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初冒険と鉱床探索
第55話 しばらくの休息
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俺は尋ねる表情で、コハルに話し始める。
「コハルさん。タングステン鉱石も無事に採取出来たことから、ナポレン王への報告が必要だと感じるのですが……アスの今の状態では……」
「……だね。スズヤ!」
「まぁ、報告に関しては私からして置くよ!!」
「だから、今はアスちゃんをゆっくりと休ませて上げて……」
コハルは困った微笑み表情で俺に話す。
王への報告は、コハルが代わりにしてくれるそうだ。
「……zzz」
コハルはかなり強力な魔法(?)をアスに掛けたらしく、未だにコハルの背で眠っている。
だが、その寝顔は幸せ表情の寝顔では無く、苦しそうな表情で有った……
……
『ガラ、ガラ、―――』←車輪の音
『ガラ、ガラ、―――』
コハルの計らいで、王国城から教会への帰路は徒歩では無く、馬車を用意してくれた。
兵士が馭者をしてくれて、俺たち三人は幌の付いた荷台に搭乗している。
「スズヤ……タングステン鉱石は手に入ったけど、しばらくの冒険は無理そうだね///」
リンは困った表情で、俺に話し掛ける。
俺も同じ表情で、リンに話し始める。
「仕方ないよ。リン…///」
「あれがフウゴルでは無く、大鬼や大熊とかで有ったなら何も問題は無かったのだが、人間で有る上、アスの知人で有ったからな……」
アスの心が完全回復するまでの間は、俺たち三人の魔王討伐は見送り状態と成る。
それに王者の剣も、これから鍛造を始めるのだし、剣が完成するには一ヶ月ぐらいの時間が必要だとコハルから言われている。
どの道。最低一ヶ月間は冒険に出ることは出来ない。
……
教会に戻った俺たち三人は、俺が寝ているアスを負ぶって、養護施設。アスの自室に連れて行く。
リンがアスの上にベッドカバーを掛けた後。困った微笑み表情で俺に話し始める。
「スズヤ! アスちゃんは寝ているけど、神父に報告へ行きましょうか?」
「フウゴルの事も、神父の耳に入れて置かないと行けないし…」
俺とリンは、アスの自室から教会に向う。
教会には神父が居て、俺は今日の出来事を全て神父に話す。
「……そうでしたか」
「フウゴルは魔王に魂を売り……アスが、そのけじめを付けましたか……」
俺からの出来事を聞いた後。神父は神妙な表情で呟く。
神父は語る表情に変わり、俺とリンにフウゴルの事を語り始める……
「……フウゴルは、この教会一番のやんちゃ者でした!」
「私やシスターも、フウゴルには毎回手を焼かされていました!///」
「フウゴルはアスより一歳年上なんですが、子どもたちを纏めること等は全くしなくて、毎日施設を抜け出しては、市場に行って食べ物を恵んで貰ったり、悪さもしていた見たいです」
「だが、そんなフウゴルでも、夕方に成ると必ず戻って来ていました」
「フウゴルは食べる事がとにかく好きで、特に前厨房担当者が作った料理をとても好んで食べていました!」
「子どもたちから聞いた話しに依ると、好みの味付けだと聞きましたが、恐らくフウゴル母親の味付けに似ていたのでしょう!」
「フウゴルは戦争孤児では無く、孤児として養護施設に来ました」
「両親が店の経営に失敗して、借金苦で自殺をして、見掛けた近隣の人がフウゴルを連れて来ました!」
「前厨房担当者が辞めて、その代わりにシスターが料理を作り始め、アスが補佐をする様に成りました」
「……スズヤが聞いての通り。スズヤが厨房担当者に成るまでの間の料理は、とても質素に成りました」
「シスターは他の業務も有る関係から、夕食でもパンとスープをメインで出し続けました」
「シスターは平等主義ですから、フウゴルだけ大盛り仕様にする行為はしませんでした///」
「前厨房担当者は厨房業務がメインなので、スープだけで無く、肉や魚の見栄えの良い料理も出していました」
「フウゴルは食の落差と、母親と似た味付け料理が食べられなく成った事から、一気に素行が悪くなり、不平不満解消に子どもたちを苛める様に成りました」
「アスはその時には既に、子どもたちを纏める仕事を任せていましたので、アスが苛めの場面を見掛けると、フウゴルでも容赦無しに注意をしていました!」
「それでも……フウゴルの子どもたちへの苛めは収まらず、私は重い腰を上げましたが、それが切っ掛けでフウゴルは施設から飛び出し……に成ってしまいました///」
「…………」
「…………」
俺とリンは神父からの話を、神妙な表情で聞いていた。
フウゴルが暴走する切っ掛けと成ったのは、前厨房担当者が辞めたのが始まりで有った。
リンは悲しそうな表情で、神父に話し始める。
「神父さん……その気持ち。何となく分かります!」
「私もお母さんが作るスープが、この世界で一番美味しいと感じています!///」
「魔王に魂を売った事は許されませんが、フウゴルの気持ちも、少し理解出来たかも知れません…」
(母親の味か……まぁ、俺の自炊料理も母親がベースだし、味付けも似たり寄ったりの味だ!)
