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悪役令嬢に転生したらギャルと人格共生することになった話
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別に、他人より不幸な人生を送ってきたとは思わない。
適当に大学へ行って、適当に就職して、普通にブラック企業で、すぐに退職して居酒屋でバイトを始めて6年目。
青信号の横断歩道をふらふら歩いていると、突然全身に激痛が走った。
轢かれた。そう気づいた時には、もう遅かった。
× × ×
「……様」
なんだろう、何か聞こえる。
「クララお嬢様!」
はっと目覚めると、知らない天井に知らないふかふかのベッド。メイド姿の知らない女性が私に話しかけている。
「私……何を……」
ふと、壁際の姿見が目に入った。金髪縦ロールの少女が映っている。
「クララお嬢様、昼から小侯爵様とお約束がございますでしょう。そろそろお仕度なさらないと」
「え、お兄様? なんかあったっけ……かしら?」
私の意思ではない。口が勝手に動く。
メイドがカーテンをシャッと開けると、出窓から外の光が差し込んだ。
「おそらく、お嬢様が考案された爪用の塗料の件でしょう。王国中で大流行ですの」
「マジかしら!?」
ふたたび口が勝手に喋り出す。
なんなんだこの喋り方は。
「えぐすぎますわ。どのくらい売れたの?」
「皇后陛下がお召しになったらしく、商店は品切れ状態。貴族から平民、男性や老人に至るまで注文が殺到しておりますの」
「やばwwwしぬwww」
「死ぬ!?」
「ううん、死なない死なない(笑) てか爆益じゃね、ですわ? あたし、服は自分で選ぶから下がっていいよ」
「かしこまりました」
メイドが部屋から出て行く。
私がぽかんとしていると、体が勝手に動いて、ベッドから飛び降りた。
「よーし、今日も死亡エンド回避、がんばるぞ」
「あの……」
私が声を出すと、私の体がぎょっとしたように飛び上がった。
「え、誰? どこにいるの?」
「ここだよ、あなたと同じ体の中」
少女の口が、私の言葉ともう一人の言葉を同時に発する。
「もしかして……クララの体にあたし以外もう一人いる!?」
「そうみたい……」
「まじ? あんた、名前は?」
「雅……だけど」
「あたしは沙羅だよ。サラソウジュの沙羅」
かすかな記憶が湧き上がってくる。
この状況、知ってる。
数年前に読んだ漫画、『平成末期のJKですが、悪役令嬢に転生しました』の内容に酷似している。
内容はこうだ。
主人公であるギャルの沙羅は、落下してきた鉄骨に貫かれて、乙女ゲーム『フラグメント・オブ・ロマンス』の悪役令嬢・クララに転生してしまう。
クララはゲームのストーリーでは断罪されて死ぬ運命で、沙羅は志望エンドを回避するために、前世とゲームの知識を使って奮闘するという内容だ。
「え、まじ? てかどういうこと?」
私の考えていることは沙羅にも筒抜けのようだ。
「つまり、沙羅ちゃんがゲーム世界に転生したって事実自体が私の世界では漫画の話で、私は漫画のクララに転生したから、沙羅ちゃんと転生先が被っちゃったってこと」
「えーっと、わかったようなわからないような」
「沙羅ちゃんが生きていた世界は現実じゃなくて、漫画の世界だったんだよ。その外側にある私の世界が現実ってこと」
「んー、なるほど。でも、そうとも限らなくない?」
「え?」
沙羅があなたを見る。
「案外、雅ちゃんのいた世界も物語の中だったりして(笑)」
〈END〉
適当に大学へ行って、適当に就職して、普通にブラック企業で、すぐに退職して居酒屋でバイトを始めて6年目。
青信号の横断歩道をふらふら歩いていると、突然全身に激痛が走った。
轢かれた。そう気づいた時には、もう遅かった。
× × ×
「……様」
なんだろう、何か聞こえる。
「クララお嬢様!」
はっと目覚めると、知らない天井に知らないふかふかのベッド。メイド姿の知らない女性が私に話しかけている。
「私……何を……」
ふと、壁際の姿見が目に入った。金髪縦ロールの少女が映っている。
「クララお嬢様、昼から小侯爵様とお約束がございますでしょう。そろそろお仕度なさらないと」
「え、お兄様? なんかあったっけ……かしら?」
私の意思ではない。口が勝手に動く。
メイドがカーテンをシャッと開けると、出窓から外の光が差し込んだ。
「おそらく、お嬢様が考案された爪用の塗料の件でしょう。王国中で大流行ですの」
「マジかしら!?」
ふたたび口が勝手に喋り出す。
なんなんだこの喋り方は。
「えぐすぎますわ。どのくらい売れたの?」
「皇后陛下がお召しになったらしく、商店は品切れ状態。貴族から平民、男性や老人に至るまで注文が殺到しておりますの」
「やばwwwしぬwww」
「死ぬ!?」
「ううん、死なない死なない(笑) てか爆益じゃね、ですわ? あたし、服は自分で選ぶから下がっていいよ」
「かしこまりました」
メイドが部屋から出て行く。
私がぽかんとしていると、体が勝手に動いて、ベッドから飛び降りた。
「よーし、今日も死亡エンド回避、がんばるぞ」
「あの……」
私が声を出すと、私の体がぎょっとしたように飛び上がった。
「え、誰? どこにいるの?」
「ここだよ、あなたと同じ体の中」
少女の口が、私の言葉ともう一人の言葉を同時に発する。
「もしかして……クララの体にあたし以外もう一人いる!?」
「そうみたい……」
「まじ? あんた、名前は?」
「雅……だけど」
「あたしは沙羅だよ。サラソウジュの沙羅」
かすかな記憶が湧き上がってくる。
この状況、知ってる。
数年前に読んだ漫画、『平成末期のJKですが、悪役令嬢に転生しました』の内容に酷似している。
内容はこうだ。
主人公であるギャルの沙羅は、落下してきた鉄骨に貫かれて、乙女ゲーム『フラグメント・オブ・ロマンス』の悪役令嬢・クララに転生してしまう。
クララはゲームのストーリーでは断罪されて死ぬ運命で、沙羅は志望エンドを回避するために、前世とゲームの知識を使って奮闘するという内容だ。
「え、まじ? てかどういうこと?」
私の考えていることは沙羅にも筒抜けのようだ。
「つまり、沙羅ちゃんがゲーム世界に転生したって事実自体が私の世界では漫画の話で、私は漫画のクララに転生したから、沙羅ちゃんと転生先が被っちゃったってこと」
「えーっと、わかったようなわからないような」
「沙羅ちゃんが生きていた世界は現実じゃなくて、漫画の世界だったんだよ。その外側にある私の世界が現実ってこと」
「んー、なるほど。でも、そうとも限らなくない?」
「え?」
沙羅があなたを見る。
「案外、雅ちゃんのいた世界も物語の中だったりして(笑)」
〈END〉
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