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第十一話•「赤きちび竜 カグツチ」
しおりを挟む遺跡の奥、封印されていた古代の魔法書と、不思議な赤い宝玉を手にした武流たち。
「これ……どうやら召喚魔法の書らしいわね」とリディアが目を輝かせた。
ギルドで出会った頃とは打って変わって、リディアは完全に仲間の輪に入り、今や武流たちと肩を並べるほどになっていた。
──夜、焚き火を囲みながら。
「リディア、やってみろよ‼️お前なら召喚魔法もいけるんじゃねぇか?」
武流が茶化しながらも、どこか期待して言った。
リディアは少し照れながら魔法書を開き、赤い宝玉を両手で持ち上げる。
「いくわよ──」
静かに呪文を詠唱し、赤い光が宝玉から溢れ出す。
──ズゴォォン‼️‼️
突如、炎の渦とともに現れたのは──
「……チビ……?」
ギスケ「うぉ、ちっさ‼️‼️」
現れたのは、全長一メートルにも満たない、赤いトカゲのような小さなドラゴンだった。
「は……はぁぁ⁉️⁉️ ちょ、ちょっと待って、失敗……?」
リディアは自分でも理解できず、しばし呆然。
「カグツチ……と書いてあるけど、これが……?」
武流が苦笑いで頭を掻く。
「いやいや、見た目はともかく、こいつが本物の火の精霊だろ? 一応……。」
「……え……えへへ……」
カグツチは小さな前足で自分の顔を隠すようにして恥ずかしそうに笑った。
ギスケ「でも……なんか可愛いっすね‼️こいつ‼️」
ファンクラブ女子「きゃー! ギスケといい、ちびドラといい、可愛すぎっ💗」
あっという間に、カグツチもギスケと並ぶ人気者になってしまった。
「うぅ……失敗じゃないけど……なんか……思ってたのと違う……」
リディアは頭を抱えるが、武流はニヤリと笑う。
「いいじゃねぇか、リディア。そいつも、これからだろ?」
「え……」
「オレらも、最初は弱かった。でも、強くなれるんだよ。きっとこいつもな。」
その言葉に、リディアははっと目を見開く。
「……そうだね。私と一緒に強くなろう、カグツチ。」
カグツチ「エヘヘ……!」
こうしてリディアとカグツチの成長の物語が始まった。
「さぁ、次はどこ行くんだ?」
武流が立ち上がり、冒険は続く。
──その赤き小竜が、後に世界を震撼させる存在になることを、この時は誰も知らなかった。
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