(フウゴルはそれだけ、母親を意識していたんだな……)
☆
神父は明日にでも王国城に行って、フウゴルの亡骸を確認するそうだ。
フウゴルは亡骸に成っているが、メルメーサ王国に外患誘致したのは事実で有る。
フウゴルの後見人は神父で有るが、フウゴル一人が勝手に行った行為なので、神父やシスターに責任を負わされる事は無いだろう。
だが、墓地に埋葬されて安らかに……は、多分出来ないだろう。
俺たち三人の冒険はこれからも続くので有るが、王者の剣が完成するのと、アスの心が完全回復するまでは、しばらくの休息と成りそうだ……
……
☆初冒険と鉱床探索☆
☆おわり☆
※大事なお知らせ※
何時もお読みいただき、ありがとうございます。
申し訳ないですが、今回のお話しで一旦終了とさせていただきます///
完結を望まれる方もいらっしゃるでしょうが、この作品に関しましては、しばらく休止させて貰います。
再会出来た時は続編ですが『チー牛おっさんが自殺を計ったら、何故か異世界に飛ばされた。―自炊スキルを生かし、俺は異世界で養護施設を切り盛りしながら魔王も討伐する― 第二集』等のタイトルで、新規投稿を考えています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました<(_ _)>
小春かぜね
「コハルさん。タングステン鉱石も無事に採取出来たことから、ナポレン王への報告が必要だと感じるのですが……アスの今の状態では……」
「……だね。スズヤ!」
「まぁ、報告に関しては私からして置くよ!!」
「だから、今はアスちゃんをゆっくりと休ませて上げて……」
コハルは困った微笑み表情で俺に話す。
王への報告は、コハルが代わりにしてくれるそうだ。
「……zzz」
コハルはかなり強力な魔法(?)をアスに掛けたらしく、未だにコハルの背で眠っている。
だが、その寝顔は幸せ表情の寝顔では無く、苦しそうな表情で有った……
……
『ガラ、ガラ、―――』←車輪の音
『ガラ、ガラ、―――』
コハルの計らいで、王国城から教会への帰路は徒歩では無く、馬車を用意してくれた。
兵士が馭者をしてくれて、俺たち三人は幌の付いた荷台に搭乗している。
「スズヤ……タングステン鉱石は手に入ったけど、しばらくの冒険は無理そうだね///」
リンは困った表情で、俺に話し掛ける。
俺も同じ表情で、リンに話し始める。
「仕方ないよ。リン…///」
「あれがフウゴルでは無く、大鬼や大熊とかで有ったなら何も問題は無かったのだが、人間で有る上、アスの知人で有ったからな……」
アスの心が完全回復するまでの間は、俺たち三人の魔王討伐は見送り状態と成る。
それに王者の剣も、これから鍛造を始めるのだし、剣が完成するには一ヶ月ぐらいの時間が必要だとコハルから言われている。
どの道。最低一ヶ月間は冒険に出ることは出来ない。
……
教会に戻った俺たち三人は、俺が寝ているアスを負ぶって、養護施設。アスの自室に連れて行く。
リンがアスの上にベッドカバーを掛けた後。困った微笑み表情で俺に話し始める。
「スズヤ! アスちゃんは寝ているけど、神父に報告へ行きましょうか?」
「フウゴルの事も、神父の耳に入れて置かないと行けないし…」
俺とリンは、アスの自室から教会に向う。
教会には神父が居て、俺は今日の出来事を全て神父に話す。
「……そうでしたか」
「フウゴルは魔王に魂を売り……アスが、そのけじめを付けましたか……」
俺からの出来事を聞いた後。神父は神妙な表情で呟く。
神父は語る表情に変わり、俺とリンにフウゴルの事を語り始める……
「……フウゴルは、この教会一番のやんちゃ者でした!」
「私やシスターも、フウゴルには毎回手を焼かされていました!///」
