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第7章 余興と奇貨の建国祭
第429話 実力差
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建国祭の始まりを告げる祝砲が鳴り、レクシャ達のペトロート王国奪還作戦が始まった頃、王都から遥か東の森の奥深くにある魔法陣には、ノルベルトに命じられ、第二騎士団から強引に役目を奪った第一騎士団の騎士達が警備をしていた。
「あ~、俺も建国祭行きたかったなぁ」
「仕方ねぇだろ? 俺たちにはノルベルト様から与えられた任務があるから」
「そうだよなぁ」
暇そうにしている彼らは、この魔法陣が本来、国土を覆う結界魔法を張る時に使われる魔法陣であることも、それが今、ノルベルトが国土に改竄魔法をかける際に使っていることも知らない。
そんな彼らは今、面倒くさそうな顔であくびをしながら漆黒に染まった魔法陣を守っていた。
「あ~あ、王都にいたら今頃、俺はダリア様と遊んでいたんだろうな」
「俺も。一昨日、『建国祭という面倒臭い行事が終わったらみんなで遊びましょ♪』って誘ってくれたから」
「おいおい、宰相家の娘が『建国祭』を『面倒臭い行事』なんて言ったのかよ」
「まぁ、あの方には建国祭のような格式ばったところより、夜会のような華やかな場所がお似合いなのだろうよ」
主に王都の警備を任されている第一騎士団に所属している彼らは、全員がダリアに誘われて一夜の戯れを何度も楽しんでいた。
そのため、ダリアの父であるノルベルトの改竄魔法の影響がそれなりに大きい。
もちろん、そんなことを彼らが知る由もない。
だから、彼らもこの建国祭が『国の行く末を左右する』とは思っていないだろう。
だが、その時は突然訪れてしまった。
「おい、森の奥から何かが近づいてくる!」
「なにっ!」
森の奥から気配を感じた騎士が、隣にいたもう1人の騎士に声をかけると剣を構える。
そして、もう1人の騎士が通信魔法で他の騎士達に緊急事態を知らせた時、森の向こうから外蓑に身を包んだ一団が現れる。
「な、なんだ! 貴様たちは! ここは神聖な場所であらせられるぞ!」
魔法陣の守りを一任され、部下に魔法陣の見張りを丸投げして安全な場所で酒を飲んでいた部隊長が、部下からの報告を聞いて慌てて部下達の前に現れると、威厳のある言い方で森から現れた一団を威圧する。
すると、一団を率いていた騎士が前に出て鼻で笑う。
「何が神聖な場所だ! この場所は、この国に呪いをかけ続けてきた場所だろうが!」
「貴様! 神聖な場所を呪いの場所だと!? ノルベルト様が大事されている、この地を愚弄したこと、万死に値する!」
一団を率いていた騎士の言葉に怒りを覚えた部隊長は、連絡役から報告を聞いて集まった部下達や応援として来た宮廷魔法師達を一瞥すると剣を掲げる。
「皆の者! この蛮族共は神聖な場所を愚弄した者達である! よって、この愚か者達にノルベルト様に選ばれた我々が正義の鉄槌を下す!」
「「「「「うおーーーーーー!!!!!!」」」」」
部隊長の言葉に、部下達は得物を引き抜き、宮廷魔法師は杖を掲げて声を上げる。
それに合わせ、一団を率いてきた騎士も後ろにいる者達に声をかける。
「行くぞ、みんな!!」
「「「「「おーーーーーー!!!!!!」」」」」
こうして、各地で魔法陣を守る第一騎士団と宮廷魔法師と、ノルベルトからこの国を救おうと立ち向かう者達の戦いが始まった。
◇◇◇◇◇
「《アイシクルランス》!」
「《ウインドカッター》!」
「おりゃあ!」
「ハアァッ!!!」
魔法陣を巡り、ノルベルトに従える者達と国を取り戻そうと抗う者達戦いは、拮抗するかに思えた。
だが……
「うがっ!」
「う、どうしてノルベルト様から認められた我らが、このような蛮族共に押されて……うわっ!」
「た、隊長! 他の部隊から応援要請が!」
「何だと!」
(このタイミングで応援要請とは! 答えられるわけがないだろうが!)
ノルベルトの改竄魔法を受けても尚、日頃から与えられた仕事をこなしつつ、鍛錬を怠ることを決してしなかった第二騎士団。
対して、鍛錬を怠り、王都を守ることすらしなくなった第一騎士団。
日々の努力から2つの騎士団に圧倒的な実力差が生まれたのは必然である。
加えて、第二騎士団側には強力で努力家の魔法師が2人いるのに対し、第一騎士団側にはろくに仕事や鍛錬をしていない宮廷魔法師が何人かいる。
故に、魔法陣を守っていた騎士達を無力化するにはそう時間はかからなかった。
「うぐっ、ノルベルト様から報告は!」
ろくに戦っていない部下達や宮廷魔法師達が次々と無力化される中、部隊長は連絡役の部下を怒鳴りつける。
すると、部下が青ざめた顔で部隊長に報告する。
「それが『建国祭が始まるからそちらで何とかしろ!』と」
「くそっ!」
(ノルベルト様、どうして我らを見捨てたのですか!)
