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対峙
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これなら絶対に追いつかれる心配はない。
少し後ろからはイブの森を駆ける、静かな衣擦れの音が聞こえた。
時々方向を変えながら、少し走ったところだった。
仲間に知らせるためであろう。左前方から破裂するような大きな音と共に、煙が一瞬で上空まで立ち昇った。
「ばれた!」
レビが足を止める。
二人の男が左から、真ん中の恵と司目掛けて突っ込んできたが、二人は司たちに届くことなく、足元からぐるぐると木が巻きついて、拘束された。
レビの能力だ。
「右1人!」
レビが叫ぶ。
恵も足を止め、僕を降ろすと、迫って来た男をガードをごと蹴り飛ばした。
男は吹っ飛び、木にぶつかって意識を失った。木はメキメキと音を立て根元から折れて、音を立てながらゆっくりと倒れた。
「集まってくんぞい!逃げ切れるかの。」
「駄目だ。ヴァリトラに追いつかれる。」
レビはそう言って、少し沈黙した。
「もう探知は必要ない。とにかく走れ。俺が殿(シンガリ)だ。」
「でも…。」
恵が心配そうに、何かを言いかける。
「俺なら大丈夫。早く!」
レビがここに残ることを聞き、イブは手に抱えていた全てのぬいぐみを急いで地面に置いた。
「イブ!それはお前たちで使え!」
「イヤ!!」
イブは目を閉じて、頑なに首を横に振った。
「…いつも意見なんか言わないくせに。」
レビはザッと黒い革靴で踵を返し、敵の方角を向いた。
「…ありがとな。」
「行くぞい!」
イブが左、デン爺が右に平行し、恵は司を背負って再び走り出した。
間も無く、文字通り火の玉となり、物凄い勢いでレビの前にヴァリトラが現れた。
デカイ。
2メートルはあろう巨体は、バリバリと炎を纏っている。
周りの木々を焼き枯らしながら、ヴァリトラは叫んだ。
「ノルンを渡せ!!」
「ちっとはクールになれよ。」
レビは笑って茶化した。
少し後ろからはイブの森を駆ける、静かな衣擦れの音が聞こえた。
時々方向を変えながら、少し走ったところだった。
仲間に知らせるためであろう。左前方から破裂するような大きな音と共に、煙が一瞬で上空まで立ち昇った。
「ばれた!」
レビが足を止める。
二人の男が左から、真ん中の恵と司目掛けて突っ込んできたが、二人は司たちに届くことなく、足元からぐるぐると木が巻きついて、拘束された。
レビの能力だ。
「右1人!」
レビが叫ぶ。
恵も足を止め、僕を降ろすと、迫って来た男をガードをごと蹴り飛ばした。
男は吹っ飛び、木にぶつかって意識を失った。木はメキメキと音を立て根元から折れて、音を立てながらゆっくりと倒れた。
「集まってくんぞい!逃げ切れるかの。」
「駄目だ。ヴァリトラに追いつかれる。」
レビはそう言って、少し沈黙した。
「もう探知は必要ない。とにかく走れ。俺が殿(シンガリ)だ。」
「でも…。」
恵が心配そうに、何かを言いかける。
「俺なら大丈夫。早く!」
レビがここに残ることを聞き、イブは手に抱えていた全てのぬいぐみを急いで地面に置いた。
「イブ!それはお前たちで使え!」
「イヤ!!」
イブは目を閉じて、頑なに首を横に振った。
「…いつも意見なんか言わないくせに。」
レビはザッと黒い革靴で踵を返し、敵の方角を向いた。
「…ありがとな。」
「行くぞい!」
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間も無く、文字通り火の玉となり、物凄い勢いでレビの前にヴァリトラが現れた。
デカイ。
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