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第25話 選考結果……

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 面接が終わって、数日後……
 今日も美空の指導を受けながら昼食の準備をしていると…

『ピンポーン♪』

 玄関のインターホーンが鳴る。

「あっ、インターホーンが鳴った」
「ちょっと、出て来るね」

 俺は準備を中断して、玄関に出向いて返事をする。

「はい?」

「あっ、こんにちは~。郵便局です!」

 どうやら、郵便か何かを持って来たようだ。
 俺は玄関を開ける。

「早見正輝様ですね」

「はい…」

「速達です!」

 郵便局の配達員は、A4サイズの封筒を俺に手渡す。
 封筒の下部には五崎重工と書かれていた。
 俺は封筒を受け取り、配達員にお礼を言って早速、美空の方に向かう。

「美空!」
「結果が来たよ!」
「この封筒の分厚さと速達からして、きっと採用されているよ!」

 俺は喜んで美空に話し掛けるが、美空はいつも通りの冷静な口調で返す。

「正輝…。はしゃぎすぎない」
「まずは、確認してみましょう」

 俺と美空は台所から部屋に向かい、テーブルの上に封筒を置いて、封筒の上部をナイフで切って中身を確認すると……

「やった!」
「内定通知・採用に関する書類・出社の指示などの書類が入っている!」

「………おめでとう」

 美空は静かに呟く。

「えっと……来月に1日に出社で、その間に各書類を書いて郵送しろか…」
「うぁ~、健康診断も受けろか……。診断費は後から支給されるが、自費で受けろか…」

 俺は各書類を確認して、これからの事、夢や希望を膨らませていると……

「正輝……。それは、今すぐやる事では無いから、先にお昼作りましょう…」

 美空は冷めた口調でそう言う。

「あっ、ああ、そうだな……」

 もっと、喜んでくれても良いのに、美空は笑顔の1つも見せない。
 俺はおかしいと感じていたが、昼食作りを再開させる。

 俺は完全に忘れていたのだ。ここが夢の世界だと!?
 魔法もいつの間にか受け入れているし、美空の存在も受け入れている。
 俺はこの世界がずっと続くと思っていた……

 美空の指導で俺は昼食を作り、美空と共に昼食を取っているが、美空の様子が少しおかしい……

 表情はいつも通りのすまし顔何だか、時々、寂しそうな表情を見せる。

(何か…、有ったのかな?)
(無事に内定も貰えたし、今晩はお祝いして、美空をどこかに連れってやるか!)

 俺はそう思いながら昼食を取って、昼食後の後片付けをする。
 知っての通り、美空は片付けを一切手伝わない。俺のために成らないからで有る。
 料理の指導も指導しかせず、補助的な手伝いもしない。全部俺のためだそうだ……

 美空と一緒に遊び行くプランでも立てようかと思いながら部屋に戻ると、美空は天を見上げていた。
 美空は俺に気づくと、寂しそうな声で言って来た。

「正輝…。お別れだって……」

「えっ……!」

 遂に、俺の夢は覚めようとしていた……
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