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終わりの章
幻のタウン『kizuna』
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久美はネットで検索している。新しい服も届いたし、外へもでてない。
「やはり、グライダーで探すか」
未だ到着していない宇宙船を考えたのだ。しかし、どこへ着地するのかが分からない。到着していない宇宙船も多すぎる。
「検索の仕方を間違えたか。惑星の航空写真はないかな」
10キロメートル四方の空き地。草原になっているかもしれない平坦な土地。
「見分けが付きにくいけれど。ひとつづつ調べるか」
拡大するとぼやける映像を眺めて呟く。
そのとき、pyupyapyoタウンの近くが映される。
「ここなら分かる。あれっ」
海へ行くときに上を飛んで行った草原だ。植物群はハーブ系の群落が広がり、タウンと同じだ、と興味もなかった。
「ここなら。かえって可能性がある。このタウンから距離も、たぶん5キロメートル」
隣のタウンになるはずだった、と予想する。
「わたしゃばかだねー」
砂利道の向こうにタウンがあるか、調べれば早かったのかも。ともあれ、間違いないと確信した。
早速とグライダーで草原へ向かう。海岸線が森に見え隠れする。思い込むと、なにやら四角い草原に思える。
「どこへ着陸するかな」
太陽に照らされて、星みたいに小さく光るものがある。その近くへグライダーを着陸させた。 今のところ大型動物は出てこない。月桃の茂みに囲まれた発行物体が何か、確かめようと近づく。
「錆ついた金属か」
月桃が生えるのを邪魔するような2メートル四方の場所。コンクリートで固定された感じ。それに文字が刻まれている。
『Planned site for the town/kizuna』
「kizunaタウンの予定地か。ここだ」
探していた居場所を見つけた思い。
ハニャーは、熱いところだ、と鉄板に足を伸ばす。
久美も人差し指で触れてみる。
「あちっ」
熱いっ。思わず手を引っ込める。そして考える。
「遅れて到着してくるか。確か事故とかあった宇宙船は」
さっきまでネットで調べていた記憶を辿る。
「そうか。来ないのか」
事故に遭ったと思いだす。
やっと着陸した人類。
何を始めようとしているのか。
旅立った時の理想を忘れてしまったのか。否、人類は未だ欲望を制御できない。
それで、何を始めようとしているのか。
「ここへ、本当に幸せになれるタウンを作るからね。一緒にだよ」
もう一度鉄板を撫でる。熱さが、戻らない宇宙船の人々の情熱に思えた。
風を切る音がして、月桃の林から外を見ると魔進が降りて来る。
「今度は譲れない」
久美は短剣と鞭を手に、林から飛び出す。
「相変わらず元気だね」
杏樹が笑って言う。
「ここはタウン予定地だもんね。邪魔はさせないから」
「一人じゃ何もならないって言ったでしょ。準備もあるから」
「後から揃えるわよ」
「それじゃあ。とりあえずトイレは。アホタレみたいに垂れ流すの」
「あっ。それね。浄化槽も必要か」
「さすが、一を聞けば十を知る。一人じゃ無理な作業をどうする」
「わかった。ふーん、なるほど。良いわけだね」
久美は杏樹も口を挟めないと決めた。そこは頭の回転が良いというか、自分の都合の良い解釈をする。
「前から言ってるでしょ。一人じゃ微力。だからタウンは作れないの」
「タウンを作ると気づいたのね。友達ぐらい。なんとか、作っていくわよ」
杏樹は、やれやれ、と困った顔。
「声をかければ同意する人はいると思う。ま。久美が動けば良いだけかも」
「先ずは準備とかをする。トイレなら、家みたいな建物も必要か」
ちょっと大変なことだと久美も気づく。
「だからさ。協力して家を作る。久美は、やるよ、と声をかければ良いだけ」
「そういうものなの。一応ここを調べてからだよ」
久美は短剣と鞭を持ったままだと気づいて、収める。
翌日から久美は、道具を調達する。kizunaタウンへの砂利道が通れるかも調べないとならない。タウン建設予定地の鉄板の有る場所を仮設テントで囲み、作業諸点にしたいのだ。それぐらいは一人でできると考えた。
