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ヴォイニッチ手稿よりも難解な問題
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「さて弟よ、君ならばこの問題をどう解く?」
「この問題って……サラ姉に新しい婚約者が決まったこと?」
そう、この計画(と言っていいのかは突っ込まないでね?)において絶対に避けたかった最悪の問題が発生してしまったのだ。
「まさかあそこまで本気で逃がさない体制を取るとは……にしたって9歳の第二王子と婚約させるか?アルバート王子って確かもう婚約者居たよな?」
「うん、同い年のアリシア・オルコット嬢と婚約中」
そう、サラの元婚約者であるカイル皇太子には15個離れた弟がいる。
ちなみにアルバート王子の母親は隣国の王族……の末端の末端のご出身(それでも王族とは血の繋がりがある)で立場的には前王妃よりも上、そんな立場の方と下手にゴタゴタを起こせば隣国との関係に傷をつける結果になりかねないということは貴族ならば必ず知っていること。
それをすっ飛ばしてでもサラの能力が惜しいと思える乱暴な采配に頭が痛くなってくる。
「カイル皇太子の母親がいない事、カイル皇太子がよりにもよってうちのアホ女と浮気して婚約破棄を高らかに宣言したのが思ったよりも効いてるみたいだ……」
「なんならカイル皇太子の御母堂と言えば、30年前行われたらしい大恩赦で解放された元奴隷でしょ?しかもその時もゴタゴタしたらしいじゃん?」
「カイル皇太子は忘れたんか?国立学園どころか市井の井戸端会議でさえ話されるような内容だぞ」
「浮気して、婚約破棄してまでお花畑満開女と結婚しようとする脳みそ綿あめ野郎だよ?」
「あ~……(納得)」
「にしたってどうするんだろう……」
「何を?」
「アリシア・オルコット嬢のこと。オルコット領って確か国の食物庫って呼ばれるぐらいの肥沃な土壌に恵まれてて採れた作物の半分は王宮に卸してるんじゃなかった?」
「あ……そっか、アルバート王子との婚約を推し進めればオルコット領を敵に回すことになるのか、かといってサラを手放せばサラが作るのと同じレベルの防具が無くなり……」
「国が攻め込まれてあっという間に亡国に……」
どっち道この国詰むじゃねえか!!
優秀すぎんよサラァ……!
そこがかわいくて好きなんだけど……!!←
その後、無事に帰ってきやがった不名誉にも程がある妹がパパ上とママ上、ついでにたまたま遊びに来ていたお祖母様(パパ上のママン、怒らせるとめっちゃおっかない)に「私王妃になります!!」とお前はどこのアイドルだとツッコミたいようなクソみたいな宣言をしてくれたおかげで、オババ様の雷が落ちた。
まぁそれでへこたれるお花畑ちゃんではなく、あろう事かよりにもよって国で1番低俗と名高いゴシップ新聞社『schmutzig(ドイツ語で汚いの意)』に自分とオウジサマとの悲恋の物語を語りやがったことにより、我が家はどうなった勘のいいガキの皆様ならばお分かりでしょう。
ゴシップ新聞社のクソ記者共は連日邸を取り囲むわ、お花畑ちゃんは取材に意気揚々と答えようとするわ、ママ上とオババ様の顔には青筋が消えないわ、私とテオの職場までゴシップ新聞社が来るわで私とテオのストレスはマッハで天元突破しました。
その結果……
「もう……この国を滅ぼすしかなくね……?いやこの国ごとあのお花畑を葬り去るしかない……そうだ、何故こんなにも簡単な答えに気が付かなかったんだ私は……」
「姉さん気を確かに持って!?いやまぁクッソめんどくさい問題山積みだし、俺らの問題全くもって片付いてないし、なんならあのお花畑クソ女のせいでさらに問題抱えた感あるけど!!」
