享年

絢麗夢華。

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樹海

救済(2)

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喉がおかしい。声がちゃんと出ない。当たり前だ。
今、死ぬ気で首に縄を掛けて気にぶらさがっていたのだ。

「動けるか?」
その男性は話しかけてくる。今助けてくれた人だ。
助かった。そう思ってしまう自分がいる。
つまり、死ぬたくなかったのだ。
「はい、何とか。すみません。」
謝ってしまった。この人に俺は何か悪いことをしたのだろうか。
この人には自殺の邪魔をされたのだ。それでも助かった事に安堵して、つい謝ってしまった。


助かった。

自分で命を絶とうとして、邪魔されて、助かった。

助かった、という事は困っていた。自分で首を締めて、縄をかけてぶら下がった事に困っていた。死にたい、と思ってぶら下がった時とは裏腹に、生きていたいと思ってしまっている。
自分で自分を困らせた。死にたくて死のうとした自分が、死にたくないと思ってしまった自分を困らせた。
そして誰かに助けられた。

「今色々と考えるのはやめておけ。答えは出ないぞ。」

この人に何がわかるのか。こんな思いをしている気持ちが理解出来るのか。されてたまるか。これは死ぬほど悩んで出した、死のうとしたという答えなのだ。

死のうとした、か。

既に過去形。今はもう死になおそうとは思っていないのか。
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