583 / 606
最終章 木こりと騎士は……
第548話 ノルベルト・インベック⑥
しおりを挟む
※ノルベルト視点です。
「確かに、闇魔法使いは同じ闇魔法使いに対して、闇魔法をかけることは出来ない」
「なら……!」
「だがそれは、両者が同じくらいの魔力量だった場合だろ?」
「えっ?」
「っ!?」
俺の言っている意味が分からず、眉を顰めている弟の隣で、顔を真っ青にしている親父。
どうやら、親父は知っていたらしい。
だからこそ、俺を外に出したのだろう。
そう、基本的に闇魔法使いは同じ闇魔法使いに対して、闇魔法をかけることは出来ない。
なにせ、闇魔法自体に耐性を持っているのだから。
しかし、それは両者が同等の魔力量を持っている場合の話だ。
つまり……
「俺はこのインベック家で一番魔力量が多い! だから、てめぇらに闇魔法をかけられるんだよ!」
「貴様――!」
ギャハハハッ! 今更嘆き喚こうがもう遅い!
俺は、この時のためにずっと魔力量を増やす訓練をしていたのだから!
声を荒らげて悔しがる顔の親父を見て、優越感に浸った俺は未だに状況が分かっていない愚弟に視線を移す。
こいつは俺と違い、親父から信頼されていて、学園では常に主席だ。
本当、ムカつくやつ。
でも、それもこれで終わりだ。
「お前は分かっていないようだから説明してやる。お前は親父から結界の管理を任されることになる」
「それが何?」
「つまり、今のお前は俺の知らない結界に関する知識があるはず」
「っ! まさか……」
ようやく理解したのか、愚弟の顔がみるみる青ざめる。
「そうだ! そのまさかだ! インベック家で1番の魔力量を誇る俺が、お前達を俺の駒にすれば、結界ごと奪うだけでなく、お前達に結界の管理を押し付けることが出来る!」
「兄さん、貴方って人は!!」
激昂した愚弟が親父と共に俺に掴みかかろうとした。
だが、それよりも早く俺が今日のために溜めに貯めた魔力で強力な改竄魔法を放つ。
その瞬間、2人の目からハイライトが失われ、動きが止まった。
「ギャハハハハッ! ついに、ついに俺が! 正真正銘インベック家の当主だ――!!」
屋敷に響く俺の高笑い。
ここからだ。ここから、俺の世界征服が本格的に始まるんだ!
「さて、手始めに国王に挨拶にでも行こう。ついでに、あの憎き『帝国の死神』から全てを取り返してやる!」
300年前、改竄魔法をろくに使えなかった先代のせいで本来、俺に与えられるべき地位も名誉も全て帝国の悪魔に奪われた。
だが、改竄魔法を完璧に使える俺の手にかかれば、悪魔から取り戻すことか出来る!
その後、騒ぎを聞きつけたおふくろや使用人、貴族達を一人残らず傀儡にした俺は、親父の記憶干渉魔法を使い、愚弟が持っている結界に関する知識を手に入れる。
そして、入手した結界に関する知識をもとに、転移魔法の魔道具を使い、結界を維持している魔法陣全てを回り、最後にサザランス公爵家近くの森に転移すると森の茂みからサザランス公爵家を見つめる。
広大で立派な屋敷には、帝国の悪魔の血を受け継ぐ奴らが仲良く剣や魔法の鍛錬をしていた。
ムカつく。本当にムカつく。だが、それも今日までだ。
「明日にはあの場所も俺のものになる。そして、いずれは……」
あぁ、明日が楽しみだ。楽しみ過ぎる。
「あとは、王城の地下にある魔法陣だけだが……それは明日行こう」
どうせ俺のものになるのだから。
ニヤリと笑みを浮かべた俺は、転移魔法で屋敷に戻ると明日に備えて休んだ。
◇◇◇◇◇
「貴様、何して……うぐっ!」
