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お寿司にハマった魔王…?
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「じゃあ話を整理しようか」
「我は魔王…世界最強の完全上位互換…」
「はいそこ、病まない。そもそも最強っていうのは戦い方が…ってなんで俺こんな説明してんだよ。違くて、俺のステータスが人間じゃない…と?」
「ああ。今まで数ある人間をこの目で見てきたが、こんな能力値は初めてだ。全体的に見ても高すぎる。これは異常だ」
「異常…ねぇ。そんなこと言われてもピンと来ないな」
「そしてお前が恐らく唯一カンストしてると思われる器用値、これはジョブの発展度の上がりやすさ、上がった場合の報酬が決まる数値だ。それがカンスト…恐ろしいのも仕方がないよな?」
「まあ俺の特技は寿司を握る事だ。このくらいの数値でも何ら違和感が無いだろう」
「す…すし?」
「知らないのか?寿司というのはな、日本の伝統文化であり、この世で最も美味い食べ物なんだ!」
「…え、ああ」
「寿司と言うのはな?ただ米に魚を乗っけただけでは味わえない独特でかつ上品でかつ力強いインパクトを!己の舌に!印象強く!残す物なのだよ!!!」
「え、あ、あっ、そうか」
「…おっとすまない。興奮してしまった。とにかく俺は寿司を愛してやまない。したがってカンストはいたって普通の現象なのだ」
「はぁ…。無駄に切り替えが早い…なんか…もういいや…」
グゥゥ‥
「あっ!!」
「ん?お腹空いたのか?…そう言えば俺もこの世界に来てから何も食べてないな。そうだ、この城とやらには厨房があるか?あるならそこで少々料理をしたいのだが…」
「えっ…あっ、ああ、あるぞ?我は料理はあまり好きではないのでな、全くと言っていいほど厨房は使っていないがな。だが属性変化魔法で埃が溜まっているということはないと思うぞ?」
「そうか?じゃあ借りさせてもらうぞ」
「(一体、どんなものができるのだ?寿司職人と器用値カンストの力、見極めてくれるわぁ!!)」
~1時間後~
「悪いね、準備に時間がかかってしまった」
「ほう?時間がかかる準備とは、それほど豪華な物を期待しても良いのだな…?」
「いや、ここにあるものでどのような寿司が作れるのかを練り上げていたんだ。思ったより魚らしきものが少なくてな…また下処理も大変だったのが遅れた理由だ」
「…今のうちに言い訳を述べていると受け取っているがそれで良いか?もしもその、スシ?とやらが美味いものでなければ、貴様は一生この城の清掃員をしてもらおうか」
「…最大限を尽くすさ、お客さん」
「(…お客さん?)」
「…」
『しゃあ!らっしゃあせ!おまかせいっちょいきまぁす!!』
「!!??!?」
そうなんだよなぁ、俺は大将と同じで、寿司を握ると性格が変わってしまうんだ。差分で言えば俺の方が変わっているんだよなぁ…。
っと、寿司ィ握るんだ!きっぱっていくぞぉ!!!