「やるよ、だけで良いのかなー。とりあえず一人で住んで証明すればね」
タウンの外へ行きたい者も現れると思っている。
「やはり、グライダーで探すか」
未だ到着していない宇宙船を考えたのだ。しかし、どこへ着地するのかが分からない。到着していない宇宙船も多すぎる。
「検索の仕方を間違えたか。惑星の航空写真はないかな」
10キロメートル四方の空き地。草原になっているかもしれない平坦な土地。
「見分けが付きにくいけれど。ひとつづつ調べるか」
拡大するとぼやける映像を眺めて呟く。
そのとき、pyupyapyoタウンの近くが映される。
「ここなら分かる。あれっ」
海へ行くときに上を飛んで行った草原だ。植物群はハーブ系の群落が広がり、タウンと同じだ、と興味もなかった。
「ここなら。かえって可能性がある。このタウンから距離も、たぶん5キロメートル」
隣のタウンになるはずだった、と予想する。
「わたしゃばかだねー」
砂利道の向こうにタウンがあるか、調べれば早かったのかも。ともあれ、間違いないと確信した。
早速とグライダーで草原へ向かう。海岸線が森に見え隠れする。思い込むと、なにやら四角い草原に思える。
「どこへ着陸するかな」
太陽に照らされて、星みたいに小さく光るものがある。その近くへグライダーを着陸させた。 今のところ大型動物は出てこない。月桃の茂みに囲まれた発行物体が何か、確かめようと近づく。
「錆ついた金属か」
月桃が生えるのを邪魔するような2メートル四方の場所。コンクリートで固定された感じ。それに文字が刻まれている。
『Planned site for the town/kizuna』
「kizunaタウンの予定地か。ここだ」
探していた居場所を見つけた思い。
ハニャーは、熱いところだ、と鉄板に足を伸ばす。
久美も人差し指で触れてみる。
「あちっ」
熱いっ。思わず手を引っ込める。そして考える。
「遅れて到着してくるか。確か事故とかあった宇宙船は」
さっきまでネットで調べていた記憶を辿る。
「そうか。来ないのか」
事故に遭ったと思いだす。
やっと着陸した人類。
何を始めようとしているのか。
旅立った時の理想を忘れてしまったのか。否、人類は未だ欲望を制御できない。
それで、何を始めようとしているのか。
「ここへ、本当に幸せになれるタウンを作るからね。一緒にだよ」
もう一度鉄板を撫でる。熱さが、戻らない宇宙船の人々の情熱に思えた。
風を切る音がして、月桃の林から外を見ると魔進が降りて来る。
「今度は譲れない」
久美は短剣と鞭を手に、林から飛び出す。
「相変わらず元気だね」
杏樹が笑って言う。
「ここはタウン予定地だもんね。邪魔はさせないから」
「一人じゃ何もならないって言ったでしょ。準備もあるから」
「後から揃えるわよ」
「それじゃあ。とりあえずトイレは。アホタレみたいに垂れ流すの」
「あっ。それね。浄化槽も必要か」
「さすが、一を聞けば十を知る。一人じゃ無理な作業をどうする」
「わかった。ふーん、なるほど。良いわけだね」
久美は杏樹も口を挟めないと決めた。そこは頭の回転が良いというか、自分の都合の良い解釈をする。
「前から言ってるでしょ。一人じゃ微力。だからタウンは作れないの」
「タウンを作ると気づいたのね。友達ぐらい。なんとか、作っていくわよ」
杏樹は、やれやれ、と困った顔。
「声をかければ同意する人はいると思う。ま。久美が動けば良いだけかも」
「先ずは準備とかをする。トイレなら、家みたいな建物も必要か」
ちょっと大変なことだと久美も気づく。
「だからさ。協力して家を作る。久美は、やるよ、と声をかければ良いだけ」
「そういうものなの。一応ここを調べてからだよ」
久美は短剣と鞭を持ったままだと気づいて、収める。
翌日から久美は、道具を調達する。kizunaタウンへの砂利道が通れるかも調べないとならない。タウン建設予定地の鉄板の有る場所を仮設テントで囲み、作業諸点にしたいのだ。それぐらいは一人でできると考えた。
「やるよ、だけで良いのかなー。とりあえず一人で住んで証明すればね」
タウンの外へ行きたい者も現れると思っている。
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