ごめんなさい。人間に化けてた嘘つき魔王と結婚なんてムリです!

シンさん

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メンフィス

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「貴方…死人なのね。」
「リディア?何を言ってるんだ。」

死体…じゃなくても、
まず悪魔に私を食べさせて、その残った死体を食べる化け物なんだわ。
みんなで仲良く食べられるんだわ。

「…リディア、正直に言おう。俺は魔王だ。」
「………」

この人は何を言っているのだろう…

いい年して『俺は魔王だ』って。

頭がおかしくなってる?でも蛇男も犬人間も悪魔もいるんだかり、魔王がいたっておかしくない…

「魔王が私をたべに来るなんて…」
「リディア、その食べるとか餌から離れようか。俺が君を食べるなんて絶対にないよ。」

魔王が人を好きになるなんてありえない!ありえないっていうか、魔王が人間の姿をしている方がおかしいのよ…

「この婚約、重婚疑惑がありますので、婚約破棄させていただきます!」
「…君の家の借金を、俺が全て肩代わりしたんだよ。リディアと結婚するために。もう君に帰るところはここしかないよ。」
「……」
親にまで…
借金の肩にされてた。生け贄だわ。

「メンフィス、今のは最低よ。もう彼女が貴方を好きになることは無いわね。いい気味だわ。私との婚約を破棄しておいて人間の娘と結婚しようとするから。」

悪魔の人格が、少し変わった気がする…これはもうダメよ…。
「…もう、食べてくださって結構です。ただ一思いに殺してから食べてください。」
「リディア!!俺は君を愛してるんだ!食べたりしないし、一生大事にする。」
「愛してると言うなら、本当の姿を見せて…魔王が人間の姿をしてるはずがないじゃない。」
「…それは無理だ。」

愛してるだなんて、やっぱりウソなのね。


「貴方が魔王だったとして…人間と結婚なんて出来るの?」
「出来なければ結婚しようとしない。」
「子供だって産んだりはできないし。」
「俺は人間とまったく同じだよ。だから子もつくれる。そこを解決すれば、結婚するのは問題ないという事だね。」
「いいえ、ちがいます。私は人間と結婚します。」
「俺は人間と違いないよ。」
「形だけでしょ?本当は何だかわからないじゃない。」
「悪魔は角があるだけだ。あとは人間と変わらない。俺もそうなんだ。」
「なら、その姿になってください。」
「…無理だ。」
「そんな、姿もさらせないのに結婚とかよく言うよね。騙し続けられると思っていたの?」
「…そうしようと思った。けれど…」
「けれど何?貴方は好きな人に本当の姿を見せられないの?」
「……」

答えないという事は、ものすごく気持ち悪いもの…?メンフィス様は人の形をしてても、その子供は?嫌よ、絶対にムリ!!
魔王の子供よ。優しい子になるの?『魔』なのよ?

「この婚約はなかった事にしてください。住み込みで仕事を探しますので、もうここから出ていきます。」
「っ!!だったら、試しに一緒に暮らしてみて、それから考えてほしい!」
「……わかりました。けど条件があります。」

「何だい?」

「私を食べる化け物は、近寄らせないでください!!」
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