「だからだよ!!……こうなったらこの国ごとあのクソ女を葬り去ってくれるわ!アハハハハハハハハ!!」
「魔王かよ!!いいから落ち着け!!」
「この問題って……サラ姉に新しい婚約者が決まったこと?」
そう、この計画(と言っていいのかは突っ込まないでね?)において絶対に避けたかった最悪の問題が発生してしまったのだ。
「まさかあそこまで本気で逃がさない体制を取るとは……にしたって9歳の第二王子と婚約させるか?アルバート王子って確かもう婚約者居たよな?」
「うん、同い年のアリシア・オルコット嬢と婚約中」
そう、サラの元婚約者であるカイル皇太子には15個離れた弟がいる。
ちなみにアルバート王子の母親は隣国の王族……の末端の末端のご出身(それでも王族とは血の繋がりがある)で立場的には前王妃よりも上、そんな立場の方と下手にゴタゴタを起こせば隣国との関係に傷をつける結果になりかねないということは貴族ならば必ず知っていること。
それをすっ飛ばしてでもサラの能力が惜しいと思える乱暴な采配に頭が痛くなってくる。
「カイル皇太子の母親がいない事、カイル皇太子がよりにもよってうちのアホ女と浮気して婚約破棄を高らかに宣言したのが思ったよりも効いてるみたいだ……」
「なんならカイル皇太子の御母堂と言えば、30年前行われたらしい大恩赦で解放された元奴隷でしょ?しかもその時もゴタゴタしたらしいじゃん?」
「カイル皇太子は忘れたんか?国立学園どころか市井の井戸端会議でさえ話されるような内容だぞ」
「浮気して、婚約破棄してまでお花畑満開女と結婚しようとする脳みそ綿あめ野郎だよ?」
「あ~……(納得)」
「にしたってどうするんだろう……」
「何を?」
「アリシア・オルコット嬢のこと。オルコット領って確か国の食物庫って呼ばれるぐらいの肥沃な土壌に恵まれてて採れた作物の半分は王宮に卸してるんじゃなかった?」
「あ……そっか、アルバート王子との婚約を推し進めればオルコット領を敵に回すことになるのか、かといってサラを手放せばサラが作るのと同じレベルの防具が無くなり……」
「国が攻め込まれてあっという間に亡国に……」
どっち道この国詰むじゃねえか!!
優秀すぎんよサラァ……!
そこがかわいくて好きなんだけど……!!←
その後、無事に帰ってきやがった不名誉にも程がある妹がパパ上とママ上、ついでにたまたま遊びに来ていたお祖母様(パパ上のママン、怒らせるとめっちゃおっかない)に「私王妃になります!!」とお前はどこのアイドルだとツッコミたいようなクソみたいな宣言をしてくれたおかげで、オババ様の雷が落ちた。
まぁそれでへこたれるお花畑ちゃんではなく、あろう事かよりにもよって国で1番低俗と名高いゴシップ新聞社『schmutzig(ドイツ語で汚いの意)』に自分とオウジサマとの悲恋の物語を語りやがったことにより、我が家はどうなった勘のいいガキの皆様ならばお分かりでしょう。
ゴシップ新聞社のクソ記者共は連日邸を取り囲むわ、お花畑ちゃんは取材に意気揚々と答えようとするわ、ママ上とオババ様の顔には青筋が消えないわ、私とテオの職場までゴシップ新聞社が来るわで私とテオのストレスはマッハで天元突破しました。
その結果……
「もう……この国を滅ぼすしかなくね……?いやこの国ごとあのお花畑を葬り去るしかない……そうだ、何故こんなにも簡単な答えに気が付かなかったんだ私は……」
「姉さん気を確かに持って!?いやまぁクッソめんどくさい問題山積みだし、俺らの問題全くもって片付いてないし、なんならあのお花畑クソ女のせいでさらに問題抱えた感あるけど!!」
「だからだよ!!……こうなったらこの国ごとあのクソ女を葬り去ってくれるわ!アハハハハハハハハ!!」
「魔王かよ!!いいから落ち着け!!」
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