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21.空中戦

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聳え立つ城から、3つの黒点が空中へと飛び出てきた。
僕はその姿をしっかりと視認する。
ドラゴンライダー達だ。しかし、兎が跨っているのは先ほどのミニドラゴンとは違う。兎が乗っているのはレッドドラゴン。大きい。レッドドラゴンは、堂々と拡げた翼と鋭い眼光で僕を威嚇する。

ドラゴンライダー達は遠い位置からフレアを唱え、大玉の火炎球を放ってくるが、僕は難なくそれをかわす。様子見だろう。
御返しに右手の平から、先程ミニドラゴン達を一瞬で片付けた黒い光を放つ。しかし、レッドドラゴンは体に合わない身のこなしとスピードでそれを見事にかわした。

僕とドラゴン達の距離が狭まる。次に仕掛けたのはドラゴンライダーだ。1匹のドラゴンライダーがフレアの上位呪文、ギガフレアを唱える。
素早く強力なマグマのような火柱を放つが、僕は翼を振り抜き、更に上空へと昇ってそれをかわす。それでも高温の熱風が上空に上がった僕を襲う。
避けた場所を狙って、残り2匹が同時にギガフレアを放つ。
僕は咄嗟に今度は翼ではなく、衝撃波を右に放つことで回避する。
しかし、回避した先を目掛けて、最初の1匹のレッドドラゴンが距離を詰めていた。口から灼熱の火炎を吐きだし、僕はその直撃を受けてしまう。

僕の背からは魔力の翼が消え、地面へと落下していった。
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