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第3章 木こりは距離を縮め、宮廷魔法師は陥れられる
第148話 宮廷魔法師団
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「はぁぁぁ~、疲れたぁ」
予定時間よりも大幅に会議が長引いただけでなく、書記役と一緒に今日の会議についての報告書を纏めたカトレアは、執務室に戻ると誰もいないことを良いことに盛大な溜息をつく。
そして座り心地の良い革張りの椅子に座ると、テオが綺麗に整理してくれた机の上に顔を突っ伏す。
(何だか、いつも以上に疲れたわ。それもこれも……)
「あの子が来たからよ」
持って帰ってきた会議資料と報告書に顔を横に向けたカトレアは、会議中に起こったことを思い出して深く溜息をつく。
◇◇◇◇◇
――それは、会議も終わりに差し掛かった頃だった。
ダリアの理不尽なお願い事などすっかり忘れていたカトレアは、広々とした会議室の後ろの方で真剣に会議に参加していた。
(今回の議題は、宮廷魔法師団内でも王国騎士団と同じように『近衛魔法部隊』『第一魔法師部隊』『第二魔法師部隊』と部隊を分け、王都に密集している宮廷魔法師を王国全土に配置することで王国の防衛強化を図ろうとしていることについて。当然、王都に憧れを抱く魔法師達から反対意見が出て会議は白熱した。けれど……)
会議資料にメモをしながら、カトレアは一番まで議題について説明する宮廷魔法師団団長に目を向ける。
「確かに、王族達が住まう王都の防衛を強化するのは当然のことである」
「でしたら……!」
「だが、先程も言ったが、近年の我が国における魔物発生率を鑑みると、明らかに増加傾向である。それに伴い、各地での魔物の被害も深刻なものになってきている。これを見過ごしては、例え王都を守れたとしても、魔物により我が国の国土が小さくなったことで、国としての存続が危うくなる」
「い、言われてみれば……」
紛れもない事実を改めて突きつけられ、反対意見を出した宮廷魔法師が口を閉ざす。
それを見た宮廷魔法師団団長ルベルは、会議に参加している部下達に改めて訴える。
「知っているとは思うが、魔物を倒すためには剣か魔法を使わなければならない。そして、我々と同じく国防を担っている王国騎士団は、剣に特化しているためあまり魔法が得意ではない。故に……」
反対意見を出した宮廷魔法師を一瞥したルベルは、威厳のある声で最後の一押しをする。
「魔法に特化している我々宮廷魔法師団も、王都から王国全土に派遣する形から、王国各地に常駐する形を取らなくてはならない!」
毅然とした態度のルベルから言われ、今の今まで反対していた部下達は全員口を閉ざすと悔しそうに俯いた。
(どうやら、これで決まりみたいね)
同僚達の落ち込んだ様子に、小さく笑みを浮かべたカトレアは視線をルベルに戻す。
「とはいえ、部隊編成や拠点場所の確保など、決めなければならないことが山積みである。だから、そこは皆や王国騎士団の意見を聞いて決めていきた……」
その時、重々しい雰囲気を会議室の扉が音を立てて開けられた。
バン!!
「失礼致します!」
「ダリア!?」
(どうして、ダリアがここに!? さっき、帰るって言ってなかった!?)
先程まで執務室で寛いでいた、親友の突然の乱入に驚いたカトレアは思わず立ち上がる。
すると、カトレアの方を見たダリアが不気味な笑みを浮かべる。
(何? 一体、何をしようというの!?)
ダリアの笑顔にカトレアが悪寒を覚えた時、ずかずかと会議室に入ってきたダリアにルベルが笑みを浮かべる。
「これはこれは、インベック公爵令嬢殿。『本日の会議に出席される』という話を部下から聞いておりませんが」
宰相家令嬢の登場にも一切応じないルベルが嫌味を言いつつ深々と頭を下げると、混乱していた宮廷魔法師達が団長を見て椅子から立ち上がるとダリアに向かって深々と頭を下げる。
それを見て、少しだけ気を良くしたダリアは、嫌味を言ったルベルの前に立つと挑発的な笑みを浮かべる。
「何? 宰相家令嬢である私が会議に参加して何か不都合でもあるのかしら?」
「不都合……そうですね、確かに、今後の宮廷魔法師団の方針をついて話し合う場に、宮廷魔法師でもないあなた様がいらっしゃると少々不都合かもしれないですね」
(さすが宮廷魔法師団団長。相手が宰相家令嬢でも容赦が無いわね)
ルベルの辛辣な言葉にカトレア以外の部下達が肝を冷やしている中、顔を上げたルベルが冷ややかな目を向けると、加虐的な笑みを浮かべたダリアは侍女に持ってこさせた扇子を広げて口元を覆い隠す。
「ふ~ん、宰相家令嬢に対してそんな口答えをするの?」
「口答えなんてそんな……私はただ、事実を申し上げただけですよ」
「そう。なら、この件は私が預かっても良いわよね?」
「……何のことでしょうか?」
僅かに眉を上げるルベルに、ダリアは嘲笑を浴びせる。
「とぼけないでよ。あなた達が長い時間、話し合っていたことについてよ」
そう言うと、ダリアは広げていた扇子を閉じて笑みを潜めると、会議に参加している宮廷魔法師達に向かって会議の結論を勝手に出す。
「つい先程、皆さんで話し合われていた『宮廷魔法師の王国全土の配置について』ですが……これは、宮廷魔法師団内の話し合いだけで決めるにはあまりにも大きすぎます! ですので、この一件は宰相家令嬢である私が預からせていただきます!」
