チー牛おっさんが自殺を計ったら、何故か異世界に飛ばされた。―自炊スキルを生かし、俺は異世界で養護施設を切り盛りしながら魔王も討伐する―

小春かぜね

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異世界で子ども食堂を開きたい!

第6話 城下町に向う

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 ……

 俺の名前はスズヤ!
 30代のチー牛おっさんで有る。

 俺は前世界で嫌気をさして、池への入水自殺を行ったのだが、何故か異世界に飛ばされてしまった///
 異世界物語らしく、俺はリンと言う少女に助けられて、更にはの役を貰いながら、俺はリンの家にしばらく滞在する事と成った。

 リンの母親はマリコと言うのだが、マリコも俺が前夫に似ているの理由(?)で、すんなりと承諾してくれた。
 俺は前世界の事情を、マリコにも話したがマリコは『それは大変でしたね』、『けど、あなたはとても良い人に見えますよ!』と、脈絡の無い会話で終わってしまった。

 リンやマリコも、俺が異世界から来た人間とは信じず、魔王軍の魔物にやられて、それが原因の目線で見ている。
 却って詮索されたり、王国に報告されると事がなるので、そう成らなかっただけ、マシなのかも知れない?

 リンの父親は魔王軍との戦いで戦死をしており、俺はその代役に成っているのだが、形だけでも家長に成るのだから、俺は仕事をしないと行けない。
 リンの父親は戦死なので、所属していたメルメーサ王国からは恩給が貰えているが、三人での生活成ると……恩給だけでは心寂しい時も出て来る。

 なので、俺は前世界みたいに就職活動と……言いたいが、メルメーサ王国には企業は無い。
 国内は個人経営店ばかりで有り、更には身内で固められているので、俺はサラリーマンが出来ない!///

 俺が手っ取り早く働くのはメルメーサ王国の兵士に成るか、それともきこりしか道が無いが、どちらも食指が動かない。
 なので、リンにメルメーサ王国の城下町である、パプテトロンの案内を頼んで、同時に起業のアイディアも探る……

 ……

 そして、どうでもいい話で有るが、俺は異世界に来てしまったが、前世界の時と比べて少し若くなった感じがする?
 何とも言えないのだが、5歳ぐらい若返った気がする。

 これも異世界の特別作用なんだろうか?
 リンやマリコが俺を好くのも30代前半ではなく、20代後半で見られているからだろうか??

 ☆

 今日は、マルコ532年10月20日。
 メルメーサ王国にも、日本の様な四季があるらしく、今の時期は秋と成る。

 天気も晴天で有り、今日はリンと一緒にメルメーサ王国の城下町である、パプテトロンの案内をお願いする。

「じゃあ、お母さん行ってきます♪」

 リンは玄関で、マリコに笑顔で出掛けの挨拶をする。
 マリコは和やかな表情で、リンに話し始める。

「リン!」
「道中、気を付けるのよ!!」

「大丈夫ですよ。お母さん!」
「ちゃんと、魔除けの香水をかけておきましたから!!」

 マリコの言葉の後。リンは笑顔でマリコに話す。
 この辺りは城下町が近いため、魔王軍の偵察部隊まものが現われる時が有る。

 だが、魔除けの香水をかけておけば、魔物は襲ってこないらしい?
 それは、俺もかけてある。香水自体は普通の香水だ。

 リンは魔法が使えるが、俗に言う白魔法で有り、回復魔法で有る『スイスイ』や毒を抜く『ドヌケポン』しかリンはまだ使えない。
 白魔法と言うには黒魔法も当然有って、黒魔法は攻撃を主体にした魔法で有る。

 リンも魔法訓練を受ければ、高度な魔法が扱えるらしいが、そうするには王国に『白魔法使い』の登録をしないと行けないらしい。
 だが『白魔法使い』の登録をしてしまうと、同時に王国軍、白魔法部隊の一員にされてしまうため、リンの母親で有るマリコは反対しているそうだ。

 簡易的な回復魔法は、王国の登録無しで使えるが、黒魔法に関しては『黒魔法使い』の登録をしないと、黒魔法の素質が有ってもマホトットの進呈がされない。
 言うまでもなく、黒魔法は悪用が出来るから、それを防ぐためで有る。

 俺はリンと一緒に林道を歩いて、パプテトロンに向うわけだが、約20分の道のりらしい。(俺の足で。リンだと約15分になる)
 二人とも魔除けの香水をかけておいたが、これも100%効くわけでは無いので、魔物と遭遇した時の武器も持たされた。

 俺は短刀を持って、リンはピストルを持つ。
 俺は前世界。短刀で人を殺したり、動物を殺した事が無い。

 だから、本当はピストルの方が良いのだが、それはリンも同じことだと言いたいが、リンはピストルで、スライム(ゲル)の脳天を打ち抜いたりしているそうだ!
 なので、俺がピストルを持つよりリンが持った方が良い。

 俺も男で有るから、もし魔物と遭遇した時は短刀で応戦するしか無い。

 ……

「びく、びく、―――///」

「~~~♪」

 俺はリンと一緒に、城下町に向うために林道を歩いている。
 俺は何時、魔物が現われるかと思いながら歩いているが、リンの方は陽気な表情で歩いている。

 リンは歩きながら、和やかな表情で俺に話し始める。

「お父さん。大丈夫ですよ。そんなに、キョロキョロしなくても!」
「今まで、魔除けの香水をかけておいて、魔物が現われた事は無いですから!!」

「うっ、うん……だって、でも(汗)」
「前世界では人間や動物に襲われる事は有っても、魔物は無かったから///」

 俺はした表情でリンに話す。
 前世界では言えば、戦地の前線を歩いていると変わらないからだ。

 狙撃兵が何時。俺の頭部を撃ち抜いてくるかの恐怖だ!
 だが、リンは笑顔で俺に言い始める。

「本当。大丈夫ですって!」
「多少の怪我なら、私が治して上げますから!!」

「それに、私のピストル腕前は有りますからね♪」

「……」

(多少の怪我でも、出来ればしたくないよ///)
(だけど……リンの回復魔法で対処出来るんだから、そんなに強いモンスターはいないのか?)

 魔物との遭遇が無い事を、俺は祈りながらリンと一緒に歩く。
 リンの方は歩き慣れている道なので、俺との道中を楽しく歩いていた。

 ……

 森林の景色から……段々と景色が広がって行き、リンの家を出てから約20分で城下町が見えてきた。
 魔除けの香水のお陰か、偶然かは知らないが魔物との遭遇は無かった。

「ふぅ~~」

 俺は安堵の溜め息を吐きながら、リンと一緒に城下町の門前まで来る。
 これが、メルメーサ王国の城下町である、パプテトロンか……
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