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女装効果4
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「お兄様、聞いてください!なんとアランは双子だってのです!しかも、1人は女性ですわ」
にこにこしているマアサ姫様とは逆に、私は怖くて死にそうです!
「お初にお目にかかります。アリス…と申します。いつも兄がお城の皆様に良くしていただいているようで、妹としてもお礼もうし上げます。」
「…………」
「…………」
何この沈黙。
ご挨拶もすんだ事ですし、帰りましょう!姫!
やっと解放されました。
心臓が爆発して風の前の塵になるとこでした!
「うふふ。」
「…機嫌がよさそうですね。姫」
「だってお兄様、アリスを追い出さなかったじゃない。凄い進歩よ!」
それは…アランを好きな王様が、アリスを邪険に出来ない……という、恐ろしい事なのでは…
男色王、アランを本当に夜伽の相手にしようと思ってたらどうしよう……。別にね、男同士の恋愛がダメだとは思わない。けど、私を対象にされると困る……
女なんですから!!
ある日の事である。
「オイ!お前!調子にのるなよ」
男の人2人にからまれた。
「……?」
「てめー!ちょっとファビアン王に気に入られてるからってベタベタしやがって!」
ん?
「王はな、孤高の王なんだ!なのに…俺達を差し置いて……寵愛を……」
………ん?
「2度とファビアン様に近付くな!わかったな!!」
そう言い残して、彼らは消えた
ん?
これは……
『姫』に近付くな…じゃなく『王』…っときたぞ!?
『孤高の王』といっておいて、『俺達を差し置いて寵愛をうけやがって』……?
矛盾に気付きなさい!!
それにしても、城の中って男の人が好きな人もいるんだ…。まぁ、王様がそうかもしれないんだから、不思議じゃないか。
あんな人が城に多くいて、何人か王様とイチャイチャしてる関係の人もいるかもしれない…。
ありえる…。
そして今からその相手に私を加える…とか。なんて恐ろしいのでしょう!
アランことアリス?
アリスことアラン?
……もうアランとアリス、1人2役になったんですけれど……。
今日は家へ帰れる日。
城門まで歩いていると、なんとそこには王様がいらっしゃった。
「散歩にいくぞ」
え?
「聞いているのか?さっさ馬車にのれ」
「はいっ!!お供させていただきます!」
この人は今、私をアランとアリス、どちらだと思って誘っているの!
今まで姫としか話をしないから落ち着いてたけど、これはもうダメだ!!
ていうか、散歩って馬車でするもの?
「アラン、お前は女に間違われる事はないか?」
王様は私をアランだと思って誘った事はわかった。
「…ありません」
女だけど…間違われて当たり前なのに、間違われない!!
「そうか…」
なぜそんな質問を…。まさか、疑われてる?
「…間違われたことがあるのですか?」
しまった!うっかり質問してしまった!
ファビアン王!睨まないでください!!
「っ申し訳ございません!」
「いや、いい。この手の話で俺に質問を返してくる奴はめずらしい。」
「……そうなのですか?」
「ああ、俺はお前くらいの年まで、女のようだ。女より綺麗だ。美しい。華奢だ…と、そんな事ばかり言われていた。女も男も近付いてきて胸糞悪い思いをした。」
そう言えば姫が
『綺麗な顔と権力が女性を嫌いになった原因』みたいなこと、言ってたっけ。
「でも今は男の人にしか見えませんよ。僕は羨ましいです。」
本来の性別に見える日が来るのか、不安ですから!
「…気にするな。お前もそのうち男らしくなる。」
それは困る!!
しばらくして馬車が止まった。
「降りるんですか…」
「でなければ散歩にならないだろう」
私もそう思ってたけどさ…。
だだっ広い草原を歩くなら、もっと近場があったのでは?
馬車で結構きましたよ!
「時々俺はここに来る」
「素敵な所ですね。」
特に花が沢山咲いてるわけないし、素敵ではないと思う。が、言っておこう。
「僕を誘ってくださったのは、何故でしょうか?」
「お前がマアサの『お兄様』だからだ。」
「…?」
「マアサは人を見る目がある。俺は身分など関係なく、結婚を許している。もちろん俺の目にかなわなかったものは排除するが。」
「…素晴らしいお考えだと思います」
……身分より高い壁があると思います!
「お前がもし付き合いたい…というなら、許してやってもいい。」
「め、滅相もありません!そんな、畏れ多い!」
「勿論、今のままでは許可できん。だが、俺の言う通りに出来るなら許してやらんこともない」
許可して頂かなくて結構ですので…。
「マアサの護衛につけ」
「……へ?」
「何だその間の抜けた返事は。」
「姫には想い人がいらっしゃるかもしれませんし。」
「それならそれでいい。」
「では、護衛…というのは…」
「ただの護衛として扱う。それから、アラン、アリス、二人でだ。」
「アリスも…ですか。」
「何か問題でもあるのか?」
「いいえ!全くもって。」
ある!なぜアリスがでてくる?アランはわかるけど、双子の妹の人生まで決められても困る!
まぁ、結局私なんだけどさ。
かといって言い返せない…。
1人2役は、2役を同時に演じることは出来ない、どうしたらいいの。
「話はこれだけだ。帰るぞ」
「はいっ!」
夢見る謎計画、後戻り出来ない時がくるのは近い気がする…!
にこにこしているマアサ姫様とは逆に、私は怖くて死にそうです!
「お初にお目にかかります。アリス…と申します。いつも兄がお城の皆様に良くしていただいているようで、妹としてもお礼もうし上げます。」
「…………」
「…………」
何この沈黙。
ご挨拶もすんだ事ですし、帰りましょう!姫!
やっと解放されました。
心臓が爆発して風の前の塵になるとこでした!
「うふふ。」
「…機嫌がよさそうですね。姫」
「だってお兄様、アリスを追い出さなかったじゃない。凄い進歩よ!」
それは…アランを好きな王様が、アリスを邪険に出来ない……という、恐ろしい事なのでは…
男色王、アランを本当に夜伽の相手にしようと思ってたらどうしよう……。別にね、男同士の恋愛がダメだとは思わない。けど、私を対象にされると困る……
女なんですから!!
ある日の事である。
「オイ!お前!調子にのるなよ」
男の人2人にからまれた。
「……?」
「てめー!ちょっとファビアン王に気に入られてるからってベタベタしやがって!」
ん?
「王はな、孤高の王なんだ!なのに…俺達を差し置いて……寵愛を……」
………ん?
「2度とファビアン様に近付くな!わかったな!!」
そう言い残して、彼らは消えた
ん?
これは……
『姫』に近付くな…じゃなく『王』…っときたぞ!?
『孤高の王』といっておいて、『俺達を差し置いて寵愛をうけやがって』……?
矛盾に気付きなさい!!
それにしても、城の中って男の人が好きな人もいるんだ…。まぁ、王様がそうかもしれないんだから、不思議じゃないか。
あんな人が城に多くいて、何人か王様とイチャイチャしてる関係の人もいるかもしれない…。
ありえる…。
そして今からその相手に私を加える…とか。なんて恐ろしいのでしょう!
アランことアリス?
アリスことアラン?
……もうアランとアリス、1人2役になったんですけれど……。
今日は家へ帰れる日。
城門まで歩いていると、なんとそこには王様がいらっしゃった。
「散歩にいくぞ」
え?
「聞いているのか?さっさ馬車にのれ」
「はいっ!!お供させていただきます!」
この人は今、私をアランとアリス、どちらだと思って誘っているの!
今まで姫としか話をしないから落ち着いてたけど、これはもうダメだ!!
ていうか、散歩って馬車でするもの?
「アラン、お前は女に間違われる事はないか?」
王様は私をアランだと思って誘った事はわかった。
「…ありません」
女だけど…間違われて当たり前なのに、間違われない!!
「そうか…」
なぜそんな質問を…。まさか、疑われてる?
「…間違われたことがあるのですか?」
しまった!うっかり質問してしまった!
ファビアン王!睨まないでください!!
「っ申し訳ございません!」
「いや、いい。この手の話で俺に質問を返してくる奴はめずらしい。」
「……そうなのですか?」
「ああ、俺はお前くらいの年まで、女のようだ。女より綺麗だ。美しい。華奢だ…と、そんな事ばかり言われていた。女も男も近付いてきて胸糞悪い思いをした。」
そう言えば姫が
『綺麗な顔と権力が女性を嫌いになった原因』みたいなこと、言ってたっけ。
「でも今は男の人にしか見えませんよ。僕は羨ましいです。」
本来の性別に見える日が来るのか、不安ですから!
「…気にするな。お前もそのうち男らしくなる。」
それは困る!!
しばらくして馬車が止まった。
「降りるんですか…」
「でなければ散歩にならないだろう」
私もそう思ってたけどさ…。
だだっ広い草原を歩くなら、もっと近場があったのでは?
馬車で結構きましたよ!
「時々俺はここに来る」
「素敵な所ですね。」
特に花が沢山咲いてるわけないし、素敵ではないと思う。が、言っておこう。
「僕を誘ってくださったのは、何故でしょうか?」
「お前がマアサの『お兄様』だからだ。」
「…?」
「マアサは人を見る目がある。俺は身分など関係なく、結婚を許している。もちろん俺の目にかなわなかったものは排除するが。」
「…素晴らしいお考えだと思います」
……身分より高い壁があると思います!
「お前がもし付き合いたい…というなら、許してやってもいい。」
「め、滅相もありません!そんな、畏れ多い!」
「勿論、今のままでは許可できん。だが、俺の言う通りに出来るなら許してやらんこともない」
許可して頂かなくて結構ですので…。
「マアサの護衛につけ」
「……へ?」
「何だその間の抜けた返事は。」
「姫には想い人がいらっしゃるかもしれませんし。」
「それならそれでいい。」
「では、護衛…というのは…」
「ただの護衛として扱う。それから、アラン、アリス、二人でだ。」
「アリスも…ですか。」
「何か問題でもあるのか?」
「いいえ!全くもって。」
ある!なぜアリスがでてくる?アランはわかるけど、双子の妹の人生まで決められても困る!
まぁ、結局私なんだけどさ。
かといって言い返せない…。
1人2役は、2役を同時に演じることは出来ない、どうしたらいいの。
「話はこれだけだ。帰るぞ」
「はいっ!」
夢見る謎計画、後戻り出来ない時がくるのは近い気がする…!
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