ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
35 / 459

35 ミーティング

しおりを挟む
 夕方になってミシニーが起きた。

 冒険者は自由に睡眠をコントロールできるのだろうか? 夜眠るのが当たり前の者には特殊能力としか思えないな。

「ん~~~うん! よく寝た!」

 四時間くらいでよく寝れたんだ。若さ故の回復力か?

「それはよかった。食料は置いておくから食べてくれ。明日またくるよ」

「わたしの位置はわかるのか?」

「カードを持っていればな。そちからもオレの位置はわかるはずだ」

 なんでそんな機能を搭載したかわからんが、カードの位置がわかるようになっているのだ。

「あ、確かにわかる、感じがするな。どうなってるんだ?」

「オレにもわからん。あと、あまり遠くにいかれるとオレの足では追いかけることはできんので、そちらからきてくれると助かる」

 山を歩くのも慣れてきたが、それは文字通り歩くことに慣れただけ。二キロも離れたらオレは向かうのを止めさせてもらうからな。

「わかった。こちらからいくよ。魔力も回復したし、明日までにたくさん狩ってやるさ」

「夜だとゴブリンは寝てるんじゃないのか? それに暗いし」

「なに、問題ない。あいつらの魔力は独特だし、夜目はいいほうだからな」

 エルフ、高性能!

「そうか。まあ、無理しないていどにな」

「ああ。わかっているさ」

 じゃあ、また明日と言って野営地から去り、少し離れた場所でセフティーホームへと帰った。

 ラダリオンはまだ帰ってないので先に風呂に入り、上がったらまずビールを一杯。かぁー! 美味い! もう一杯!

 少し休んでから脱いだ服や装備の手入れをし、弾を補充する。あ、リュックサック買っておくか。オレも野営やサバイバルできるようにしておかないといざってとき困るからな。

 キャンプすらしたことがないのでなにを用意したらいいかわからんが、キャンプ雑誌買って考えるとしよう。

「帰った」

 と、ラダリオンが帰ってきた。

「お帰り。風呂に入りな。アイス用意しておくから」

「うん。わかった」

 装備を外してユニットバスへと向かった。

 用意は一旦中止してアイスと食事の用意をすることにした。

 冷凍庫からレディーなボーデンのイチゴ味を出しておき、今日は特上うな重を十人前とちらし寿司を買った。

 風呂から上がってきたラダリオンがまずアイスに手を伸ばし、初めて見るうな重に腹の虫を豪快に鳴らしていた。

 ラダリオンは一つ一つ完食しないと次に進めないと言う性格のようで、うな重を眺めながらアイスを食べている。器用なのか不器用なのかわからんヤツだ。

「ほら、立って見てないで座って食べろ。行儀悪いぞ」

 最近、父親みたいになってるが、共同生活する以上、礼儀や行儀は身につけて欲しい。お互いのプライベートを守るためにもな。

 アイスを完食し、温かい紅茶を飲んでからうな重を食い始めた。これで腹を壊さないんだから巨人の胃は丈夫である。

 夕食が終わり、食休みしながらミーティングを行う。

 ラダリオンは言葉少なく細かいことまでは話さないが、それでも構わない。現状を共有でき、コミュニケーションにもなるんだからな。

「エルフ?」

 ミシニーのことを話すと、ラダリオンが首を傾げた。

「ラダリオンはエルフのこと知ってるのか?」

「たまに会う。大人たちはいろいろ話してるけど、なにを話しているかは知らない」

「どんな種族かは知ってるか?」

「魔法が得意でお酒好き。マーダ族が作るお酒をたくさん買っていく」

 あれは種族的なことだったんだ。酒好きと言ったらドワーフってイメージなんだがな。

 請負員制度のことも話し、明日顔合わせすることをにした。一応、ラダリオンも雇い側だからな。

 話が終われば二人で明日の用意をする。

「ショットガンの扱い、慣れてきたみたいだな」

「うん。でも、弾を入れるのが面倒」

 確かにそうバンバン撃たないだろうと四発しか入らないものにしたが、結構撃ってる音がした。

 ……ゴブリンがちょこまか動いてるのか駆除している数は少ないけどな……。

「なら、別のにするか」

 KSGと言う弾が入るチューブが二つあり、片方七発入って計十四発撃てる。ただ、ラダリオンの体型を考えたら五発ずつ入る短いのがいいだろう。

 ショットガンとしては九万円と高価だが、それ以上の働きをしているのだから渋る理由はない。すぐに買ってラダリオンに扱いを教えた。オレも学びながらな。

「初めてのものだから最初は二発ずつ入れて慣れていけな」

 オレは安全第一。効率より的確を求めるタイプである。

「念のため、グロックも装備しておくか」

 巨人すら勝てない存在がいて、ラダリオンはまだ子供だ。殺すためではなく逃げる隙を作るために拳銃を持っておくほうがいいだろう。

 ついでに装備を一新。ショットガンの弾用のタクティカルベスト(ハイドレーション入るタイプ)にして腰のベルトはグロック、マガジンポーチ二つ、お菓子入れと化したダンプポーチをつけた。

 一度装備させて動き難くないかを確かめ、苦しいところを微調整する。

「マチェットは止めて折り畳みのナイフにしておくか」

 そう使うものでないし、ラダリオンの力ならヘシ折ったほうが早い。別に解体とかもしないしな。

 準備が終わればオレはサンドバッグ打ちを始める。

「あたしもやる」

 と、オレの予備のグローブをつけるラダリオン。どうした? いつもならケーキタイムなのに。

「強くなりたいからやる」

 どんな風の吹きまわしかは知らないが、強くなるのに異論はない。オレが死んだら一人で生きていくしかないんだからな。

 新しくラダリオン用のサンドバッグを買い、二人で打ち方を始めた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

不死身のバンパイアになった俺は、廃墟と化したこの世界で好きに生きようと思います

珈琲党
ファンタジー
人類が滅亡した後の世界に、俺はバンパイアとして蘇った。 常識外れの怪力と不死身の肉体を持った俺だが、戦闘にはあまり興味がない。 俺は狼の魔物たちを従えて、安全圏を拡大していく。 好奇心旺盛なホビットたち、技術屋のドワーフたち、脳筋女騎士に魔術師の少女も仲間に加わった。 迷惑なエルフに悩まされつつも、俺たちは便利で快適な生活を目指して奮闘するのだった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

この状況には、訳がある

兎田りん
ファンタジー
 どうしてこんなことになったのか…    ファルムファス・メロディアスは頭を抱えていた。  居なくてもいい場所に、しなくてもいい装いをしている事の居心地の悪さといったら!  俺の関係ない所でやってくれ!  ファルムファスの握りしめた拳の行方はどこに ○更新状況○ 2023/2/15投稿開始 毎週水曜20時頃次回投稿の予定

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

処理中です...