インベック家を継いで翌日。
夜も明けないうちに王城を訪れた俺は、目につく奴らに片っ端から改竄魔法をかけて俺の傀儡にする。
途中で、屈強な騎士達に何度か襲われそうになったが、改竄魔法にかかればあっという間に大人しくなった。
フッ、今の俺に適う奴なんてどこにもいねぇんだよ。
そして、王族が住む王宮にずかずかと入った俺は、なぜか不在だった第一王子を除く王族全員を傀儡にした。
どうしていなかったのか分からないが……まぁいい。
どうせ、俺の傀儡にすれば済む話なのだから。
「あとは、悪魔だけだな」
すると、寝室に押し入られ、改竄魔法にかけられて苦しんでいる国王が俺を睨みつける
「ノルベルト・インベック。覚えてろ。必ず、必ずお前からこの国を取り、返え……」
顔を歪めた国王が負け惜しみを言っている。
フッ、実に愉快だ。
目にハイライトを失った国王を見て、愉悦に浸った俺は、意気揚々と王城を後にしようとした。
その時、王城の入口で俺の傀儡になった騎士に取り押さえられている2人の男を目にした。
その瞬間、俺は歓喜に満ち溢れた。
「確かに、闇魔法使いは同じ闇魔法使いに対して、闇魔法をかけることは出来ない」
「なら……!」
「だがそれは、両者が同じくらいの魔力量だった場合だろ?」
「えっ?」
「っ!?」
俺の言っている意味が分からず、眉を顰めている弟の隣で、顔を真っ青にしている親父。
どうやら、親父は知っていたらしい。
だからこそ、俺を外に出したのだろう。
そう、基本的に闇魔法使いは同じ闇魔法使いに対して、闇魔法をかけることは出来ない。
なにせ、闇魔法自体に耐性を持っているのだから。
しかし、それは両者が同等の魔力量を持っている場合の話だ。
つまり……
「俺はこのインベック家で一番魔力量が多い! だから、てめぇらに闇魔法をかけられるんだよ!」
「貴様――!」
ギャハハハッ! 今更嘆き喚こうがもう遅い!
俺は、この時のためにずっと魔力量を増やす訓練をしていたのだから!
声を荒らげて悔しがる顔の親父を見て、優越感に浸った俺は未だに状況が分かっていない愚弟に視線を移す。
こいつは俺と違い、親父から信頼されていて、学園では常に主席だ。
本当、ムカつくやつ。
でも、それもこれで終わりだ。
「お前は分かっていないようだから説明してやる。お前は親父から結界の管理を任されることになる」
「それが何?」
「つまり、今のお前は俺の知らない結界に関する知識があるはず」
「っ! まさか……」
ようやく理解したのか、愚弟の顔がみるみる青ざめる。
「そうだ! そのまさかだ! インベック家で1番の魔力量を誇る俺が、お前達を俺の駒にすれば、結界ごと奪うだけでなく、お前達に結界の管理を押し付けることが出来る!」
「兄さん、貴方って人は!!」
激昂した愚弟が親父と共に俺に掴みかかろうとした。
だが、それよりも早く俺が今日のために溜めに貯めた魔力で強力な改竄魔法を放つ。
その瞬間、2人の目からハイライトが失われ、動きが止まった。
「ギャハハハハッ! ついに、ついに俺が! 正真正銘インベック家の当主だ――!!」
屋敷に響く俺の高笑い。
ここからだ。ここから、俺の世界征服が本格的に始まるんだ!
「さて、手始めに国王に挨拶にでも行こう。ついでに、あの憎き『帝国の死神』から全てを取り返してやる!」
300年前、改竄魔法をろくに使えなかった先代のせいで本来、俺に与えられるべき地位も名誉も全て帝国の悪魔に奪われた。
だが、改竄魔法を完璧に使える俺の手にかかれば、悪魔から取り戻すことか出来る!