予定時間よりも大幅に会議が長引いただけでなく、書記役と一緒に今日の会議についての報告書を纏めたカトレアは、執務室に戻ると誰もいないことを良いことに盛大な溜息をつく。
そして座り心地の良い革張りの椅子に座ると、テオが綺麗に整理してくれた机の上に顔を突っ伏す。
(何だか、いつも以上に疲れたわ。それもこれも……)
「あの子が来たからよ」
持って帰ってきた会議資料と報告書に顔を横に向けたカトレアは、会議中に起こったことを思い出して深く溜息をつく。
◇◇◇◇◇
――それは、会議も終わりに差し掛かった頃だった。
ダリアの理不尽なお願い事などすっかり忘れていたカトレアは、広々とした会議室の後ろの方で真剣に会議に参加していた。
(今回の議題は、宮廷魔法師団内でも王国騎士団と同じように『近衛魔法部隊』『第一魔法師部隊』『第二魔法師部隊』と部隊を分け、王都に密集している宮廷魔法師を王国全土に配置することで王国の防衛強化を図ろうとしていることについて。当然、王都に憧れを抱く魔法師達から反対意見が出て会議は白熱した。けれど……)
会議資料にメモをしながら、カトレアは一番まで議題について説明する宮廷魔法師団団長に目を向ける。
「確かに、王族達が住まう王都の防衛を強化するのは当然のことである」
「でしたら……!」
「だが、先程も言ったが、近年の我が国における魔物発生率を鑑みると、明らかに増加傾向である。それに伴い、各地での魔物の被害も深刻なものになってきている。これを見過ごしては、例え王都を守れたとしても、魔物により我が国の国土が小さくなったことで、国としての存続が危うくなる」
「い、言われてみれば……」
紛れもない事実を改めて突きつけられ、反対意見を出した宮廷魔法師が口を閉ざす。
それを見た宮廷魔法師団団長ルベルは、会議に参加している部下達に改めて訴える。
「知っているとは思うが、魔物を倒すためには剣か魔法を使わなければならない。そして、我々と同じく国防を担っている王国騎士団は、剣に特化しているためあまり魔法が得意ではない。故に……」
反対意見を出した宮廷魔法師を一瞥したルベルは、威厳のある声で最後の一押しをする。
「魔法に特化している我々宮廷魔法師団も、王都から王国全土に派遣する形から、王国各地に常駐する形を取らなくてはならない!」
毅然とした態度のルベルから言われ、今の今まで反対していた部下達は全員口を閉ざすと悔しそうに俯いた。
(どうやら、これで決まりみたいね)
同僚達の落ち込んだ様子に、小さく笑みを浮かべたカトレアは視線をルベルに戻す。
「とはいえ、部隊編成や拠点場所の確保など、決めなければならないことが山積みである。だから、そこは皆や王国騎士団の意見を聞いて決めていきた……」
その時、重々しい雰囲気を会議室の扉が音を立てて開けられた。
バン!!
「失礼致します!」
「ダリア!?」
(どうして、ダリアがここに!? さっき、帰るって言ってなかった!?)
先程まで執務室で寛いでいた、親友の突然の乱入に驚いたカトレアは思わず立ち上がる。
すると、カトレアの方を見たダリアが不気味な笑みを浮かべる。
(何? 一体、何をしようというの!?)
ダリアの笑顔にカトレアが悪寒を覚えた時、ずかずかと会議室に入ってきたダリアにルベルが笑みを浮かべる。
「これはこれは、インベック公爵令嬢殿。『本日の会議に出席される』という話を部下から聞いておりませんが」
宰相家令嬢の登場にも一切応じないルベルが嫌味を言いつつ深々と頭を下げると、混乱していた宮廷魔法師達が団長を見て椅子から立ち上がるとダリアに向かって深々と頭を下げる。
それを見て、少しだけ気を良くしたダリアは、嫌味を言ったルベルの前に立つと挑発的な笑みを浮かべる。
「何? 宰相家令嬢である私が会議に参加して何か不都合でもあるのかしら?」
「不都合……そうですね、確かに、今後の宮廷魔法師団の方針をついて話し合う場に、宮廷魔法師でもないあなた様がいらっしゃると少々不都合かもしれないですね」
(さすが宮廷魔法師団団長。相手が宰相家令嬢でも容赦が無いわね)
ルベルの辛辣な言葉にカトレア以外の部下達が肝を冷やしている中、顔を上げたルベルが冷ややかな目を向けると、加虐的な笑みを浮かべたダリアは侍女に持ってこさせた扇子を広げて口元を覆い隠す。
「ふ~ん、宰相家令嬢に対してそんな口答えをするの?」
「口答えなんてそんな……私はただ、事実を申し上げただけですよ」
「そう。なら、この件は私が預かっても良いわよね?」
「……何のことでしょうか?」
僅かに眉を上げるルベルに、ダリアは嘲笑を浴びせる。
「とぼけないでよ。あなた達が長い時間、話し合っていたことについてよ」
そう言うと、ダリアは広げていた扇子を閉じて笑みを潜めると、会議に参加している宮廷魔法師達に向かって会議の結論を勝手に出す。
「つい先程、皆さんで話し合われていた『宮廷魔法師の王国全土の配置について』ですが……これは、宮廷魔法師団内の話し合いだけで決めるにはあまりにも大きすぎます! ですので、この一件は宰相家令嬢である私が預からせていただきます!」
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