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お兄様3

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「マアサ様、失礼します。」

「どうぞ」

返事があったのでドアをあけると、お茶の用意がしてあった。

「ここに座ってくれるかしら」
「はい…」

断る権利は私にはありませんよ。

「ねぇ、お兄様、貴女お姉様でしょ」

さっそくバレた!!

「すみません!騙すつもりはっ…」
「いいのよ、最初からわかっていてお兄様にしたてあげたの。」

解ってたのに?お兄様っておかしくない?

「…それは…何故でしょうか?」
「3ヶ月、その間にお兄様の恋人になってほしいの。」

はぁ……?

「お兄様は男色では無いはずなの。ただ、美しい顔と地位が女嫌いにさせてしまったの。」

……だから?

「アランなら何とか出来ると思うの」

「なんとか……とは?」

「貴女、お兄様に女だと気がつかれなかったでしょう?普通なら一目で気がつくのよ。なのに凄いわ!貴女は無限の可能性を秘めているわ」

気がつかれなかったけどさ……

「他の『お兄様』は、すぐに気がつかれたわ。で、すぐにお別れになってしまうの。」

私の女という自尊心が、崩壊していくので、もうやめてください。

「あの…マアサ姫、私が男だと思っているのであれば、よけいに恋人というのは難しいのではないかと思うのですが…」
「そこよ!意外性!ギャップ!男と思っていた子が可愛い仕草をする。ある日、アランが女だと気がついて、今度はお兄様がアランをおとす……素晴らしい計画だわ!!」 

夢見るお姫様の謎計画……


「でも、本当に切実なのよ。世継ぎの問題は勿論だけど、男色というのも他国にとってはあまり良く思われない事もあるし。外交がうまくいかないのは国にとっても致命的よ。」

さすがお姫様…国の事を考えてる…

「私もいつか嫁に行かなくてはいけないし、それまでに私が何とかしないと…と思ったの」
「その白羽の矢が、私に刺さったということですか…」
「その通りよ」

冗談はよせ。

「……お世継ぎ問題も私が解決するんでしょうか……」
「そりゃそうよ。王の愛する女性が王妃になるわ。今この国では、その王妃になれる女性を探し回ってるんだもの。」
「私の気持ちは……」

子供とか絶対ムリ…

「だから、アランに好きになってもらえるよう、お兄様が頑張るのよ。」
「私に全く興味をもたなかった場合は…」
「何とかなさい…命令よ」

うっすら笑みを浮かべ、私を見るマアサ姫。

「っかしこまりました!!」

金髪かかった茶色の髪に青い瞳…貴女はファビアン王の妹なのだと、肌で感じました……


というかさ、いつどこで王様と仲良くなるの?

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