でも、そのおかげで随分と消耗しょうもうしているみたいね。今日はゆっくり休んで。明日にでも、ゆっくりとあなたたちの目的について聞かせてもらいましょう」

 リバンスとルーンは感謝の言葉を述べ、ミラに用意してもらった部屋で休むことにした。柔らかなベッドによこたわりながら、二人は今日の出来事を振り返ふりかえった。

「ミラさんは、僕たちが来ることを予想していたみたいだね」リバンスがつぶやいた。

 ルーンは微笑んで答えた。「ええ、ミラは常に一歩先を行く人よ。王国で最高の魔法使いと呼ばれていたのも納得なっとくできるわ。きっと明日から厳しい修行が待っているわ」

 そんな会話をしながら、二人は疲れた体を休め、明日からの修行に備えて深いねむりについた。

 翌日、朝日が部屋にし込む頃、ミラは二人を居間いまに招いた。温かい朝食を前に、ミラはおだやかな表情で二人を見つめた。

「さて、昨日は十分休めたかしら?今日は、あなたたちがここに来た目的について聞かせてもらえるかしら」

 ルーンは少し緊張した様子で口を開いた。

「ミラ、私は...融合魔法ゆうごうまほうを習得したいの」

 ミラの目がかがやいた。「やはりね。そろそろその時期だと思っていたわ」彼女は立ち上がると、「では、庭へ案内するわ。そこで詳しく話しましょう」と言った。

 ミラは二人を家の裏手うらてにある小さな庭に招いた。そこには、魔法陣がきざまれた石版が置かれている。

「さて、ルーン。融合魔法の話をしましょう」ミラの表情が真剣になる。

「融合魔法...」ルーンの目に決意の色が宿やどる。

 ミラは静かに説明を始めた。

「融合魔法とは、複数の魔法要素を一つに統合し、より強力かつ複雑な効果を生み出す高度な魔法技術よ。あなたの国で開発され、王家に代々伝わる秘法ひほうなの」

 リバンスは食い入くいいるように聞いている。

「通常の魔法使いには扱えない強大な力を発揮するわ。でも、使用者の精神力と魔力の高度な制御が必要になる」ミラは続ける。

「複数の属性、例えば火と水、風と土などを同時に操ることで、想像を超える効果を生み出すの」

 ルーンが小さくつぶやいた。「父上は...最後の守りとして、この魔法を使ったのね」

 ミラは優しくうなずいた。「そうよ。融合魔法は国家防衛の最終手段として機能するほど強力なの。それに...」

 彼女は一瞬言葉を切り、意味深いみしんな表情でルーンを見た。

「ロストテクノロジーを扱うかぎになるかもしれないわ。でも、これらの情報が悪用あくようされれば、世界が終わってしまう可能性もある。特にドミナージュという組織には、絶対に渡してはいけないわ」

 その言葉に、リバンスとルーンは息をんだ。

 ミラはリバンスに向き直った。「そして、あなたの能力も...興味深いわ」

 ミラは続けた。「あなたの能力は、実は滅亡めつぼうした王国に関連しているかもしれないの。昔、王国の禁書庫きんしょこで似たような魔法の記載があった気がするわ。ただ、私も詳しく読んでいないから、確かなことは言えないけれど...」

 リバンスは自分の手を見つめた。今まで気づかなかった可能性が、その手の中にめられているような気がした。

 ミラは二人を見渡し、微笑んだ。「さて、これからの修行計画を立てましょう。ルーンは基礎的な魔法理論の再学習から始めて、徐々に複数属性の同時制御に挑戦ちょうせんしていくわ」

 ルーンは真剣な表情でうなずいた。

「リバンス、あなたも一緒に自分の能力を向上させられるよう修行しましょう」ミラはリバンスに向かって言った。「まずは複写対象の拡大と複写持続時間の拡大から始めていくわ。あなたの能力には大きな可能性があるはずよ」

 リバンスも決意を新たにする。

 ミラは少し考え込かんがえこむような表情を見せた後、続けた。「ルーン、あなたがドミナージュを追っていることは知っているわ。きっとリバンスの力が、その助けになるはずよ」

「そして、二人で協力して新しい技を開発していくの。お互いの長所と短所を補完ほかんし合えば、きっと素晴らしい力を生み出せるわ」

 ミラの言葉に、リバンスとルーンは思わず顔を見合わせた。二人の目には、これからの成長への期待と、互いへの信頼の色が宿やどっていた。

「さあ、始めましょう。あなたたち二人の力が、きっとこの世界を変えていくわ」

 ミラの言葉とともに、リバンスとルーンの新たな挑戦ちょうせんが始まろうとしていた。
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