ごめんなさい。人間に化けてた嘘つき魔王と結婚なんてムリです!

シンさん

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さみしい2

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「もう一度…と言われますが、メンフィス様が私といたいのか解りません。『また帰って来たのか』と言われる可能性もありますし…」

相手から終了って言ってきたんだから、帰るってなるとメンフィス様と一緒にいたいって言ってる感じになるよね。

「国王としてのお願いであれば、メンフィスも何も言わないよ。それに、そうじゃなくても言わないよ。」

「…わかりました。1度帰ってみます。」

「そう、なら送ろう。乗りなさい。」

「はい…。」

王様にうまく丸め込まれた気がする…。でもこれで帰る理由は出来たから、家があるのかどうかだけは聞ける。次に追い出される時は家まで送ってもらえばいいよね。
一瞬よ。

カタカタと馬車に揺られて、少しすると見慣れた景色が近づいてきて、ついに私はメンフィス様の邸へ着いた。

「1度メンフィスに2人で会おうか。リディア嬢、その方帰りやすいだろう。」
「はい。お願いします。」
バンッ
「リディアっ!!」

戸が勢いよく開いて、駆け寄ってきたメンフィス様に抱き締められた。

「っメンフィス様!?」

きつく抱き締められて動けない!

「ふふ、私が行く必要もなかったね。」
「…っあの、メンフィス様。…王様が」

見てるんですっ!

「当分離しそうにないから、これで失礼しよう。」

私たちの事をクスクス笑いながら、王様は馬車に乗り込んでしまった。

「えっ!?メンフィス様っ!!王様が帰るので挨拶を…」

って、全然聞いてない!

そのうちに、カタカタと行ってしまった。

「メンフィス様、私が帰って来たのは王様に言われたからで、私が帰りたいって言ったわけじゃ…」
「リディアさまっ!!」
「……やんす、数時間ぶりだね」

気まずい。

「よかったぁ、かえってきたぁああ。ぅわわん。」
「やんす、泣かないで…」
「奥様!」「リディア様」「奥様!」
犬人間ゴマ蛇男ハク吸血鬼ヒルも走って来た。
「…あの、私は」
「リディアさま!とりあえず、中へ入りましょう!!」
「そんな事言ってもメンフィス様が…」
「もうそろそろリディアさまから離れて下さい。」

やんすがメンフィス様を私から引き離した。どんな顔をしてるのか見てみると、嬉しそうにニコニコしてうっすら顔が赤い。

「再会を喜んでる途中から、リディアさまを抱き締めている事を喜びはじめたメンフィス様に情けは無用!」
「そんなぁ…、やんす、もうちょっと、気をきかせておくれよ…。」
「駄目です!主を危険から守るのも俺の役目ですから!さっ、いきましょう。リディアさま。」

やんす、強い。


邸に入って目に飛び込んできたのは、私の模型。

「何これ…?」
「主が元気を出すために私が作りました。」
「『作りました』って…怖いよ!」

蛇男ハクの模型を作る力…。
1体ならまだいいけど、10体以上あるよね。

「やっぱり模型なんかじゃ、リディアの可愛さを表現出来ないね。」
「…そっくりですよ。でも笑った顔がない?」
「リディア様が笑った顔を見た事がありませんので。」
「……」
「リディアさまの笑顔を拝もうだなんて、100年早いです!」
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