俺のコピペが世界を変える!

滋賀列島(シガレット)

文字の大きさ
20 / 27
第5話「魔法の継承」

5-4: 「平和な日々の終わり」

しおりを挟む
 朝日が昇り、グリーンリーフ村に新たな一日が始まった。リバンスとルーンの修行も、日を追うごとに進展を見せていた。

 庭に設置された水盤の前で、ルーンが両手を広げ、精神統一せいしんとういつを行っている。その表情には、以前には見られなかった凛々しさが宿っていた。

「さあ、ルーン。今日こそ成功させましょう」

 ミラの励ましの言葉に、ルーンは頷いて目を開けた。両手から放たれる赤と青の魔力が、水盤の上で渦を巻き始める。次第にその渦は一つとなり、水面に炎が灯った。しかし、その炎は普通の炎とは違い、まるで水のようにしなやかに揺らめいている。

「やりました!」ルーンの歓喜の声が響く。

「素晴らしいわ、ルーン」ミラも満面の笑みを浮かべる。「水のように流れる炎、見事に融合魔法の基礎を習得したわね」

 一方、庭の別の場所では、リバンスが魔導ゴーレムと対峙していた。ゴーレムの岩のような拳が迫る中、リバンスは咄嗟に地面の質感をコピーし、自身の体に纏わせた。

 拳が直撃したが、リバンスの体は微動だにしない。

「よくやったわ、リバンス」ミラが頷く。「物質の性質をコピーして身にまとう発想力、素晴らしいわ」

 リバンスは照れくさそうに頭を掻いた。「まだまだです。でも、少しずつ複写再現ふくしゃさいげんの可能性が見えてきた気がします」

 修行の後、二人は村を散策することにした。のどかな雰囲気の中、村人たちが穏やかに暮らす姿に、心が落ち着くのを感じる。

「不思議だな」リバンスが呟いた。「この村の人たちは皆、魔法を使えるんですね」

 すると、近くにいた白髪の老人が微笑みながら答えた。

「ああ、あの中央にある噴水のおかげじゃよ。ミラ様が設置してくださったんじゃ。あそこから絶えず魔力が湧き出ていてな、お陰で簡単な魔法なら誰でも使えるんじゃ」

 リバンスとルーンは感心した様子で噴水を見つめた。

「ミラさんって、本当にすごい人なんだな」リバンスの眼差しには尊敬の色が宿っていた。

 日々の修行と村での平和な時間が過ぎていく中、リバンスとルーンの力は着実に成長していった。ルーンは融合魔法の基礎を習得し、今や複雑な属性の組み合わせにも挑戦している。リバンスも、複写再現ふくしゃさいげんの対象を広げ、物質の性質から環境の状態まで、多角的にコピーできるようになっていた。

 ◇◇◇◇◇

 ある日の夕暮れ時、穏やかな空気が一変した。

 ミラが突然、身を強張らせ、遠くを見据えるような目つきをした。

「どうしたんですか、ミラ?」ルーンが不安そうに尋ねる。

「洞窟...侵入者よ」ミラの声は緊張に満ちていた。

 リバンスとルーンは驚きの表情を浮かべる。しかし、その驚きは次の瞬間、恐怖に変わった。

「まさか...これほど早く洞窟を!?」ミラの呟きに、二人は戦慄を覚える。

「急いで洞窟へ向かいましょう」ミラの声に迷いはない。

 三人は全速力で洞窟へと向かった。しかし、到着した時には既に遅かった。洞窟の入口には、黒い外套を纏った数人の人影が立っていた。

「ドミナージュ...」ルーンの声が震える。

 ミラが一歩前に出て、冷静な口調で問いかけた。「何の目的でここへ来た?」

 しかし、黒い外套の集団からは返答がない。不気味な沈黙が続く中、集団の一人が「ライトニング」と唱える。

 近くにいた村の子供の頭上に突如暗雲が出現し、雷が降り注いだ。

「危ない!!!」

 リバンスとルーンの二人は反応が追い付かず体が動かない。

 直撃してしまうかと思ったその時、子供と雷の間に大きな鏡が出現した。

 鏡の中に吸い込まれた雷は黒い外套を纏った集団の頭上に出現した鏡から放たれ、集団を襲った。

 爆発とともに土埃が舞う。呆気に取られていたルーンがミラの方を見ると、子供と集団の方へ手を伸ばしていた。

「か、鏡魔法?しかも無詠唱で!?」と驚きを隠せないルーン。

 土埃が晴れるとそこには変わらず、黒い外套を纏った集団が立っていた。

「まあ、防がれるわよね。」わかりきっていたかのようにミラは呟く。

 すると、集団の一人が前へ歩んできた。

 その人物が外套の頭巾ずきんを取ると、リバンスは息を呑んだ。

「よう、リバンス。久しぶりだな。元気にしてたか?」

 目の前に立っていたのは、かつての仲間、グレンだった。しかし、その表情には狂気じみた笑みと冷たい眼差しが宿っている。

「グレン...どうして」リバンスの声が震える。

 グレンは薄ら笑いを浮かべながら続けた。「お前を倒すためにここまで来たんだ。ドミナージュ様のおかげで、俺は強くなった。今度は俺がお前を見下ろす番だ」

 リバンスは混乱と戸惑いを隠せない。

 グレンが外套を脱ぐと、変わり果てたグレンの体が日の光に照らされて明らかになった。

 心臓がある部分に、赤黒い物体が脈打っている。

 グレンが叫ぶ。「お前をころしたくてころしたくて仕方がなかったよ。お前も、そしてその周りのものも全部壊してやるよ...!!」

「なぜお前はそこまで...」

 リバンスは動揺しながらも、お世話になった村の平和を守るべく、戦闘態勢に入る。

 ミラが冷静な口調で二人に指示を出した。「二人とも準備はいいかしら。修行の成果を見せて頂戴。」

 ルーンは覚悟を決めた様子で答えた。「ええ、ミラ。私たちの力、存分に見せてあげるわ。」

 緊張感が高まる中、グレンが挑発的な笑みを浮かべた。

「さあ、始めようか。地獄を見せてやる。」

 戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!

神崎あら
ファンタジー
運動も勉強も特に秀でていないがめっちゃ運が良い、ただそれだけのオルクスは15歳になり冒険者としてクエストに挑む。 そこで彼は予想だにしない出来事に遭遇する。 これは初期ステータスを運だけに全振りしたオルクスの豪運冒険譚である。  

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...