「さぁお客さん!まずはコイツ!一貫目の王道、鯛(と思われる)の握りですぜぇ!!」
スッ、クルッ、キュッキュッ
「ハイお待ちぃ!」
そして鯛(?)寿司をグレスティーアの前の皿に乗せる。
「ほう?このちっこいのが貴様の言う寿司とやらか?ふん、所詮はしょうもないおにぎりという所か…。期待を裏切りおって…。しかも何だこれは?魚の皮がつきっぱなしじゃないか。この魚の皮は硬いのだぞ?それを付けたままとは、なんとも甚だしい…」
「まぁまぁ、ひと口サイズで表面に醤油(と思われる)塗ってあるから味付けはバッチリでさぁ、そのままひと口で言っちゃってくだせぇ!」
「フンっ」
パクッ
「なっ!?これは!」
「どうですかぃ?」
「皮が付いていて、手抜きかと思っていた。硬い皮は口の中で剥いでみろという事だと思っていたが…、これは違う!この酸味のある米と身の甘さ、それから皮!この3つのバランスが奏でる味わいのハーモニーが、口の中を染めている…!」
「皮を付けることのメリットは主に2つあるんでさぁ!まず1つ目、皮の食感と皮独自の渋い味わいが魚の味を引き立てる!そしてこの2つ目こそが皮付きの真理だぁ!」
「確かにこの魚はここまでジューシーだったかと言われればそうでもないぞ…?」
「ええ!皮と身の間にある「かわぎしの脂」は魚の中でも超絶逸品の部位なんでさぁ!そこで、皮に熱々のお湯をかけて皮を柔らかく加工する技術こそが、『湯霜造り』の原理なんでさぁ!」
「湯霜造り…!これは美味いぞ!寿司というのを侮っていた!次だ!次を頼むぞ!」
「ええ!承知致しました!」
そして調子に乗ってきたこの身体を駆使し、様々な寿司を作り出す!
「二貫目ェ!こちら、ヒラメ(恐らく)のえんがわですぜぇ!」
「おお!これは!一貫目の繊細な味わいとうってかわって力強い味わいだ!この醤油とやらが甘く加工され、どっしりとくる脂の旨みを倍増しているぞ!」
「はいこちら三貫目ェ!シンコ(もしかしたら違うかも)の柑橘締めでぇす!!」
「なっ!?これは予想外だ…!さっぱりでかつ鮮やかなこの味が、さっきまでの脂を押しさってくる!この米にもこの柑橘の香りがして、このスシ全体に一体感をもたらしている!」
「お客さん、いい舌してますねぇ!初めての食べ物でそこまでわかるなんて、おみそれしましたぜぇ!」
「昔から美味いものだけは散々食わされていたからな…!それよりも次を頼む!」
「へいよぉ!っとそうだすいやせん、普通ここは十貫が基本なんですが、米が足りず、六貫までになりますぜ!」
「ああ!量より質だ!」
「そう言って貰えると助かりますぜ!」
「さぁ、次はコイツ、タコ(ワンチャンイカ)の握りだァ!」
「ふむ…コイツは無駄に柔らかくて噛み切り辛くてあまり好きではないなんだこれめちゃくちゃ美味いぞ!シャックリと気持ち良く噛み切れる!!」
「えぇ!大根と一緒に煮込むと、ジアスターゼの効果により、タンパク質が分解されて柔らかくなるんでさぁ!」
「じ…じあ…?いや、そんなことはどうでもいいんだ!次を頼む!」
「五貫目ぇ!コイツが今日のメイン、カツオ(と思われる)の焼霜造りですぜぇ!」
「ほ、ほう!今日のメイン、楽しみだ!」
「こいつは少々特殊な味付けをしておりましてですねぇ、とにかく強い味わいを舌に突き刺せるよう、最大限味付けしてるんでさぁ。さぁ!いわゆるメインディッシュ、たんと召し上がりくだせぇ!」
「あ!これは…!!口に入れた途端に広がる、加熱により活性化された脂…!そして今までの醤油とは違う、この辛味は、生姜か!美味い、美味いぞ!…いや待て、米のほうも何かが…変わっている…?」
「おぉ!よく気が付きましたねぇお客さん!このどぎつい程までに活性化させた脂、それをさらに引き立てる生姜、これらの基盤を作るため、コクの強い酢を混ぜたんでさぁ!その名は赤酢!コクはあっても酸味はまろやか、このハーモニーが、上手いことコイツにあうんですぜ!」
「…これはぁ、流石に溶けてしまいそうだぁ…これがメインディッシュだったのか…最後は一体何が来るんだ!?」
「さぁ、コイツが最後でさぁ。…と言っても、最後はそれほど大層なものではないですぜ。寿司の最後を完璧締めるための、爽やかな一品。最後の一貫、お待ちィ!」
「これは!…これは?」
「大根の桂剥きと魚卵を組み合わせた、質素な一品ですぜ」
大根を薄く剥いた物を、軍艦の海苔代わりにし、その中にトビコのような魚卵を乗せる。
