お仕置き堂

小春かぜね

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第6話 遅咲きの中年男 その1 

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 今日は徳丸の兄貴に、急に電話で呼び出された。

『山本!』
『○○時に事務所に来てくれ……』

 僕はその電話で直ぐに『裏の仕事だな…』と直感する。
 裏の仕事は基本、徳丸さんが依頼を受け付け、徳丸さんが僕の所に指示を出しに来るが殆どだが、徳丸さんが説明をするのを面倒くさいと感じたり、依頼者が同席を望んだ場合は依頼の話を同席する時も有る。

 大抵、相手が同席を望む時は感情的な内容だ。
 痴情ちじょうもつれや、パワハラやモラハラ等の、感情的な内容ばかりだ。

 僕が依頼者の辛さを聞いて、憎悪の増幅を狙わせるのが徳丸さんと依頼者の目的だ。
 僕も感情の起伏が激しいから、はしゃぐ時は馬鹿の様に騒ぐし、怒りの感情が爆発した時は、僕の正義論で相手を潰す……世論の正義では無い。僕の正義だ!

 今回の案件は言うまでも無く、面倒くさい案件だ。
 お仕置き屋を始めた頃の様に、闇討ちの延長戦で報酬を貰えていた頃が懐かしい。
 ここ最近来る依頼は、依頼者が要望(オプション)を付けたり、お仕置きの限界に近い拷問ばかりが来るからだ。

 幾ら徳丸さんが、本当の○世界人間だとしても、何時までも警察ポリの目を誤魔化せる訳では無い。
 拷問エキスパートさんが正義の拷問後、その後処理を本当にどうやって処理しているのが気に成るが企業秘密らしい。

 あの人も裏の繋がりは必ず有るが、大物の人間ばかりを処理していて、よく目を付けられない者だ……
 普通なら、報復の報復が始まるのに決まっているのに、そんな話は一度も聞いた事が無い。
 本当に大した人物だ……。僕も目指すならその人かも知れないな……

 ☆

 僕は今、徳丸さんの事務所に居る。
 事務所に居た女性に、応接間に当たる場所に通されると、其処には徳丸さんと中年の女性がソファーに座っていた。
 中年女性の年齢は……50代位の女性で有った。

「お疲れ様です! 徳丸さん!!」

「おぉ、ご苦労、山本!!」
「まぁ、座ってくれや!!」

「はい。では、失礼します!!」

 僕は大きな声を出して、応接間のソファーに座る。
 僕が座ったタイミングで、徳丸さんが話し始める。

「山本!」
「まぁ、言うまでも無いが……仕事だ!!」
「俺はこの女性から既に話は聞いたが、実行役で有る山本にも、是非聞いて貰いたいそうだ」

「分かりました。徳丸さん」

「尾形さん!」
「こちらの方が今回、尾形さんが憎む人をお仕置きする方です!!」

「初めまして。尾形と申します…」

 尾形さんと言う人は、白髪かかなり混じった中年女性で有り、こぢんまりとした体型で有った。

「では、尾形さん。山本に依頼の説明をお願いします」

「はい…。分かりました」

 尾形がそう言い終えた後、語る様に話し始めた。

「山本さん…」
「私には、20代前半の息子が居ました」

「尾形さん…。『居ました』と言う、過去形を使うと言う事は……」

「はい…。3ヶ月前に自殺しました……」

(息子絡みの復讐か……)
(これは、面倒くさい依頼だな……)

「山本さん!」
「単刀直入に言います!!」
「息子の死に追いやった、海山みやまと言う男を殺してください!!」

(尾形……殺しは不味いよ)
(それは僕で無く、拷問エキスパートさんの管轄だ……)

「尾形さん…。申し訳ないのですが、うちは“お仕置き屋”です」
「あくまでお仕置きが目的で有って、殺人までは扱ってないのです!」
「他の所を当たるべきかと……」

 僕が尾形に向けて話していると、徳丸さんが話に割って入ってくる。

「まぁ、山本!!」
「最後まで尾形さんの話を聞いてやってくれ!!」
「これは最初、俺からも言って、尾形さんも納得してくれた筈なのだが、感情が抑えられなかったのだろう!」

「……ですよね。尾形さん…?」

 徳丸さんは低い口調で、尾形さんに確認を求めた!?
 徳丸さんも“殺し”は、不味いと理解しているからだ。

「すっ、すいません(汗)」
「徳丸さんに山本さん…。つい、心の本音が出てしまいまして…」

「だそうだ。山本!」
「では、尾形さん。山本に|経緯をお願いします」

「はい…」

 尾形は返事の後、息子が自殺するまでの経緯を話し始めた……

 ……
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