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閑話

☆バレンタイン

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☆大遅刻────!(申し訳ございません)


※あるかもしれない未来
※お相手は蒼空
※チョコプレイしそうなのこいつしかいなくて……
※つまりエロだ








「あの、蒼空……?」


「黙って」



どうしてこうなった。








2月14日、バレンタイン。
本当に、ほんっっっっとーーーに色々あり、私は蒼空と付き合うことになった。
なんだかんだ甘い蒼空に絆されたって感じである。

そんな中、付き合って初めてのバレンタイン。
せっかくだからと気合いを入れて作ったが、そのせいか作りすぎた。
ので、余りを軽音楽部のみんなや先輩、管弦楽部、更には、リアルで!ハル様に!!お渡ししまして!!!いやー、あの照れたような反応、はにかみと「ありがとう」の言葉!!我が生涯に一遍の悔いなし!!天に召されるかと思った。これからも1ファンとして、貢いでいく所存であります。


しかし、そんな彼氏は絶賛不機嫌であります。



朝迎えに来てくれるから、その時にちゃんと渡したんですよ。
本命だと分かりやすくラッピングもしっかりしたし、チョコ以外にも普段使い出来そうなハンドタオルとかスティックと一緒にしたし。
その時は小躍りしてたのを見たんだよ?
なのに放課後、軽音楽部覗きに来たらこれですよ。荒れに荒れてるドラムの音、声掛けても見向きもしない。
挙句に蒼海と諒太郎には「なんとかして」と泣きつかれ2人きりにされる始末……。
さて、どうしたものかと唸ってたら、すっぽ抜けたスティックが直撃した。


「っっったー……!」


「あっ、ごめ……」


私を認識すると、ぷいっとそっぽ向かれた。
……ほーう?
大人気ないとは思いつつ、さすがにカチンと来てしまった。
悪くないよね?ね?


「先輩、私、言われなきゃわかんないですよ」


先輩。
付き合い始めた時、2人きりの時は名前で呼ぶようにと言われていた。
今も2人きりだが、前のように先輩を使う。さすがに意味がわかるだろう。


「せっかく明日休みだからデートでもって思ったんですが、先輩はしたくないようですね。帰りま」


「待って」


後ろからふわりと、でも逃がさないと言わんばかりに抱きしめられる。
あーもう、これだけで許しそうになるなんて。惚れた弱みってやつですか。


「なんで、他のやつにあげんの」


「?あぁ、作りすぎちゃって」


「そんなに?」


「そりゃ50は作りましたからね。自分じゃ消費しきれないですよ」


「なんで」


「だって、彼氏には見た目もいいやつあげたいじゃないですか。かなり拘ったんですよ!?」


ラッピングしたのも蒼空だけだし、チョコ以外をプレゼントしたのも蒼空だけ!
そう言うとぎゅう、と体に巻きついた腕に力が入り、顔が肩口に埋められる。ふわふわとした髪が頬を擽った。
思わず身を捩ると、ちう、と首筋を吸われた。


「っ、そ、っ!?」


「じゃあ、食べさせてよ」









椅子に腰掛けた蒼空の膝上に、向かい合うように座る。
────これ、対面座位じゃん。
顔を見るのが、キスが好きな蒼空は、いつもこの体位だった。そのせいで、思い出す。