ちなみに桂剥きというのは、大根を薄く、リンゴの皮を剥くように、一定の暑さで切ることである。
「ほう…?今までと比べると少々派手さがないよだが、その味やいかに…?…こっ、これは!」
「さあ、どう感じますかい?」
「最早美しいまであるぞ、この寿司は…!ただ美味いだけじゃないんだ!本当にさっぱりと鮮やかな味わいだ…!このプチプチの魚卵と白い植物が見事なハーモニーを奏でていて…しかもこれは、これは!?」
「山芋ですね?大根と米は相性がくっつきにくくて悪いんでさぁ。でもその間に山芋の擦ったものを間に挟むだけで2つは安定する…しかもだ!魚卵の味わいの深みを出しつつ、さっぱりさを消し去らないこの噛み合い!これが今の俺に出来る、最高の寿司でさぁ!」
「これが…現段階かぁ…これからもっと美味しいものがぁ…」
「ふぅ…これで寿司は終わりだ。ってん?なんか、姿形が変わってきてないか?」
なぜか魔王に耳が生えている。いや、さっきまでのエルフ耳が無くなり、頭に猫耳がついてる。
「えっ、あっ!?美味しすぎて、魔力回路に無意識に行ってる筈の魔力流動を止めちゃってる…あっ、まずい!」
その瞬間、魔王(溶けかけ)からしっぽが生えた。え?しっぽ?
「うおっ、しっぽが生えたぞ!?」
「あっちょっ、みないでぇっ、ああっ」
ボフゥン‥
「えっ、なんだなんだ?」
一瞬魔王から出てきた煙に包まれたと思えば、どんどんそれらが晴れてゆく。すると、さっきの高身長イケメンは何処へ行ったのか。
そこには1人の、茶髪猫耳の、さっきの190cmの身長の姿はなく145cmほどの小さな少女が、へたっと座りこんでいたのだった。
「我は魔王…世界最強の完全上位互換…」
「はいそこ、病まない。そもそも最強っていうのは戦い方が…ってなんで俺こんな説明してんだよ。違くて、俺のステータスが人間じゃない…と?」
「ああ。今まで数ある人間をこの目で見てきたが、こんな能力値は初めてだ。全体的に見ても高すぎる。これは異常だ」
「異常…ねぇ。そんなこと言われてもピンと来ないな」
「そしてお前が恐らく唯一カンストしてると思われる器用値、これはジョブの発展度の上がりやすさ、上がった場合の報酬が決まる数値だ。それがカンスト…恐ろしいのも仕方がないよな?」
「まあ俺の特技は寿司を握る事だ。このくらいの数値でも何ら違和感が無いだろう」
「す…すし?」
「知らないのか?寿司というのはな、日本の伝統文化であり、この世で最も美味い食べ物なんだ!」
「…え、ああ」
「寿司と言うのはな?ただ米に魚を乗っけただけでは味わえない独特でかつ上品でかつ力強いインパクトを!己の舌に!印象強く!残す物なのだよ!!!」
「え、あ、あっ、そうか」
「…おっとすまない。興奮してしまった。とにかく俺は寿司を愛してやまない。したがってカンストはいたって普通の現象なのだ」
「はぁ…。無駄に切り替えが早い…なんか…もういいや…」
グゥゥ‥
「あっ!!」
「ん?お腹空いたのか?…そう言えば俺もこの世界に来てから何も食べてないな。そうだ、この城とやらには厨房があるか?あるならそこで少々料理をしたいのだが…」
「えっ…あっ、ああ、あるぞ?我は料理はあまり好きではないのでな、全くと言っていいほど厨房は使っていないがな。だが属性変化魔法で埃が溜まっているということはないと思うぞ?」
「そうか?じゃあ借りさせてもらうぞ」
「(一体、どんなものができるのだ?寿司職人と器用値カンストの力、見極めてくれるわぁ!!)」
~1時間後~
「悪いね、準備に時間がかかってしまった」
「ほう?時間がかかる準備とは、それほど豪華な物を期待しても良いのだな…?」
「いや、ここにあるものでどのような寿司が作れるのかを練り上げていたんだ。思ったより魚らしきものが少なくてな…また下処理も大変だったのが遅れた理由だ」
「…今のうちに言い訳を述べていると受け取っているがそれで良いか?もしもその、スシ?とやらが美味いものでなければ、貴様は一生この城の清掃員をしてもらおうか」
「…最大限を尽くすさ、お客さん」
「(…お客さん?)」
「…」
『しゃあ!らっしゃあせ!おまかせいっちょいきまぁす!!』
「!!??!?」
そうなんだよなぁ、俺は大将と同じで、寿司を握ると性格が変わってしまうんだ。差分で言えば俺の方が変わっているんだよなぁ…。
っと、寿司ィ握るんだ!きっぱっていくぞぉ!!!
「さぁお客さん!まずはコイツ!一貫目の王道、鯛(と思われる)の握りですぜぇ!!」
スッ、クルッ、キュッキュッ
「ハイお待ちぃ!」
そして鯛(?)寿司をグレスティーアの前の皿に乗せる。
「ほう?このちっこいのが貴様の言う寿司とやらか?ふん、所詮はしょうもないおにぎりという所か…。期待を裏切りおって…。しかも何だこれは?魚の皮がつきっぱなしじゃないか。この魚の皮は硬いのだぞ?それを付けたままとは、なんとも甚だしい…」
「まぁまぁ、ひと口サイズで表面に醤油(と思われる)塗ってあるから味付けはバッチリでさぁ、そのままひと口で言っちゃってくだせぇ!」
「フンっ」
パクッ
「なっ!?これは!」
「どうですかぃ?」
「皮が付いていて、手抜きかと思っていた。硬い皮は口の中で剥いでみろという事だと思っていたが…、これは違う!この酸味のある米と身の甘さ、それから皮!この3つのバランスが奏でる味わいのハーモニーが、口の中を染めている…!」
「皮を付けることのメリットは主に2つあるんでさぁ!まず1つ目、皮の食感と皮独自の渋い味わいが魚の味を引き立てる!そしてこの2つ目こそが皮付きの真理だぁ!」
「確かにこの魚はここまでジューシーだったかと言われればそうでもないぞ…?」
「ええ!皮と身の間にある「かわぎしの脂」は魚の中でも超絶逸品の部位なんでさぁ!そこで、皮に熱々のお湯をかけて皮を柔らかく加工する技術こそが、『湯霜造り』の原理なんでさぁ!」
「湯霜造り…!これは美味いぞ!寿司というのを侮っていた!次だ!次を頼むぞ!」
「ええ!承知致しました!」
そして調子に乗ってきたこの身体を駆使し、様々な寿司を作り出す!
