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28.言葉
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僕はラドの話を聞き終わると、休むための寝床を借りる。力のコントロールにはまず休息が必要だ。相変わらず全く疲れは感じないが、レッドドラゴンの灼熱の炎によるダメージは確実に受けている。
毛布に包り僕は目を閉じる。張り詰めていた緊張の糸が僅かにほぐれる。
その時、昨晩のスナイフの言葉が何故か僕の頭に浮かんでくる。
「最後の晩だ。檻の中で出来ることは少ない。おまえは何を思い。そして最後に何を考える。」
10分程目を閉じていると、地上から微かに無数の足音が聞こえてきた。足音はまだ遠いが、正確にこちらへと徐々に近づいてくる。どうやら匂いを追跡し、足取りを追われているようだ。
僕は閉じていた目をゆっくりと開けると、ラド達に気がつかれぬように密かに穴を登って外へと出る。穴の外へ出ると神経を集中するため目を閉じて気配を察し、足音の方角を今一度確認する。北北西。僕はその方角へと駆ける。
その時、僕は兎達の足音に集中して気が付かなかった。樹上でミレが気配を殺し、僕の様子を窺っていたことに。
毛布に包り僕は目を閉じる。張り詰めていた緊張の糸が僅かにほぐれる。
その時、昨晩のスナイフの言葉が何故か僕の頭に浮かんでくる。
「最後の晩だ。檻の中で出来ることは少ない。おまえは何を思い。そして最後に何を考える。」
10分程目を閉じていると、地上から微かに無数の足音が聞こえてきた。足音はまだ遠いが、正確にこちらへと徐々に近づいてくる。どうやら匂いを追跡し、足取りを追われているようだ。
僕は閉じていた目をゆっくりと開けると、ラド達に気がつかれぬように密かに穴を登って外へと出る。穴の外へ出ると神経を集中するため目を閉じて気配を察し、足音の方角を今一度確認する。北北西。僕はその方角へと駆ける。
その時、僕は兎達の足音に集中して気が付かなかった。樹上でミレが気配を殺し、僕の様子を窺っていたことに。
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