「何想像してんの?」


ふっ、と笑う姿はとっくにいつもの蒼空で、私はなにしてんだろうと思わなくもないが、まぁ、バレンタインですし?少しくらいいいかなと思ってしまう。


「ほら、口開けて」


「────違う」


頑張ってラッピングしたトリュフチョコを取り出したが、それを奪われ口に押し込められる。


「くちうつし」


がぷり
そんな効果音が似合いそうなほど大きな口で、私の口にかぶりついた。


「ふ、っ、んっ……!」


口の中のチョコを溶かすように舌を這わせ、動かし、音を立てる。
チョコの甘さも相まって、いつもよりびくびくと感じてしまう。

溶けきって、漸く舌が合わさる。
どろりとしたチョコが、粘着した音を立てる。


「んっ、ちゅ……ほら、もういっこ」


くちびるについたココアパウダーも丁寧に舐めとり、再度トリュフチョコを口に咥える。
さっきと同じように溶かし、絡め、飲み込む。


「あっは、いつもより甘いね」


「んぁっ……」


口から零れたチョコを舐め取り、再度くちづける。
私もそれに応えるように必死に舌を絡め、腕を首に回す。
蒼空とのキスは、頭がぼーっとする。今日は特にそう思う。


「あ、そういえば」


ごめん、と私を一旦退かし備え付けの冷蔵庫からなにかを取り出した。
茶色い液体に見える、けど……。


「それ、チョコ?」


「そ、チョコソース」


カフェテリアで余ったの貰ったんだ~と笑いながら再度膝上に乗せた私をぬがしていく。


「ちょ、ここ、がっこ……!」


「防音だし、鍵はとっくに掛けたよ」


い、いつの間に……!
今日、期待していたとはいえ、まさかこんなところでするなんて……!
暖房がついているとはいえ、外気の冷たさにふるりと身体を震わす。


瞬間、くちゅり、と音がした。


「……なーに?これだけで感じたの?」


「あっ、あ、やっ……!」


ぐり、と太腿を押し込まれる。
その度くちゅくちゅと微かに音がした。
スラックス、タイツ、パンツと邪魔をされてるはずなのに、そのもどかしさと布に擦れる感覚が逆に気持ちいい。
気付いた時には、私から腰を動かしていて、蒼空はそれを眺めて笑っていた。


「やっ、み、みないで……っ!」


「なんで?かわいい彼女のかわいいとこ、見たいよ」


そう言って至る所にくちづける。
ちゅう、ちゅうという音だけで止まらない。
するりとくちびるが這うのも気持ちいい。


「ちょっと待って」


寒がりな蒼海用に常備されているブランケットが床に敷かれ、私はそこに寝転がった。
蒼空も上半身を露わにし、傍らに置いていたチョコソースを手に取った。


「っ、つめた……っ」


はぁ、と自分でも熱っぽい声が出たなと思ってたら、とろりとしたものが露わになった胸に落ちてきた。
それは余りにも冷たくて、びくん!と飛び跳ねてしまった。


「汚さないようにしないと、ね……」


 
垂らされたソースを胸全体に塗りたくられる。
その手つきはいつも以上に厭らしくて、ソースのぬるぬるも手伝ってか出た声は自分のとは思えないほどの艶が含まれていた。


「いつも以上に美味しそう──」


「っん!」


赤い舌が、ゆっくりと胸を這う。塗りたくられたチョコソースを余すことなく舐め尽くすように。
恥ずかしいのに、その光景から目が離せなくて思わず見つめてしまう。
その視線に気付いた蒼空と目が合い、ぱっと逸らし腕で隠す。
すると蒼空は、最後まで残っていた乳首を下から舐め上げた。


「あっ……!や、それ、やだ……っ!」


「いや?そんな反応じゃなさそうだけど」


ちゃんと見て、と腕を外されると私も従うしかなくて。
追加で垂らされたソースにもびくびくと反応し、見せ付けるかのように再度ゆっくりと舐め上げる。


気持ちよさと恥ずかしさが混ざって涙目になる。
せめてもの抵抗に声が出ないよう歯を食いしばって、ふーっ、ふーっ、と威嚇する猫みたいな声を出す。

追加のチョコも綺麗に舐め取られ、そのままくちびるを離すことなく上へと移動させ私のくちびるを食む。
ふにふにと弄ばれることが好きな私は、否応なしに口を開きはしたない声を上げる。


「ね、姫愛。舐めあいっこしよ」


「んぁ……っ」


耳を食みながらのその言葉は、私の期待を上げるには十分で、身体を起こし、代わりに寝そべった蒼空に跨る。
目の前には、いつの間にチョコ塗れになっていた限界まで勃ち上がったおちんちんがある。


