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公開処刑までに2

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「では聞こう、ミリオン侯爵のご令嬢。一体どうすればそこにたどり着けるのかな。」

公爵を抑えられなければ勝ち目はない。

「コックス伯爵から、何か聞き出せなかったのですか?」

この中にコックスはいないのだから、別の場所で何かを聞いてる。

「聞けたとしても、コチの中心部まで行った事のある者など、こちらにはいない。あの男も、結婚してから1度も行っていないそうだ。」
「…もうボスが住んでないからです。だから行かなくていいんです。でも下っ端は綺麗なところになんか入れて貰えない。」

お父様が行くところをコチにしたのは、警察が踏み込んでこないから。皆、怖くて中に入りたがらない場所。
コックスと一緒にいた男がお父様を脅していたのだから、コチに出入りできる仲間もいる。

ここからは方向転換しよう…。

「陛下、取引しませんか。」
「エリザベスっ!!」

今まで我慢して私の様子を見ていたお父様も、見かねて止めに入った。けど、私は続けた。

「毒草の話です。フリナがどうなっているのかハッキリ解るまで、セドリック様の手にする植物全てを私が常に隣にいて調べます。王太子様とグリーの命、この国にとって重んずるのはどちらですか?」
「……」
「もう1つ。警察の病院にはそぐわない物がありました。オカツの花入りの薬瓶です。これは猛毒の花です。薬になんて絶対に使えません。保管した人は誰なのか調べてみてください。」

持っていた瓶を陛下の前にコトンと置いた。

「中に入ってる、小さな花。これが猛毒を持っている物だとお分かりになりますか?私ならわかります。この液体が一滴でも口にはいれば、5秒ほどで人は死にます。救命措置なんて出来ない。」

陛下に命令されれば、私は従うしかない。取引なんて意味がない。偉そうな事を言っても、私に人を動かす権限がない。

「…エリザベス、陛下への非礼を詫びなさい。」

「大変申し訳ありません。」

どうしていいか解らなくて俯いていると、お父様が皆にいってくれた。

「コックス夫妻とあの男2人は、元締めの居場所を知っているでしょう。コックス領の本邸、その他にもいないのを確認済みのようですし、それなら最近邸を買ったりしているかもしれない。」
「お父様…?」
「公爵、全て娘の我が儘ですが、グリーの事を決定するのだけは後にして頂けないでしょうか。」
「お願いします!!」

私は公爵に深く頭を下げた。

「コチを潰す命令は陛下の許可をえている。長官、この役目はこちらで指揮させて貰うが、何か意見があれば。」
「警官は武装していない。そちらに託そう。」

その後30分ほどで話し合いは終わった。…コチは明後日の早朝から一斉に武装した兵士が突入する。
お父様が公爵に言ってくれたから、グリーの件は保留にしたもらえた。

「エリザベス嬢、奴等の仲間は捕まえる。そうカリカリするな。危険な事ばかりして、君のお祖父様に相談に来られても困る。」
「…え?」
「君の家族は心配性らしい。では侯爵、私はこれで…。」

お父様に頭を下げて総帥は部屋を出ていった。

「総帥はお祖父様のお知り合い?」
「旧友らしい。…今回の件、沢山の人から物凄く怒られるから、覚悟しておきなさい。」
「…は……い。」

これは…最低1ヶ月は毒草を触らせて貰えないレベルだわ…。
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