魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク

白崎詩葉

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完結篇

第4話 喪失③

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「おまえがなぜ・・・魔族(アビス)化しても人の姿に得られた・・・」
 俺の時はそうならなかった。
「なんだ。その感情は。魔族(アビス)化したのに、あの醜い怪物にならなかったことに怒っているのか。それとも悔しいのか。気持ち悪い」
 アレイスターが見下ろす。
「一生考え苦しめればいい」
 答える気はない。一生答えを探し続けて苦しめと。腹が立つ。
「そもそも予備の『手』を使おうとしたが、壊してしまったからな。結局おまえを使う羽目になった」
『手』。ブルーノがパウロと名乗り、『手』を利用して商売をしていた。
 あの街で見なければ、思い出せなかった。
「そうか。ブルーノを殺したのはおまえか」
 ブルーノを誰かに殺された。頭がなくなっていた。あの時の殺され方が魔女ではなかった。銃で殺したような跡だった。
「あいつのおかげで施設がダメになった。それに研究材料を盗んだ。同然の報いだ」
「そうだったな」
「あの時も聖女がいたからな。誤魔化すにも苦労した」
「待った!あの時もジャンヌと一緒にいたのか」
「それ訊きたい?」
 黒炎の魔女が言う。
「辞めてください。話しが進まなくなる」
 気になるだろうか。
「おまえを使おうにもまさか魔力を片手失うとはな」
「それも知っていたのか・・・」
「やはりか。ジルから聞いた。銀の聖女から宝石心臓を抜いたそうじゃないか。さすがに影響が出たようだな。別に片手あるだけで計画に影響がないから使わせた」
「そのジルの関係は?なぜ教会の人間と組んでいる」
「ただの親戚だ」
「親戚?」
「我々は選ばれた一族だからな」
 選ばれた。誰に。
「最後の質問だ。ウィーン辞典はどこにある」
「・・・」
 黙り込む。
「答えないか。お前が持っては宝の持ち腐れだ」
「使われない方が腐るだろうか。あの本を十分読み漁ったんだろ。わざわざ取り戻したいのか」
「少し記憶障害が起きてな。その文字はその本にしか載っていないんだ」
 魔族(アビス)化する時、記憶を失ったのか。
「それともこの指輪の中が」
 アレイスターは手に指輪を持っていた。
「お見通しかよ」
「工作の魔女から奪ったとは聞いていた。魔女が作ったモノだから、これを壊してもどうなるが分からない」
「そこから出せってことか」
「まさか」
 椅子から立ち上がったアレイスターは、近くにあったオノを手にする。引きずりながらアキセの元へ近づく。
「おい・・・」
 アレイスターの行動が読めた。
「あの時の恨みを晴らしたいからな」
「ちょ・・・」
 アレイスターは、オノを振り下ろす。
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