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本編
96,魔導王国
しおりを挟む「……成功ね。重なってた反応はみんな二つに別れたわ」
「それじゃあ罠にかかった方にとどめを刺そう。それでもう追いつけないだろうから」
「ええ」
ミリアが目を閉じて杖を振るう。そうすると、月の力で感じていた反応が、一つ、また一つと消えていった。
罠にかかった方の反応が全部消えたのを確認して、恋人の力を終わらせる。繋がっていた赤い光が空気に溶けてくみたいに消えた。
「ふう……。これ、凄いけれど少し疲れるわね」
「ごめんねミリア。ありがとう」
「いいのよ、これくらい」
ミリアのおかげで追っ手は来なくなったし、あとはのんびり魔道王国まで向かうだけだね。
「ルルリカさん、あとどのくらいで魔道王国に着きますか?」
「あと二日もかからないと思います。ですが思わぬ足止めをくらったせいで、このまま出来る限り走り続けたら明日のの深夜に着くといった具合です。それか一度野宿をして明後日の昼に着くという選択肢もありますけれど」
んー、流石に深夜にお邪魔するのは失礼というか申し訳ないな。ダドルたちも月の力で分からない位の場所まで放したし、野宿しても大丈夫でしょ。竜にも休ませてあげたいし。
「私は昼につくのがが良いと思うんだけど、みんなは?」
「私は構わないよ」
「私もいいわ」
「同じく」
「ということですルルリカさん」
「分かりました。適当な所で止まって野宿しましょう」
その後は何か問題が起きることも無く、平和な旅路だった。魔物は近くに来てたみたいだけど、竜がいるからか並の魔物は仕掛けて来ないらしい。
そして明後日の昼。
「着きました、皆さん。ようこそ魔道王国へ」
ルルリカさんの言う通り、私たちは魔道王国にたどり着いた。まだ外側からしか見てないけど、魔道王国が大陸最強って言われるのがわかる気がする。
まず、城壁が違う。帝国の城壁も立派で、綺麗に見えた。けど、魔道王国の城壁はそれよりも大きくて、ずっと綺麗。帝国の城壁でも流石にブロックが重なってることがわかったけど、魔道王国はパッと見だと大きな一つの岩に見える。
それに、多分建物を建てる技術が他の国とは段違いにすごいんだと思う。高い建物を建てるには技術が必要だってどこかで聞いた気がする。王国や帝国は外からは城壁で中の様子は分からなかったけど、魔道王国は外からお城が見える。他の国より城壁が大きく見えるのにだ。これは相当差があるってことなんだと思う。
「このまま城へ行きます。恐らく今夜、夕食の後にお話することになると思います」
「分かりました」
そっか、ご飯出してもらえるんだ。ちょっと楽しみかも。
「今からだと夕食まではしばらく時間がありますので、その時間で条件の確認をさせてください」
「あ、はい。分かりました」
確かに今からだとだいぶ時間があるもんね。私たちが魔道王国にいることを秘密にするって条件を出してるし、観光なんて出来ないし。その話が終わったら魔道王国のこととかルルリカさんに聞いて時間を潰せばいいかな。
「追加の条件もそこで確認させてください」
「追加の条件?」
「先程の力の話です。条件次第で教えて頂けるとのこでしたよね?」
「あ、はい」
忘れてた……。どうしよう、なんとか言い訳考えておかないと。本当のことなんて言えないし、かと言ってリュウセン様やキオウ様に迷惑かけるのも嫌だし。ちゃんと考えて話しておけば良かったなあ……。
10
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