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第6章 待ち望んだ再会と星降る夜の語らい
第356話 メストの来訪
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「さて、お迎えをしましょうか」
カトレアとラピスを見送り、テーブルに置いてあるティーカップかお菓子を全て片付けたフリージアは、深くベレー帽を被り直して『平民カミル』に戻るとドアを開ける。
そこには、泊り用のカバンを持ったメストが、心配そうな顔でドアの傍に立っていた。
「お待たせ致しました。お迎えが遅くなってしまい申し訳ございません」
「いや、良いんだ。むしろ、突然訪ねてしまってすまなかった」
申し訳なさそうに頭を下げたメストは、カミルに不安げな目を向ける。
「いえ……それよりも、突然泊りに来るなんて珍しいですね。普段は、事前におっしゃっていただくではありませんか」
(生真面目なメスト様にしては珍しいことだわ)
休みの度に泊りに来ていたメストは、泊りに来る度に、次に泊りに来る日をカミルに伝えていた。
「あ、あぁ、まぁ、その、なんだ……いきなり大きな仕事を振られてしまってな。そのことで、カミルに急いで伝えなければならないことがあったんだよ」
「は、はぁ」
(平民である私にどうしても伝えたいこと? 一体何かしら?)
妙に歯切れが悪いメストに、カミルが内心不思議に思っていると、何かを思い出したメストが突然心配そうな目をカミルに向けた。
「それよりも大丈夫だったのか? 返事が無いかと思えば、カミルとは違う人物が返事をしたから」
「あ、あぁ……」
(本当に私とカトレアのことを見分けられたのね)
心配しつつも警戒心を露にするメストに、内心苦笑したカミルはいつものように淡々と答える。
「はい、少し部屋の片づけで立て込んでいましたので、いつもとは違う返事をしてしまったのかと」
「そうか、カミルがそう言うならそうなのだろう」
「…………」
(ごめんなさい、メスト様。今のあなた様はノルベルトの駒の1人だから、お父様と接触した2人に会ったことは言えないのです)
カミルからの説明に納得していないメストを見て、先程まで気兼ねなく話をしていた2人のことを思い出し、少しだけ罪悪感を覚えつつ、カミルはメストを中に入れる。
「一先ず、家に入ってください。とは言っても、掃除に夢中になっていたせいで、まだ夕食やお風呂の準備をしていませんので、時間がかかってしまいますが」
申し訳なさそうに言うカミルに、家に上がったメストが優しく微笑みかける。
「それなら、俺が風呂掃除をしよう」
「ですが、あなた様は今日、騎士としてのお仕事がありましたからお疲れなのでは?」
「今日は、書類の整理だけだったから大して疲れていない。それに、カミルだって木こりの仕事があったのだから、むしろ疲れているのはカミルの方じゃないか?」
「っ!」
(もう、どうしてこの人はそうやって私を甘やかすのかしら! そんな笑顔でそんなこと言われたら勘違いしちゃうじゃない!)
労をねぎらうように優しく微笑むメストに、少しだけ頬を赤らめたカミルは、胸の高鳴りを誤魔化すように咳払いをすると無表情に戻した。
「そ、そうですね。それでは、お願いします」
「あぁ、任せとけ!」
満面の笑みを浮かべるメストを一瞥し、気づかれないように小さく溜息をついたカミルがキッチンに向かった時、何かを感じたメストが顔を顰める。
「それにしても、部屋に漂う魔力がいつもより多いな。そんなに念入りに掃除をしたのか?」
「っ!?」
(それ、もしかしなくても掃除魔法の後に使った転移魔法の魔力よね!?)
不思議そうに部屋を見回すメストを他所に、僅かに肩を震わせたカミルは感情を表に出さない声で淡々と嘘を並べた。
「えぇ、まぁ。それなりに汚いところが多かったもので」
「そうか」
そう言って、メストは部屋の隅にあった魔石で動く掃除機を手に取る。
それを見たカミルは、嘘がバレると思い、内心慌てふためきながら、無表情でメストに仕事を振った。
「それでは、部屋に荷物を置いたらお風呂掃除をお願いします」
「あぁ、任せておいてくれ!」
仕事を任されたメストは、掃除機を元の場所に戻すと、泊っている部屋に急いで荷物を置きに行った。
カトレアとラピスを見送り、テーブルに置いてあるティーカップかお菓子を全て片付けたフリージアは、深くベレー帽を被り直して『平民カミル』に戻るとドアを開ける。
そこには、泊り用のカバンを持ったメストが、心配そうな顔でドアの傍に立っていた。
「お待たせ致しました。お迎えが遅くなってしまい申し訳ございません」
「いや、良いんだ。むしろ、突然訪ねてしまってすまなかった」
申し訳なさそうに頭を下げたメストは、カミルに不安げな目を向ける。
「いえ……それよりも、突然泊りに来るなんて珍しいですね。普段は、事前におっしゃっていただくではありませんか」
(生真面目なメスト様にしては珍しいことだわ)
休みの度に泊りに来ていたメストは、泊りに来る度に、次に泊りに来る日をカミルに伝えていた。
「あ、あぁ、まぁ、その、なんだ……いきなり大きな仕事を振られてしまってな。そのことで、カミルに急いで伝えなければならないことがあったんだよ」
「は、はぁ」
(平民である私にどうしても伝えたいこと? 一体何かしら?)
妙に歯切れが悪いメストに、カミルが内心不思議に思っていると、何かを思い出したメストが突然心配そうな目をカミルに向けた。
「それよりも大丈夫だったのか? 返事が無いかと思えば、カミルとは違う人物が返事をしたから」
「あ、あぁ……」
(本当に私とカトレアのことを見分けられたのね)
心配しつつも警戒心を露にするメストに、内心苦笑したカミルはいつものように淡々と答える。
「はい、少し部屋の片づけで立て込んでいましたので、いつもとは違う返事をしてしまったのかと」
「そうか、カミルがそう言うならそうなのだろう」
「…………」
(ごめんなさい、メスト様。今のあなた様はノルベルトの駒の1人だから、お父様と接触した2人に会ったことは言えないのです)
カミルからの説明に納得していないメストを見て、先程まで気兼ねなく話をしていた2人のことを思い出し、少しだけ罪悪感を覚えつつ、カミルはメストを中に入れる。
「一先ず、家に入ってください。とは言っても、掃除に夢中になっていたせいで、まだ夕食やお風呂の準備をしていませんので、時間がかかってしまいますが」
申し訳なさそうに言うカミルに、家に上がったメストが優しく微笑みかける。
「それなら、俺が風呂掃除をしよう」
「ですが、あなた様は今日、騎士としてのお仕事がありましたからお疲れなのでは?」
「今日は、書類の整理だけだったから大して疲れていない。それに、カミルだって木こりの仕事があったのだから、むしろ疲れているのはカミルの方じゃないか?」
「っ!」
(もう、どうしてこの人はそうやって私を甘やかすのかしら! そんな笑顔でそんなこと言われたら勘違いしちゃうじゃない!)
労をねぎらうように優しく微笑むメストに、少しだけ頬を赤らめたカミルは、胸の高鳴りを誤魔化すように咳払いをすると無表情に戻した。
「そ、そうですね。それでは、お願いします」
「あぁ、任せとけ!」
満面の笑みを浮かべるメストを一瞥し、気づかれないように小さく溜息をついたカミルがキッチンに向かった時、何かを感じたメストが顔を顰める。
「それにしても、部屋に漂う魔力がいつもより多いな。そんなに念入りに掃除をしたのか?」
「っ!?」
(それ、もしかしなくても掃除魔法の後に使った転移魔法の魔力よね!?)
不思議そうに部屋を見回すメストを他所に、僅かに肩を震わせたカミルは感情を表に出さない声で淡々と嘘を並べた。
「えぇ、まぁ。それなりに汚いところが多かったもので」
「そうか」
そう言って、メストは部屋の隅にあった魔石で動く掃除機を手に取る。
それを見たカミルは、嘘がバレると思い、内心慌てふためきながら、無表情でメストに仕事を振った。
「それでは、部屋に荷物を置いたらお風呂掃除をお願いします」
「あぁ、任せておいてくれ!」
仕事を任されたメストは、掃除機を元の場所に戻すと、泊っている部屋に急いで荷物を置きに行った。
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