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16.僕は

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僕はまたスタスタと闘技場の外へと向かって歩きだす。

「おいっ!待ってくれ!」
スナイフが呼び止めるが、僕は足を止めない。

殺気を感じる。振り向こうかと一瞬躊躇うが、そのまま歩き続ける。

最初に槍を持ち僕が後方へと投げ飛ばした兎は、ムクッと起き上がると、スナイフに向かって槍を突き出した。
スナイフは気配に気がつき辛うじて槍を交すと、懐に潜り込み兎を斬った。

スナイフは兎が再び倒れたことを確認すると僕の背に向けて言った。
「ありがとう!勇者!」

僕は背を向けたままボソッと呟いた。
「僕は……魔王だ。」

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