改竄魔法によってノルベルトに洗脳された部隊長は知らなかった。
ノルベルトが最初から各地で魔法陣を守っている第一騎士団を捨て駒に使っていることを。
部下の報告を聞いて部隊長が苦虫を噛んだ瞬間、一団を率いていたライドに後ろから襲われ、連絡役の部下と部隊長は共に気絶し、魔法陣を守っていた騎士達と宮廷魔法師達の鎮圧は呆気なく終わった。
「あ~、俺も建国祭行きたかったなぁ」
「仕方ねぇだろ? 俺たちにはノルベルト様から与えられた任務があるから」
「そうだよなぁ」
暇そうにしている彼らは、この魔法陣が本来、国土を覆う結界魔法を張る時に使われる魔法陣であることも、それが今、ノルベルトが国土に改竄魔法をかける際に使っていることも知らない。
そんな彼らは今、面倒くさそうな顔であくびをしながら漆黒に染まった魔法陣を守っていた。
「あ~あ、王都にいたら今頃、俺はダリア様と遊んでいたんだろうな」
「俺も。一昨日、『建国祭という面倒臭い行事が終わったらみんなで遊びましょ♪』って誘ってくれたから」
「おいおい、宰相家の娘が『建国祭』を『面倒臭い行事』なんて言ったのかよ」
「まぁ、あの方には建国祭のような格式ばったところより、夜会のような華やかな場所がお似合いなのだろうよ」
主に王都の警備を任されている第一騎士団に所属している彼らは、全員がダリアに誘われて一夜の戯れを何度も楽しんでいた。
そのため、ダリアの父であるノルベルトの改竄魔法の影響がそれなりに大きい。
もちろん、そんなことを彼らが知る由もない。
だから、彼らもこの建国祭が『国の行く末を左右する』とは思っていないだろう。
だが、その時は突然訪れてしまった。
「おい、森の奥から何かが近づいてくる!」
「なにっ!」
森の奥から気配を感じた騎士が、隣にいたもう1人の騎士に声をかけると剣を構える。
そして、もう1人の騎士が通信魔法で他の騎士達に緊急事態を知らせた時、森の向こうから外蓑に身を包んだ一団が現れる。
「な、なんだ! 貴様たちは! ここは神聖な場所であらせられるぞ!」
魔法陣の守りを一任され、部下に魔法陣の見張りを丸投げして安全な場所で酒を飲んでいた部隊長が、部下からの報告を聞いて慌てて部下達の前に現れると、威厳のある言い方で森から現れた一団を威圧する。
すると、一団を率いていた騎士が前に出て鼻で笑う。
「何が神聖な場所だ! この場所は、この国に呪いをかけ続けてきた場所だろうが!」
「貴様! 神聖な場所を呪いの場所だと!? ノルベルト様が大事されている、この地を愚弄したこと、万死に値する!」
一団を率いていた騎士の言葉に怒りを覚えた部隊長は、連絡役から報告を聞いて集まった部下達や応援として来た宮廷魔法師達を一瞥すると剣を掲げる。
「皆の者! この蛮族共は神聖な場所を愚弄した者達である! よって、この愚か者達にノルベルト様に選ばれた我々が正義の鉄槌を下す!」
「「「「「うおーーーーーー!!!!!!」」」」」
部隊長の言葉に、部下達は得物を引き抜き、宮廷魔法師は杖を掲げて声を上げる。
それに合わせ、一団を率いてきた騎士も後ろにいる者達に声をかける。
「行くぞ、みんな!!」
「「「「「おーーーーーー!!!!!!」」」」」
こうして、各地で魔法陣を守る第一騎士団と宮廷魔法師と、ノルベルトからこの国を救おうと立ち向かう者達の戦いが始まった。
◇◇◇◇◇
「《アイシクルランス》!」
「《ウインドカッター》!」
「おりゃあ!」
「ハアァッ!!!」
魔法陣を巡り、ノルベルトに従える者達と国を取り戻そうと抗う者達戦いは、拮抗するかに思えた。
だが……
「うがっ!」
「う、どうしてノルベルト様から認められた我らが、このような蛮族共に押されて……うわっ!」
「た、隊長! 他の部隊から応援要請が!」
「何だと!」
(このタイミングで応援要請とは! 答えられるわけがないだろうが!)
ノルベルトの改竄魔法を受けても尚、日頃から与えられた仕事をこなしつつ、鍛錬を怠ることを決してしなかった第二騎士団。
対して、鍛錬を怠り、王都を守ることすらしなくなった第一騎士団。
日々の努力から2つの騎士団に圧倒的な実力差が生まれたのは必然である。
加えて、第二騎士団側には強力で努力家の魔法師が2人いるのに対し、第一騎士団側にはろくに仕事や鍛錬をしていない宮廷魔法師が何人かいる。
故に、魔法陣を守っていた騎士達を無力化するにはそう時間はかからなかった。
「うぐっ、ノルベルト様から報告は!」
ろくに戦っていない部下達や宮廷魔法師達が次々と無力化される中、部隊長は連絡役の部下を怒鳴りつける。
すると、部下が青ざめた顔で部隊長に報告する。
「それが『建国祭が始まるからそちらで何とかしろ!』と」
「くそっ!」
(ノルベルト様、どうして我らを見捨てたのですか!)
改竄魔法によってノルベルトに洗脳された部隊長は知らなかった。
ノルベルトが最初から各地で魔法陣を守っている第一騎士団を捨て駒に使っていることを。
部下の報告を聞いて部隊長が苦虫を噛んだ瞬間、一団を率いていたライドに後ろから襲われ、連絡役の部下と部隊長は共に気絶し、魔法陣を守っていた騎士達と宮廷魔法師達の鎮圧は呆気なく終わった。
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