ラスボス召喚術で異世界最強~剣聖の家に生まれた最弱召喚士は前世の記憶を取り戻し無双する【完結済・毎日更新】

small wolf

文字の大きさ
19 / 121
第一章 少年期 ラスボス召喚編

第19話『デスロータル?』



『掟《ルール》の創造者、ルルルール・ルールルを憑依召喚してから24時間が経過しました。
 召喚が解除されます』


 そうして憑依召喚が解ける。

「ル? あらら、もうそんな時間ですか?」

『まさか最後まで休まずに魔物を狩るとは思わなかったわ……』

「ルー♪ 言ったでしょう? ルールルは尽くす女の子なのです。だからルゼルスちゃん? ラー君に私も永続召喚するようにってお願いしてくれないかな?」

『……まぁ、言うだけ言ってみるわ』

「ありがとー。それじゃあ、まったねー♪」


 そうしてルールルの憑依召喚が解け――――――俺の意識は覚醒した。


「………………」

『……大丈夫、ラース?』


 戻ってきた俺をルゼルスが心配してくれている。


「ル? ……じゃない。いや、一応大丈夫ではあるんだが――」


 ぽりぽりと頭を掻いて、先ほどまでの己の凶行を思い返す。
 その中で特に強く感じた事を――俺は一言だけ告げた。

「死ぬのって――――――すげぇ苦しいんだなぁ。出来れば一生、知りたくなかったぜ」


 体感時間にしておよそ数か月。その間、朧《おぼろ》げとはいえ、ルールルの感じた死ぬ苦しみを共有してしまった俺はそうぼやかずにはいられないのだった。


★ ★ ★


 ――早朝、冒険者ギルド

 俺はルールルが狩ってくれた魔物の部位を彼女が作った入れ物? に入れてギルドへと入った。

 すると――

「なんだか表が騒がしいな……。ってえぇ!? 魔物がなんでこんな場所に!?」

 一番に出迎えてくれたテラークさんに魔物扱いされてしまった。

「いや、俺ですよテラークさん。ラースです」

 このまま撃退されては敵わないので無害をアピールする俺。

「へ? あ、ああ。兄貴か……」

 そこでようやく拳を治めてくれるテラークさん。
 だが、その周囲に居る人たちは未だに俺に対して武器を構えていた。

 さて、なぜ俺がこんな魔物みたいな扱いを受けているかというと――

「しっかし兄貴どうしたんだよそれ……。全身真っ黒だけどそれ、まさか全部魔物の血か? ってか服はどうしたんだよ」


 そう――俺は事もあろうに真っ裸で全身に魔物の返り血を浴びた状態だったのだ。
 全身からは魔物くさい匂い。しかも色合いがどう見ても人間のものじゃない。初見の人間が俺を魔物と勘違いするのは無理ない事だった。

「返り血を浴びすぎちゃったんですよ。服は――――――なぜか素材の入れ物? になってました」

「入れ物って……うぉやべぇ!? なんだこのぐちゃぐちゃになってる魔物素材!? おい兄貴、こんなんじゃ仮に討伐証明にはなっても買い取ってなんかもらえねぇぜ?」

 俺の持つ入れ物? の中に詰めてある魔物の素材を見て驚愕の声を上げるテラークさん。そんなテラークさんが助言とばかりに苦言を呈する。

 それに対して俺は――

「だよねー」

 激しく同意した。

 入れ物? にごちゃごちゃと入っている魔物の素材。
 これはルールルが討伐した魔物の部位を適当に引きちぎって入れたものだ。
 
 こんな状態の素材をまともに買い取ってくれるところなんてないだろう。
 そもそも、これが魔物の討伐証明になるかすら怪しいものだ。

「しかし兄貴……その恰好、まるでどこぞの蛮族みたいですぜ?」
「うっせぇ。言われなくても分かってるよっ!」

 正直、俺だってこんな目立つ蛮族スタイルで歩きたくなかったのだ。
 歩きたくなかったのだが――仕方ないでしょう?

『あなたが目を覚ました時には既にその状態だったものね。本当、ご愁傷様《しゅうしょうさま》としか言えないわ。まぁ、ルールルにまともな魔物討伐が出来る訳がないから仕方ないわね』

 まぁ、それは確かに。
 むしろ、こうして雑ではあるけど討伐証明になるかもしれない? 程度に素材を集めて来てくれたことを感謝するべきだろう。
 服は入れ物にしてなかったとしても返り血だらけで着れたもんじゃなかっただろうからなぁ。

 ルールル、魔物に対してその身一つで返り血なんか全く気にせず戦ってたし。それを一日中続けてたらそりゃあ体は返り血だらけにもなるよ。


「それじゃあ俺はクエスト達成の報告をしてきますね。いやまぁ、ちゃんと達成扱いになるか分からんけど」
「じゃあ俺もついていきますよ兄貴。兄貴に伝えたい事もありましたしね。ついでにギルドの職員が文句けてきたら断固抗議してやるぁ」 
「うん、お願いだからやめろな?」

 俺を半ば神格化してるテラークに対し注意して俺は男のギルド職員にクエスト達成の報告をして魔物の素材(乱雑詰めセット)を職員に渡した。
 ちなみにそれを受け取った職員はかなり嫌そうな顔をしながら受け取っていたが、まぁ気にしないでおこう。

 そうして職員が魔物の素材を確認する間、テラークと話をする。

「それで、伝えたいことって?」

「ええ。兄貴に伝えなきゃって思った事なんですけどね? なんでもこの街に『デスロータル』の奴らが現れたらしいですよ?」

「ほう。……え? なにその『デスロータル』って?」

「そこからですかい!? ま、まぁいいや。『デスロータル』ってのはクソみたいな仕事を請け負う集団です。なんでも各国に根を伸ばし、暗殺から薬、奴隷売買まで行っているとか――」

「へー」

 まぁ、日本でいうヤクザ、マフィアみたいなものかな。

「それで? その『デスボーカル』さんがこの街に何しに来たの? しかも俺と関係なさそうなんだけど……」

「兄貴、『デスボーカル』じゃなくて『デスロータル』です。いや、それがですね? 奴ら、兄貴と似た名前をしているらしい『ラース・トロイメア』って奴を探しているみたいなんですよ」

 ………………俺やん。

『あなたね』

 俺に関係、滅茶苦茶ありました。
感想 0

あなたにおすすめの小説

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜

グリゴリ
ファンタジー
 木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。  SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。  祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。  恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。  蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。  そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。  隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。