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第7章 余興と奇貨の建国祭
第403話 建国祭の朝
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ドンドンドン!!
夜の帳が朝の光が差し、一日の始まりを告げる太陽が、澄み渡る青空を照らした時、ペトロート王国の建国を祝砲があがる。
隣国フィアンツ帝国の次に長い歴史を持つペトロート王国は今日、建国を祝う年に一度の祭りが執り行われる。
そして、このめでたい日に300年前の過ちが再び繰り返されようとしていた。
「おはよう、メスト」
「おはよう、シトリン」
年に一度の行事が、まさか国の存亡をかけた大事な日になるとはつゆ知らず、陽が出ないうちから第四部隊の事務室に来て、自席で護衛計画の最終確認をしていたメスト。
そんな彼に、爽やかな笑みで入ってきたシトリンが険しい顔をしている親友に挨拶をする。
「早いな」
「まぁね、近衛騎士として初めてまともな任務に就くからかな。珍しく目が冴えちゃって。メストも似たようなもの?」
「そんなところだ」
手に持っている書類から顔を上げて苦笑するメストに、安堵の笑みを浮かべたシトリンは、ふと何かを思い出して笑みを潜める。
「……結局、ダリア嬢とは?」
「あぁ、王都での出来事があったあの日から会っていない」
王都でのダリアが大暴れし、それをカミルや正体を隠したラピスやメストがあの日。
メストはダリアから直接事情を聞こうと、王都で大暴れした翌日、久しぶりにダリアに手紙を送った。
だが、数日後に届いた手紙で『私は今、建国祭の準備で忙しいので会えません。あと、前にも言いましたが、二度と手紙を送って来ないでください。ハッキリ言って迷惑です。それと、建国祭の最後に行われる夜会に同行しないでください。婚約者とはいえ、侯爵令息と一緒だなんて恥ずかしいので』と婚約者とは思えない辛辣な返事が書かれていた。
(夜会のことまでは聞いていないのだが……まぁ、断れたのならば仕方ない)
婚約者からのあからさまな拒絶されたことを思い出し、再び苦笑するメストを見て、何となく察しがついたシトリンは呆れたように溜息をつく。
「まぁ、騎士のことを『野蛮』って蔑んでいた彼女のことだから、今になって騎士のメストが婚約者であることを恥ずかしく思ったんじゃない」
「そう、かもしれないな」
(前々から俺に『騎士を辞めて欲しい』としきりに言っていたし。それに……)
「最近では複数の令息達といかがわしい宿に入り浸っていると聞く」
「そうだね」
あの一件以来、メストは婚約者が仮面舞踏会の常連だったり、複数の貴族令息達といかがわしい宿に入り浸っていたりしているという話をシトリンからよく聞くようになった。
その話を聞くたびに、メストはダリアに対して好意が冷めていった。
「ねぇ、この際、不仲とあちらの浮気を理由にこちらから婚約破棄を申し出すれば?」
「シトリン……」
「冗談だよ。侯爵家が公爵家に婚約破棄を申し出るなんて無理なのは分かっているから」
「…………」
(普段は人の事情に首を突っ込まないシトリンの口から『婚約破棄』という言葉が出るとは……まぁ、マヤ嬢の一件以来、シトリンはダリアに対して嫌悪を抱くようになったからな)
王都で婚約者のマヤがダリアに襲われたと知ってから、ダリアに対して嫌悪を抱いたシトリンは、事あるごとにダリアに対して棘のある嫌味を口にするようになった。
それだけでなく、王都での哨戒任務にダリアを見かける度に、シトリンはダリアが見ていないことを良いことに、ダリアに向かって強い殺気を放つようになった。
それも、魔物討伐以上に強い殺気である。
その度にメストは、隣でシトリンを宥めている。
そのお陰か、当のダリアに気づかれることは全くなかった。
夜の帳が朝の光が差し、一日の始まりを告げる太陽が、澄み渡る青空を照らした時、ペトロート王国の建国を祝砲があがる。
隣国フィアンツ帝国の次に長い歴史を持つペトロート王国は今日、建国を祝う年に一度の祭りが執り行われる。
そして、このめでたい日に300年前の過ちが再び繰り返されようとしていた。
「おはよう、メスト」
「おはよう、シトリン」
年に一度の行事が、まさか国の存亡をかけた大事な日になるとはつゆ知らず、陽が出ないうちから第四部隊の事務室に来て、自席で護衛計画の最終確認をしていたメスト。
そんな彼に、爽やかな笑みで入ってきたシトリンが険しい顔をしている親友に挨拶をする。
「早いな」
「まぁね、近衛騎士として初めてまともな任務に就くからかな。珍しく目が冴えちゃって。メストも似たようなもの?」
「そんなところだ」
手に持っている書類から顔を上げて苦笑するメストに、安堵の笑みを浮かべたシトリンは、ふと何かを思い出して笑みを潜める。
「……結局、ダリア嬢とは?」
「あぁ、王都での出来事があったあの日から会っていない」
王都でのダリアが大暴れし、それをカミルや正体を隠したラピスやメストがあの日。
メストはダリアから直接事情を聞こうと、王都で大暴れした翌日、久しぶりにダリアに手紙を送った。
だが、数日後に届いた手紙で『私は今、建国祭の準備で忙しいので会えません。あと、前にも言いましたが、二度と手紙を送って来ないでください。ハッキリ言って迷惑です。それと、建国祭の最後に行われる夜会に同行しないでください。婚約者とはいえ、侯爵令息と一緒だなんて恥ずかしいので』と婚約者とは思えない辛辣な返事が書かれていた。
(夜会のことまでは聞いていないのだが……まぁ、断れたのならば仕方ない)
婚約者からのあからさまな拒絶されたことを思い出し、再び苦笑するメストを見て、何となく察しがついたシトリンは呆れたように溜息をつく。
「まぁ、騎士のことを『野蛮』って蔑んでいた彼女のことだから、今になって騎士のメストが婚約者であることを恥ずかしく思ったんじゃない」
「そう、かもしれないな」
(前々から俺に『騎士を辞めて欲しい』としきりに言っていたし。それに……)
「最近では複数の令息達といかがわしい宿に入り浸っていると聞く」
「そうだね」
あの一件以来、メストは婚約者が仮面舞踏会の常連だったり、複数の貴族令息達といかがわしい宿に入り浸っていたりしているという話をシトリンからよく聞くようになった。
その話を聞くたびに、メストはダリアに対して好意が冷めていった。
「ねぇ、この際、不仲とあちらの浮気を理由にこちらから婚約破棄を申し出すれば?」
「シトリン……」
「冗談だよ。侯爵家が公爵家に婚約破棄を申し出るなんて無理なのは分かっているから」
「…………」
(普段は人の事情に首を突っ込まないシトリンの口から『婚約破棄』という言葉が出るとは……まぁ、マヤ嬢の一件以来、シトリンはダリアに対して嫌悪を抱くようになったからな)
王都で婚約者のマヤがダリアに襲われたと知ってから、ダリアに対して嫌悪を抱いたシトリンは、事あるごとにダリアに対して棘のある嫌味を口にするようになった。
それだけでなく、王都での哨戒任務にダリアを見かける度に、シトリンはダリアが見ていないことを良いことに、ダリアに向かって強い殺気を放つようになった。
それも、魔物討伐以上に強い殺気である。
その度にメストは、隣でシトリンを宥めている。
そのお陰か、当のダリアに気づかれることは全くなかった。
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