16 / 30
第1章
第16話
しおりを挟む「あっっっっつうぅぅぅいーーー!!」
先日はみんなでかき氷を食べたりして暑いは暑いなりに楽しんでいたのだが、やはり連日の猛暑。リディアはまたも叫んでいた。
「毎日毎日元気がよろしいですね、リディアお嬢様。」
執事服を着た少年が嘆息しながら声をかける。
「メッフィ、地軸をずらして来て!!」
「かしこまりました」
「待っ、待って下さいぃぃ!! 地軸なんかずらしたら大変な事になっちゃいますよぅ!」
「だ、そうよ? メッフィ?」
「たしかに、無理やり地軸をズラしたらもしかしたら星が崩れるかもしれません。良くて異常気象で人類は9割減かと」
「全然良くないわね」
「つきましては、お嬢様。少しお暇を頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「い・と・まぁ? まぁいいけど。何か用事あるのかしら?」
暑さで少しめんどくさい感じになっているリディアをココが冷たいオレンジジュースで落ち着かせる。
「少々、魔界でやる事がございまして、2日程戻らせてください」
「ふーん、魔界にねぇ」
「寂しいですか?」
「はっ? ば、バッカじゃないの? なんならいつまでだって帰ってたっていいのよ!?」
メッフィが涼しい顔で恥ずかしい事を訊いてくるので、リディアは慌ててしまう。
「フフフッ、いえ、直ぐに戻って参りますよ。私がリディアお嬢様の側に居たいので」
立て続けの直球にリディアは顔を真っ赤にしてしまう。
「それと、セバスを始め屋敷に居る悪魔組の皆さんも同じく一度帰らせて頂きます」
「え? そうなの? そ、それはちょっと寂しくなるわね」
次の日、リディアが目覚めると屋敷の玄関辺りで魔界に帰る悪魔組が集まっていた。
「それではリディアお嬢様。行って参ります」
「セバス、皆んなも気をつけて行ってらっしゃい」
セバスと呼ばれたのはメッフィが家令役として魔界から呼び寄せた悪魔の1人で、見た目がロマンスグレーのダンディな初老の男性だったのでリディアがそう名付けた。
「あれ、メッフィは?」
「メフィ……メッフィ様は先に魔界へのゲートを開けに行きました。後で挨拶に来られるでしょう」
そんな話をしていると玄関のドアが開き、メッフィが入って来た。何故か傍には10歳ぐらいに見える幼女を連れて。
「メッフィ……早く返して来なさい!! 犯罪よ!?」
「フフフッ、一体何を勘違いなさってるんですかお嬢様。この子は近所の子供でたまにセバスが遊んであげている子ですよ。冗談は発育だけにしといてください。この子と大差ありませんよ」
「2度と帰ってくんなっ!!」
「それで、どうされましたか? フランさん」
セバスがメッフィの連れて来た幼女に優しく問いかける
「ううん、今日お母さん居ないからセバスさん達と遊ぼうかと思って……」
フランと呼ばれた子は、たまにセバスやメイド達と遊んでもらっていたらしく、今日も遊びに来たようだが、セバス達の出かける準備をみて空気を読んだのか、その声は尻すぼみに小さくなっていく。
「申し訳ありません、フランさん。私達は本日これから出かける所でして……」
「じゃあ、お姉ちゃんと遊ぼうか!!」
「いいの?」
見かねたリディアがフランに話しかけると、フランは途端に顔を綻ばせた。
よく見るとフランは着ている服こそ派手ではないが、とても整った顔立ちにブロンドのツインテールでお人形さんみたいだなとリディアは思った。
「じゃあ、リディアお嬢様行って参ります」
「フランさん、リディアお嬢様はとても高貴なお方です。くれぐれも……」
「なーに言ってるのセバス! 子供なんだから自由でいいのよ! ほら行って行って!」
メッフィ、セバス、その他メイド達が出ていくと途端に屋敷の中が静かに感じた。
「ふっー、しっかし暑いわねー! フランちゃん何して遊ぼうか?」
「うーんとね、この広いお屋敷でかくれんぼ!!」
「かくれんぼ! いいわね! 私もまだこの屋敷の全部は知らないから探検にもなって面白いかも!!」
リディアは屋敷に来てからいつもの生活空間以外にはほとんど立ち寄る事がなかった為、まだ知らない部屋が沢山あった。
「最初はフランが隠れるねー! 100数えたら探しに来てねー!」
「100!? 長いわね。オッケー、じゃあ行くわよー。いーち、にーい、さーん」
リディアが目を閉じて数を数え始めるとパタパタと走っていく足音が聞こえる
~~~~~~~~~~~
「ひゃあーく!! やっぱり大分長かったわ! よーし行くわよー!」
なんとか100迄数え終えるとリディアはフランを探し始める。
大体の足音の聞こえた方へ歩いていく。
「フランちゃーん! どっこかなぁー?」
大きい声を出して探し始めている事をアピールしながらリディアは屋敷の中を探索する。
「あれー? 中々見つからないなぁ? どこかなぁ?」
リディアが屋敷の南側の最後の部屋を覗いてみる。
「ここかなぁ? …………えっ? 何それ?」
リディアが覗いた最後の部屋。リディアは知らないが来客用の客室で屋敷の使用人も使用していない部屋。質の良い机に調度品。カーテンは閉められていたため直ぐには認識出来なかったが……
整えられたベッドには胸に剣を突き刺した状態で、既に事切れているフランの姿があった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる