ヒロイン蒙御免

そいみるくてぃー

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異世界転移?転生?なんじゃそりゃ?
現代人に訪れた唐突な転移。

「君こそがこの国を救うんだ!」

はぁ?マジ無理ありえない。

無駄にキラキラしたヤツとえらそうなおじさん達、キラキラの権化みたいなやつがいきなり肩触ってくるし気持ち悪い。キモいじゃ表せない、気持ち悪いし気色悪い

「触んないで無理」
「いや、立つのに困るかと」
「一人で立てるけど。そもそもなにここ?早く元の場所に戻してくんない?」

スカートや太ももになんかついててもイヤだしすっげー払ってえらそうなおじさんに聞く。

「私が説明を」

キラキラの隣にいたメガネがなんか言ってくるけど絶対こいつ責任者じゃない。なめてんの?

「いやメガネとかお呼びじゃねーわ、責任者が話せって。誘拐だからマジ、犯罪。わかる?即警察案件なんだけど。早く帰してくんない?」
「…」

いやいや、静まり返るなし。早く説明しろよほんと

「そなたは」
「なにその話し方?標準語で話してよ」

頭にクラウンのっけたおじさんが話し始めたけど堅苦しい話し方で誤魔化されてもあたしは騙されない。絶対騙されない!

「陛下に対してそのような口のききかた!」
「よい、よいのだ」
「だから普通に話してってば。劇団員かよ」

メガネのおじさんのほうがクラウンおじさんの横でなんかあたしに文句言ってきたけどそんなの関係ない。このクラウンのおじさんが責任者だな

「名はなんと?」
「はぁ?人に名前聞くときは自分からでしょ?マジ話になんない。さっさと帰してくれれば訴えるの考えたげるからさっさとしてくんない?」

さっきっからあたしの頼んでることそれだけなのになんで名前がとか?はぁ?マジ無理無理。あたし以外くっそ焦ってんのもウケんだけどほんとそれもどうでもいいわ。

とりあえずクラウン被ったおっさん(もうみんなおっさんで通すことにした)は王様で、何故かあたしはなんにも関係ないのに魔物?の討伐のために呼ばれたらしい。とりあえずぶん殴ったら鎧きたやつに取り押さえられたけど、セクハラだから。

「おかしくない?自分達でなんとかしてよ。くっそ迷惑なんだけど」
「…護衛もつける」
「いらないいらない。慰謝料と早く帰してよ」
「その魔物を討伐しなければそなたが帰ることもできぬ」
「はぁ!?なんなのマジ、慰謝料現金じゃなくて金で払えよ金で。絶対金。換金できないと困るから混ぜ物してないやつで」
「だから魔物を討伐してもらわないと」
「だーかーらー」

堂々巡りってやつだ。帰りたいあたしとなんとか残ってもらわなきゃならないこの国の人間とじゃ相容れるわけない。
とりあえずあたしに触った変なやつらは即クビにしてもらい、あたしに協力を仰ぐ際は都度支払いも取り付けた。基本的にはあたしに何かを強制せず自由にさせるのも大前提に。

「じゃあ。お風呂と部屋、内側からちゃんと鍵がかかるプライバシーもちゃんと守られる部屋用意してくんない?お風呂も着替えも全部用意してね。あと食事は気分で食べたいの変わるから。それと身の回りには女の人以外置かないから。この国の男一切信用するつもりないから。」







まぁ数日、いや結構経った。チート盛り盛りっぽくて意外とイージーに事が進む。最初の報酬にメッキの物渡されたときはぶちギレた。マジこの国の上層部一切信用してない。報酬制度じゃなくて前払い+出来高制にした。

「姫様!姫様!」

名前も名乗りたくないから姫って名乗ってるウケる。

「なぁに?」
「この前の指輪!あれガラクタだからあげるってモノじゃありませんよ!売りに行ったらとんでもない金額になりましたよ」
「やったじゃん。彼氏に逆プロポーズでもしたら?」
「まぁお金あること黙ってて受けてくれるような男か見極めてからですね」
「それそれ、めっちゃ大事。」

この広い離宮を貸しきってメイドさん達と楽しく生活している。
唯一の出入り口を守ってくれているのは、この離宮の中に彼女がいる騎士と私の選んだ騎士達だけ。それ以外は近付くことも立ち入ることも禁じている。あたしに用事あるなら事前にアポとってからにしてもらってるから基本自由。

「姫!お茶会やりたいって言ったのあなたよ?まだ来ないの?」

この離宮に自由に出入りできるのはメイド達とこの人、王太子の婚約者だ。
王太子はあれ、ここにこさせられたときに手を貸そうとしてきたヤツ。マジ無理。ほんときしょいって言い続けてたらこの子がカチコミに来た。

『私の未来の夫をこけにしたんですって!?』
『下心丸出しで手貸す方がキモくない?マジ鳥肌たったんだけど』
『殿下に興味はないってこと?』
『むしろこの国の男に興味ないから』
『…最っ高の人材じゃない!!!!!』

なぜか仲良くなった。家の爵位もめちゃくちゃ高いらしくて色々と便宜を図ってくれる。王妃様とこの子だけは身分高い人間でも信用できる。

「で?宝物庫荒らしは捗ってるの?」
「あったり前じゃん。ゴミと価値のあるものの区別は簡単だし、価値あるものから毎回頂いてるから」
「少しは残しておいてちょうだいね、私の代になってゴミしかないとか笑えないんだから」
「そもそも討伐部隊がクソ。貴族が格好つけるための討伐じゃねーよ、お前ら討伐したろうかってかんじ」

たいした戦力にもならないのは鑑定でみなくてもすぐわかる。身だしなみより気にするところあるだろって毎回言いたくなる。

「だから自分で部隊作ったんだよね」
「あぁそれで。姫が訓練場に現れて男数人引っ張ってったって噂になってるわよ」
「そいつら連れて専属部隊として任命させてやったわ!ついでに宝石もいくつかもらって、金溶かしてみんなにブローチ作ってあげたんだ」
「ほんと…自分の身内として扱う人間には優しいのね。殿下達なんてゴミを見るような目でみてるじゃない」
「だって『側妃になれば私の愛と自由を手に入れられる』だよ?きもっ!なんで愛人作るの前提なの?ほんと無理」
「そう…側妃…」

正妃となるこの子はなぜか遠くを見ていた。ほんと恐ろしい女だよ、今聞いたネタでまた王太子脅すんだぜ有無を言わせないってやつだよ本当に恐ろしいのはマジ女。

「それで?そろそろ終わるんでしょう?」
「ぽいんだけどさー、ほんとかは不明」
「殿下はそろそろとおっしゃってたけど」
「じゃあ帰れるかな?王様の言質とらなきゃ。終わったら絶対に帰すって」
「私も同席するわ。貴女に不利なことがないように契約書もすべて確認してあげる」
「マジで!?ありがとーたすかる」
「そのかわり…」

彼女の発した言葉はとても彼女らしかった。付き合いが短くてもわかる。






*****






「誓約書、書いてくれない?もちろん血判、魔術契約で」

正式に呼ばれたので行けば討伐も次が最後だと。私が書いてほしい誓約書は終われば必ず元の世界に戻すというもの。魔術契約をすれば破れない。破ってしまえば生命に関わる、だからそれをしてほしい。

「陛下にそのようなことを求めるなど無礼ではないかっ」

まーたメガネジジイがなんか言ってくるけどうるせー。

「じゃあおっさんあんた一人で討伐してきてよ。早く行けば?自分で行けないなら送ってあげよーか?あたしの騎士に転移使えるやついるから秒だよ」

あたしにあるのは膨大な魔力と物の本質がわかる能力と、魔力を分け与えたり鼓舞したりする力みたい。ちょー支援タイプ。あたしいればうちの部隊はちょー最強、負けなし百戦錬磨。そもそもの能力高い人間集めてやってんだから当たり前だけど。偉ぶってる騎士がくっそ能力低いのいつか言ってやりたい。士気下がっても困るから今は言わないけど。

「ほら、準備とかいいの?丸腰でいいならすぐ前線に飛ばすけど」
「やめろっ!」
「やめろ?」
「おやめください…」
「なら偉そうな口叩かないでくれる?気分悪いんだけど。」

くそメガネ。ゾンビ召還できたりするなら夜このくそメガネの寝室にゾンビ送り込んでやりたい。パニック映画みたいになってるとこ記録して国中の人間が見れるようにして嘲笑の的にしてやりたい。

「で?おーさまは?拒否るなら正当な理由でもあるんでしょ?ないならさっさとしてくんない?」
「…さすがに強制力が働きすぎると思うんだが」
「それくらいしてくんないとあんたたちまた騙そうとするでしょ?ここの人間ほとんど信用出来ないんだからそれくらいしてもらわなきゃ困るんだよね。まぁしないなら専属部隊連れてここからは出ていくから」

出ていかれては討伐なんて出来やしないってわかってて言ってるんだけど。苦虫を噛み潰したような顔のくそメガネが「ここは言う通りに」と王様に言ってくれたお陰で無事に誓約書はゲット。
討伐部隊にはなぜか王子様とその取り巻き達も入るらしいが邪魔なことこの上ない。これは彼女への報告案件だ。







*****





「おわったー!!!!」

なんで森なんてあるんだよって毎回思うけど、討伐対象を全部倒した。魔術に長けた人間もうちの部隊に入れてるし余裕で帰れるんじゃない?

「みんなありがとー。また冷遇されるようなことあったら宝の持ち腐れだから!王子様の婚約者に色々言ってあるから。絶対悪いようにはしないって、マジで約束するから」

部隊長には「これ、あたしが帰るまでに王子様が文句を言わなければ黄色、文句を言ったら赤を彼女に渡して。渡さなかった方はその場で燃やして」と指示して封筒を2つ預けてある。帰れないということは万が一にもないので、残された私の部隊のことしか心配はない。

「待て!お前は本当に帰るのか!?私の側妃となれば一生困ることはない!」

はい、封筒は赤確定。ほらみて、うちの隊員の顔。笑い堪えてるのとこれから起こることに暗い顔してるのと半々。ウケる。

「考え直さないのか!?」
「いやー、そろそろ巻き込まれないようにあたしの側から離れた方がいいよ。帰りの魔方陣はもう展開してるし魔力もさっき討伐したやつから全部もらってるからそろそろ。じゃあみんなバイバーイ!」

すっごい光に包まれたと思ったら元いた場所に帰れた。スマホ見たら時間は全然経ってない、ラッキー。
バッグに詰め込んだ金や宝石を換金しに行こう。同じとこで全部やると大変だから少しずつ色んな場所で。やったー!今日からお金持ちじゃん!





*****




会ってすぐ好きになった姫が元いた世界に戻ったのはほんの数分前のことらしい。転移が使える姫の専属部隊の人間が1人、火急の要件だと我が家へやってきた。姫の部隊のものだとすぐわかるのは彼女が与えたブローチのおかげ。門番や家令、執事達にはもしかしたら誰か来るかもしれないことやブローチの特徴を伝えていたのであっさり会うことができた。

「姫様は無事お戻りになられました。」
「よかった…彼女にはいきなりこんなところにきてもらって討伐をしろなんて無理なお願いをしたものね…」
「姫様はあなた様のことをいつも楽しそうにお話されていました。これは姫様からお預かりしてきました。お急ぎご確認をとのことです」

渡されたのは赤い封筒。そういえば何か話していたわね。目の前で開封してもいいか聞いてから執事に開封させる。手紙の中身を見て少し頭を抱えたがこれは楽しくなりそうなのですぐ喜びに変わった。

「さて動きましょうか。根回しも必要みたいだし家令を呼んでちょうだい、あとはお父様にお早めの帰宅を促す手紙を誰か頼むわ。姫の部隊のあなたは今から私が指示することを部隊に戻って皆に伝えてちょうだい。殿下達に知られては駄目よ」

さぁやることは沢山、まぁでもこれくらいこなせなくちゃ将来国母になんてなれないわ。




「公爵令嬢、わざわざ公の場での謁見とは?」
「おわかりとは存じますが、姫が去ったあと彼女から伝言を預かっておりまして。その手続きが完了したとの報告を」

なんでこんな無能に頭下げなきゃならないんだと不満に思いながらも王妃様が隣にいらっしゃるので仕方なく頭を下げる。王妃様はおそらく全てを存じている。

「あの者か…完了の報告もなく勝手に帰還するとは、いだっ!」

見えている。今王妃様が凶悪なピンヒールで陛下の足の項を踏みつけたところを。周囲は息を呑んだ。

「彼女が選抜した部隊はすべて公爵家で引き取らせていただきました。彼らは昨日付で国軍へ退職する旨を伝え、本日より我が公爵家の兵士となります。」
「…まぁもう魔物は出ないのでいいだろう。」
「万が一にも再度依頼するようなことがあれば当主である父と交渉なさってください。私兵となりますゆえ相談料から依頼料、成功報酬と全て請求することになりますので」
「まてっ!なんてことをっ!」

遂に殿下が口を開いた。どうせ民を守るために金銭を要求するなどとか言いたいのだろう。あなたのことは幼い頃からよくわかっているから大丈夫。

「殿下におかれましては婚約者である私がいるにも関わらず姫を口説いたりしまいには姫の侍女達にまで側室にしてやると宣言されているとのこと、御説明いただけるのですよね殿下、陛下」

王家は跡継ぎが必要なため正妃に跡継ぎが望めないようであれば側妃を娶ることは可能である。しかし子も出来ぬうちから側妃の話はルール違反以外のなにものでもない。その話を聞いた王妃様も大層お怒りになっていた。

「なっ、それは…お前の為を思って…」
「側妃を娶るとこを前提にすることがなぜ私のためだと?正直子供を望むこともできないと言われているようで心を傷めましたわ…父や母、姫、そして王妃様にしか相談することもできず…うぅ…っ」

『困ったら泣けばいいんだよ泣けば。それで折れない男はそもそもやべーから。王子様はすぐ謝ってきそうだからそこで条件かませば?』

姫の言葉を思い出す。そうよ、泣けばいいの。両親や教師達からは泣いてはいけないと教わっていたけれど、姫に言われて目が覚めた、涙とは使いようだと。
殿下の「お前の為を思って」もほぼ本音なのはわかっている。姫を国にとどめる方法を殿下なりに考えたのだろう、その結果が婚約者である私を貶すようなことだろうと、殿下は姫を留めておけば私と姫との関係も良好だからと考えたのだろう。殿下の考えることなんてしょそんなものだ。結果それがどう思われるのかまでは考えは及ばない。陛下はそんな殿下を理解しているが、姫が国に留まる方が有益なので止めなかったのだろう。周りに口止めをしておけば王妃にバレることはないと思ったのだろうが残念、私も姫も王妃様とは繋がっている。口止めをなんてできるはずがないじゃない。

「わかったわ。この馬鹿息子はしばらく反省させます。陛下、あなたもこの子と一緒に少しお休みなさったら?その間は私と未来の国母と共にあなた達の代わりを立派に務めてみせるわ。代わりじゃないわね、私達の方が優秀かもしれないわ」

やった!さすが王妃様!これで私の願いが叶うわ。国の為に尽くしたい、それは高位貴族と生まれたからには物心ついたときからあった私の一番の目的。殿下のことは好きだし子をなす行為を想像して嫌悪感を抱くこともない。でも私は政の方がやりたかったのだ。これで私の有用性を国の中枢に知らしめれば私の願いは叶う。
姫、本当にありがとう。全てがあなたのおかげ。今頃お金に困らない生活をしているはずだわ。姫の人生に幸多からんことを。







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