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第九話「気高き炎、リディアとの邂逅」
しおりを挟む「──で、遺跡はこの先ってわけか。」
武流は、ギスケと並んで歩きながら、目の前に広がる活気ある街を見上げていた。
ファンクラブ女子たちと別れ、しばし旅路に出た武流は、新たな冒険に心を躍らせていた。
「この街、結構でかいっすねぇ。ギルドも有名らしいっすよ。」
ギスケが羽をパタパタさせながら辺りを見渡していると、ふと人だかりに気づく。
その中心にいたのは、長い赤紫の髪を揺らし、堂々とした眼差しを持つ一人の女──リディアだった。
「……どいつもこいつも、あたしの相手にもならないなんて……暇潰しにもならないわね。」
倒れた男たちを見下ろし、ため息をつく彼女の周囲には、軽く気絶した男冒険者たちが転がっていた。
見た目は気が強く、挑発的。しかしその実力は本物。周りの誰もが彼女に手を出せずにいた。
「……へぇ、面白そうな女だな。」
武流はニヤリと笑い、自然と足を向ける。
「ねぇ、そこのあんた。これからギルドに行くつもりなんだろ?一緒に行かねぇか?」
突然の声に、リディアは驚いたように武流を見つめた。
「は? なんであんたと……」
「おっと、オレは武流。こいつはギスケ。今、遺跡探索に向かっててさ。偶然だけど、良かったら一緒にどうだ?」
「……あたしは一人で十分よ。」
そう言い放ちながらも、どこか興味を惹かれている様子のリディア。
武流は彼女の態度に苦笑しつつ、さらに追撃をかける。
「最近、女にばっか囲まれてたけど……お前みたいに強い女も悪くねぇな。」
「……っ! 何その言い方、ムカつくんだけど。」
「だったら、力でねじ伏せてみろよ。」
挑発するように微笑む武流に、リディアの目が一瞬キラリと光った。
「面白いわね……あんたのこと、ちょっと試してやろうかしら。」
こうして、武流とリディアは小規模な手合わせをすることになった。
リディアの魔法と武流の剣が交錯し、激しい火花を散らす。
「……やるじゃない、あんた。」
「お前もな。」
互いに実力を認め合い、リディアは武流の誘いを断る理由を見失っていた。
「まぁ……いいわ。ギルドも遺跡も、あんたと一緒に行ってやる。」
「決まりだな。」
武流の新たな仲間──リディアがここに加わった。
ギスケは羽をパタパタさせながら、にやけ顔で武流に耳打ちする。
「さすが武流っすねぇ……女遊びも絶好調っす。」
「うるせぇ、これは……いや、まぁ遊びでもいいけどな。」
そして、彼らは次なる冒険へと歩を進めた。
リディアはまだ知らない。
この男が、やがて自分の心を大きく乱す存在になることを──。
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