「フウゴルはアスより一歳年上なんですが、子どもたちを纏めること等は全くしなくて、毎日施設を抜け出しては、市場に行って食べ物を恵んで貰ったり、悪さもしていた見たいです」
「だが、そんなフウゴルでも、夕方に成ると必ず戻って来ていました」
「フウゴルは食べる事がとにかく好きで、特に前厨房担当者が作った料理をとても好んで食べていました!」
「子どもたちから聞いた話しに依ると、好みの味付けだと聞きましたが、恐らくフウゴル母親の味付けに似ていたのでしょう!」
「フウゴルは戦争孤児では無く、孤児として養護施設に来ました」
「両親が店の経営に失敗して、借金苦で自殺をして、見掛けた近隣の人がフウゴルを連れて来ました!」
「前厨房担当者が辞めて、その代わりにシスターが料理を作り始め、アスが補佐をする様に成りました」
「……スズヤが聞いての通り。スズヤが厨房担当者に成るまでの間の料理は、とても質素に成りました」
「シスターは他の業務も有る関係から、夕食でもパンとスープをメインで出し続けました」
「シスターは平等主義ですから、フウゴルだけ大盛り仕様にする行為はしませんでした///」
「前厨房担当者は厨房業務がメインなので、スープだけで無く、肉や魚の見栄えの良い料理も出していました」
「フウゴルは食の落差と、母親と似た味付け料理が食べられなく成った事から、一気に素行が悪くなり、不平不満解消に子どもたちを苛める様に成りました」
「アスはその時には既に、子どもたちを纏める仕事を任せていましたので、アスが苛めの場面を見掛けると、フウゴルでも容赦無しに注意をしていました!」
「それでも……フウゴルの子どもたちへの苛めは収まらず、私は重い腰を上げましたが、それが切っ掛けでフウゴルは施設から飛び出し……に成ってしまいました///」
「…………」
「…………」
俺とリンは神父からの話を、神妙な表情で聞いていた。
フウゴルが暴走する切っ掛けと成ったのは、前厨房担当者が辞めたのが始まりで有った。
リンは悲しそうな表情で、神父に話し始める。
「神父さん……その気持ち。何となく分かります!」
「私もお母さんが作るスープが、この世界で一番美味しいと感じています!///」
「魔王に魂を売った事は許されませんが、フウゴルの気持ちも、少し理解出来たかも知れません…」
(母親の味か……まぁ、俺の自炊料理も母親がベースだし、味付けも似たり寄ったりの味だ!)
(フウゴルはそれだけ、母親を意識していたんだな……)
☆
神父は明日にでも王国城に行って、フウゴルの亡骸を確認するそうだ。
フウゴルは亡骸に成っているが、メルメーサ王国に外患誘致したのは事実で有る。
フウゴルの後見人は神父で有るが、フウゴル一人が勝手に行った行為なので、神父やシスターに責任を負わされる事は無いだろう。
だが、墓地に埋葬されて安らかに……は、多分出来ないだろう。
俺たち三人の冒険はこれからも続くので有るが、王者の剣が完成するのと、アスの心が完全回復するまでは、しばらくの休息と成りそうだ……
……
☆初冒険と鉱床探索☆
☆おわり☆
※大事なお知らせ※
何時もお読みいただき、ありがとうございます。
申し訳ないですが、今回のお話しで一旦終了とさせていただきます///
完結を望まれる方もいらっしゃるでしょうが、この作品に関しましては、しばらく休止させて貰います。
再会出来た時は続編ですが『チー牛おっさんが自殺を計ったら、何故か異世界に飛ばされた。―自炊スキルを生かし、俺は異世界で養護施設を切り盛りしながら魔王も討伐する― 第二集』等のタイトルで、新規投稿を考えています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました<(_ _)>
小春かぜね
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