「チョコバナナ、だよ」


召し上がれ、なんて巫山戯たセリフをかました蒼空に少し痛い目をと思って軽く歯を立てたけど、「んっ、」とむしろ気持ち良さそうな声だったので諦めて舐めることに専念した。
私も根元から、先端に向かってゆっくりと舐め上げる。
れー……と声を出しながらすると、微かな振動が伝わって気持ちいいと言っていたので、そうやって舐める。
玉にも零れていたソースには吸い付き、カリは咥えこんで舐め回し時折吸った。
その度、喘ぐ声と熱っぽい吐息が私のおまんこに当たり、とろとろ蜜を零す。
でも、まだ決定的な刺激が来ない。
そう思って蒼空の方を見やった時、ナカに冷たいなにかが広がった。


「ひゃんっ!?」


「ずっ、じゅるっ、じゅるるるるるっ」


「あっ、あっ、あーーーーっ♡」


「んっく、……あは、いつもより何倍も甘い……♡」


全て吸い出すと、再度冷たいモノを流し込まれ、耳を塞ぎたくなるほどの水音を立てて吸い出される。
握っていたおちんちんに力を入れてしまい、ぐっと呻く声を上げる。
瞬間、どくどくと脈打つおちんちんから、白濁液が吐き出され、私はそれを顔面で受け止めていた。


「あーあ、ミルクチョコ掛かっちゃったね」


またなんか言ってる……と思いつつも、私を顔を拭った蒼空の指に絡められた精液を舐めとる。ん、チョコソース使ってたからか、いつもより甘い気がする。


「ね、蒼空、も、限界……っ」


「えっ、俺まだ出したばっかだよ……あ」


確かに、大量に吐き出したため先程より元気を失っていた。
が、いいこと思いついたと言わんばかりの笑顔に、私は少し引き攣る。


「挟んでよ」


おちんちんと谷間両方にチョコソースがかけられる。
それがローションの代わりになるのか、ぬちゃぬちゃといつもより粘度の高い音が響き渡る。
少し動きを止めて鈴口をちろちろと舐めると、もう限界と言わんばかりにどくどくと脈を打ち、先程より大きく勃ち上がる。


「おいで、姫愛」


伸ばされた手を掴み、また膝上へ跨る。
谷間に残されたチョコを舐めつつ互いにどろどろの性器同士が触れ合い、私は上り詰める。
何度か往復し先端が大洪水と言わんばかりのおまんこへと侵入する。


「んんっ、や、おっき……!」


「っ、煽んな……!」


一気に奥まで貫かれ、目の前がチカチカと瞬いてからホワイトアウトした私は、蒼空の腕の中へと沈んでいった。












「……あとで蒼海に謝らなきゃ……」


とりあえず持ってたタオルやティッシュでチョコや精液らを拭き取ったあと。
マット代わりに敷かれていたブランケットは互いの汗や体液やチョコで大変なことになっていた。これは拭くより洗った方が早い……。


運良く鞄にあったレジ袋に押し込み、鞄に入れる。
蒼空はこっちで処理すると言ってくれたが、私は洗濯機を自由に使えるしね。しかも乾燥機付き。
それを聞けば確かに……と納得してくれたので私が預かることにした。


「────で、結局なんで不機嫌だったの?」


「────まだ、わからないの?」


思わず首を傾げる。
本命だってわかりにくかった?と言うとそうじゃない、と言われた。じゃあなんなんだ。


「────椎葉」


「えっ、ハル様?」


「他も、色々」


「えっ、えぇ?」


「同じチョコ、渡すとか。てか手作りとか、本命以外で渡すなよって話!!」


「────……」


「ぜってー勘違いするやついるじゃん。特に椎葉は姫愛のこと好きだし、姫愛の態度も恋してるやつだし!」


「ぐっ!!」


ぐさり、と刺さる。うん、まぁ、確かに15年片想い拗らせてきましたからね!なんで蒼空選んだの私?


「俺の、なのに」


「蒼空……」


ぎゅう、と抱きしめられる。
余りのかわいさと愛おしさに私も背中に手を回し、くちびるに触れるだけのくちづけを贈る。


「私は、蒼空を選んだよ?」


「っ、ひ、姫愛~!!」


「あっ、ちょ、さすがに暗いよ帰ろうよ!!」


「んじゃ姫愛の部屋で続きな」


「ヒッ」
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