「二貫目ェ!こちら、ヒラメ(恐らく)のえんがわですぜぇ!」
「おお!これは!一貫目の繊細な味わいとうってかわって力強い味わいだ!この醤油とやらが甘く加工され、どっしりとくる脂の旨みを倍増しているぞ!」
「はいこちら三貫目ェ!シンコ(もしかしたら違うかも)の柑橘締めでぇす!!」
「なっ!?これは予想外だ…!さっぱりでかつ鮮やかなこの味が、さっきまでの脂を押しさってくる!この米にもこの柑橘の香りがして、このスシ全体に一体感をもたらしている!」
「お客さん、いい舌してますねぇ!初めての食べ物でそこまでわかるなんて、おみそれしましたぜぇ!」
「昔から美味いものだけは散々食わされていたからな…!それよりも次を頼む!」
「へいよぉ!っとそうだすいやせん、普通ここは十貫が基本なんですが、米が足りず、六貫までになりますぜ!」
「ああ!量より質だ!」
「そう言って貰えると助かりますぜ!」
「さぁ、次はコイツ、タコ(ワンチャンイカ)の握りだァ!」
「ふむ…コイツは無駄に柔らかくて噛み切り辛くてあまり好きではないなんだこれめちゃくちゃ美味いぞ!シャックリと気持ち良く噛み切れる!!」
「えぇ!大根と一緒に煮込むと、ジアスターゼの効果により、タンパク質が分解されて柔らかくなるんでさぁ!」
「じ…じあ…?いや、そんなことはどうでもいいんだ!次を頼む!」
「五貫目ぇ!コイツが今日のメイン、カツオ(と思われる)の焼霜造りですぜぇ!」
「ほ、ほう!今日のメイン、楽しみだ!」
「こいつは少々特殊な味付けをしておりましてですねぇ、とにかく強い味わいを舌に突き刺せるよう、最大限味付けしてるんでさぁ。さぁ!いわゆるメインディッシュ、たんと召し上がりくだせぇ!」
「あ!これは…!!口に入れた途端に広がる、加熱により活性化された脂…!そして今までの醤油とは違う、この辛味は、生姜か!美味い、美味いぞ!…いや待て、米のほうも何かが…変わっている…?」
「おぉ!よく気が付きましたねぇお客さん!このどぎつい程までに活性化させた脂、それをさらに引き立てる生姜、これらの基盤を作るため、コクの強い酢を混ぜたんでさぁ!その名は赤酢!コクはあっても酸味はまろやか、このハーモニーが、上手いことコイツにあうんですぜ!」
「…これはぁ、流石に溶けてしまいそうだぁ…これがメインディッシュだったのか…最後は一体何が来るんだ!?」
「さぁ、コイツが最後でさぁ。…と言っても、最後はそれほど大層なものではないですぜ。寿司の最後を完璧締めるための、爽やかな一品。最後の一貫、お待ちィ!」
「これは!…これは?」
「大根の桂剥きと魚卵を組み合わせた、質素な一品ですぜ」
大根を薄く剥いた物を、軍艦の海苔代わりにし、その中にトビコのような魚卵を乗せる。
ちなみに桂剥きというのは、大根を薄く、リンゴの皮を剥くように、一定の暑さで切ることである。
「ほう…?今までと比べると少々派手さがないよだが、その味やいかに…?…こっ、これは!」
「さあ、どう感じますかい?」
「最早美しいまであるぞ、この寿司は…!ただ美味いだけじゃないんだ!本当にさっぱりと鮮やかな味わいだ…!このプチプチの魚卵と白い植物が見事なハーモニーを奏でていて…しかもこれは、これは!?」
「山芋ですね?大根と米は相性がくっつきにくくて悪いんでさぁ。でもその間に山芋の擦ったものを間に挟むだけで2つは安定する…しかもだ!魚卵の味わいの深みを出しつつ、さっぱりさを消し去らないこの噛み合い!これが今の俺に出来る、最高の寿司でさぁ!」
「これが…現段階かぁ…これからもっと美味しいものがぁ…」
「ふぅ…これで寿司は終わりだ。ってん?なんか、姿形が変わってきてないか?」
なぜか魔王に耳が生えている。いや、さっきまでのエルフ耳が無くなり、頭に猫耳がついてる。
「えっ、あっ!?美味しすぎて、魔力回路に無意識に行ってる筈の魔力流動を止めちゃってる…あっ、まずい!」
その瞬間、魔王(溶けかけ)からしっぽが生えた。え?しっぽ?
「うおっ、しっぽが生えたぞ!?」
「あっちょっ、みないでぇっ、ああっ」
ボフゥン‥
「えっ、なんだなんだ?」
一瞬魔王から出てきた煙に包まれたと思えば、どんどんそれらが晴れてゆく。すると、さっきの高身長イケメンは何処へ行ったのか。
そこには1人の、茶髪猫耳の、さっきの190cmの身長の姿はなく145cmほどの小さな少女が、へたっと座りこんでいたのだった。
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