その後、騒ぎを聞きつけたおふくろや使用人、貴族達を一人残らず傀儡にした俺は、親父の記憶干渉魔法を使い、愚弟が持っている結界に関する知識を手に入れる。
そして、入手した結界に関する知識をもとに、転移魔法の魔道具を使い、結界を維持している魔法陣全てを回り、最後にサザランス公爵家近くの森に転移すると森の茂みからサザランス公爵家を見つめる。
広大で立派な屋敷には、帝国の悪魔の血を受け継ぐ奴らが仲良く剣や魔法の鍛錬をしていた。
ムカつく。本当にムカつく。だが、それも今日までだ。
「明日にはあの場所も俺のものになる。そして、いずれは……」
あぁ、明日が楽しみだ。楽しみ過ぎる。
「あとは、王城の地下にある魔法陣だけだが……それは明日行こう」
どうせ俺のものになるのだから。
ニヤリと笑みを浮かべた俺は、転移魔法で屋敷に戻ると明日に備えて休んだ。
◇◇◇◇◇
「貴様、何して……うぐっ!」
インベック家を継いで翌日。
夜も明けないうちに王城を訪れた俺は、目につく奴らに片っ端から改竄魔法をかけて俺の傀儡にする。
途中で、屈強な騎士達に何度か襲われそうになったが、改竄魔法にかかればあっという間に大人しくなった。
フッ、今の俺に適う奴なんてどこにもいねぇんだよ。
そして、王族が住む王宮にずかずかと入った俺は、なぜか不在だった第一王子を除く王族全員を傀儡にした。
どうしていなかったのか分からないが……まぁいい。
どうせ、俺の傀儡にすれば済む話なのだから。
「あとは、悪魔だけだな」
すると、寝室に押し入られ、改竄魔法にかけられて苦しんでいる国王が俺を睨みつける
「ノルベルト・インベック。覚えてろ。必ず、必ずお前からこの国を取り、返え……」
顔を歪めた国王が負け惜しみを言っている。
フッ、実に愉快だ。
目にハイライトを失った国王を見て、愉悦に浸った俺は、意気揚々と王城を後にしようとした。
その時、王城の入口で俺の傀儡になった騎士に取り押さえられている2人の男を目にした。
その瞬間、俺は歓喜に満ち溢れた。
5
あなたにおすすめの小説
追放された落ちこぼれ令嬢ですが、氷血公爵様と辺境でスローライフを始めたら、天性の才能で領地がとんでもないことになっちゃいました!!
六角
恋愛
「君は公爵夫人に相応しくない」――王太子から突然婚約破棄を告げられた令嬢リナ。濡れ衣を着せられ、悪女の烙印を押された彼女が追放された先は、"氷血公爵"と恐れられるアレクシスが治める極寒の辺境領地だった。
家族にも見捨てられ、絶望の淵に立たされたリナだったが、彼女には秘密があった。それは、前世の知識と、誰にも真似できない天性の《領地経営》の才能!
「ここなら、自由に生きられるかもしれない」
活気のない領地に、リナは次々と革命を起こしていく。寂れた市場は活気あふれる商業区へ、痩せた土地は黄金色の麦畑へ。彼女の魔法のような手腕に、最初は冷ややかだった領民たちも、そして氷のように冷たいはずのアレクシスも、次第に心を溶かされていく。
「リナ、君は私の領地だけの女神ではない。……私だけの、女神だ」
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
【完結】捨てられた皇子の探し人 ~偽物公女は「大嫌い」と言われても殿下の幸せを願います~
ゆきのひ
恋愛
二度目の人生は、前世で慕われていた皇子から、憎悪される運命でした…。
騎士の家系に生まれたリュシー。実家の没落により、生きるために皇宮のメイドとなる。そんなリュシーが命じられたのは、廃屋同然の離宮でひっそりと暮らすセレスティアン皇子の世話係。
母を亡くして後ろ盾もなく、皇帝に冷遇されている幼い皇子に心を寄せたリュシーは、皇子が少しでも快適に暮らしていけるよう奮闘し、その姿に皇子はしだいに心開いていく。
そんな皇子との穏やかな日々に幸せを感じていたリュシーだが、ある日、毒を盛られて命を落とした……はずが、目を開けると、公爵令嬢として公爵家のベッドに横たわっていた。けれどその令嬢は、リュシーの死に因縁のある公爵の一人娘……。
望まぬ形で二度目の生を享けたリュシーと、その死に復讐を誓った皇子が、本当に望んでいた幸せを手に入れるまでのお話。
※本作は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さんにも投稿しています。
※表紙画像はAIで作成したものです
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる