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裏切り3
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「さて、我が主を焼き殺そとした愚か者は貴方ですか?」
私に白炎魔法をかけた男に悪魔が一直線で歩いていく。
見ていたわけでもないのに、何故わかるの…。悪魔だから?
よくわからないけど、今のうちに逃げよう!!
くさっても宮廷魔導士よ、悪魔1人にあの7人が負けるわけないわよっ!
私は急いでその場から立ち去った。
悪魔が殺された後、今度は私がまた狙われるんだから出来るだけ遠くへ逃げないとっ!!
焼き殺されるのも、頭から食われるのも絶対にイヤっ!!
「ハァハァハァ…」
体力には自信がある方なのに、少し走っただけで立ち上がれない。
バッーーン
「…なにっ!?…キャーーっ!!」
魔導士と悪魔がいる方向で爆発音がして、その爆風で私は飛ばされた。
ゴンッ
「うっ…」
飛ばされた勢いで大きな木にぶつかってしまった。
頭がクラクラする。逃げないと殺される…でも、もう立てないよ。
完全に意識を手放す前に人が泣き叫ぶ声が聞こえた気がした。
・・・・
「…エ、……ロエ…、クロエ」
「……ん?」
「よかった!クロエっ!大丈夫かっ?」
「お父様…?私は…」
「城に行く途中、クロエは意識を失って倒れていたんだ。一体何があったんだ。」
「……」
真実なんて言えない。
『王太子の命令で宮廷魔導士に襲われた』なんて言ったら、不敬で殺されるわ。
私を殺せなかった王太子はどうするつもりだろう。このまま諦めてくれるかしら…。
「ところでお父様、ここはどこですか?」
「城だ。」
城…!?
「もしかして王太子殿下もいらっしゃるのですか…?」
「ああ、目が覚めたと伝えに行っているから、すぐに来るよ。」
「いえっ!お父様、私はまだ本調子ではありませんので…」
絶対会いたくないわっ!
「クロエ…無事でよかった。」
「…王太子様……。」
遅かった!
「何故こんな事になったんだ…?やっぱり私が迎えにいけばよかった。」
よくもぬけぬけとそんな事が言えるわね。私を殺そうとしたくせに!…とは言えない。
「いえ…、こんなの誰にも予想できませんもの。」
焦っては駄目よ。
犯人が『王太子の命令で私を殺そうとした』…って、冥土の土産に言ったなんて事は誰も知らないはず。今は素知らぬ顔でやりすごすのよ!
「クロエ、起きてすぐに申し訳ないが、宮廷魔導士殺害容疑で、君は国外追放になった。」
ええっ!?
「魔法を使えないクロエに、魔導士の殺害容疑がかかってるって、そんなの馬鹿な話…」
「リード伯爵は私が嘘をついてるとでも?」
「……」
これ以上お父様が何か言ってしまえば、リード家全体に被害が出てしまう。
「私を護衛していた魔導士は全員殺されたのですか?」
私を裏切っていなかった人が1人でも生きていれば、証言してくれるかもしれない。
「しらばっくれるな。全員行方不明だ。死体をどこへ隠した。」
行方不明?
何故それで私が殺した事になるの?おかしいよね。
そうか、私を殺せなかったから、そんな事を言ってるのね。
1度狙われたんだから、これからは私の護衛が増えるはずだもの。抱き込んでた魔導士がいなくなった今、私に罪をきせて仕方なく婚約破棄する…みたいな演出が必要なのよ。
好きな女と一緒になりたい…って、こんな馬鹿みたいな理由で、殺されそうになったあげく国外追放…。
この馬鹿王太子が次の国王、結婚なんてこっちから願い下げだわ。
私に白炎魔法をかけた男に悪魔が一直線で歩いていく。
見ていたわけでもないのに、何故わかるの…。悪魔だから?
よくわからないけど、今のうちに逃げよう!!
くさっても宮廷魔導士よ、悪魔1人にあの7人が負けるわけないわよっ!
私は急いでその場から立ち去った。
悪魔が殺された後、今度は私がまた狙われるんだから出来るだけ遠くへ逃げないとっ!!
焼き殺されるのも、頭から食われるのも絶対にイヤっ!!
「ハァハァハァ…」
体力には自信がある方なのに、少し走っただけで立ち上がれない。
バッーーン
「…なにっ!?…キャーーっ!!」
魔導士と悪魔がいる方向で爆発音がして、その爆風で私は飛ばされた。
ゴンッ
「うっ…」
飛ばされた勢いで大きな木にぶつかってしまった。
頭がクラクラする。逃げないと殺される…でも、もう立てないよ。
完全に意識を手放す前に人が泣き叫ぶ声が聞こえた気がした。
・・・・
「…エ、……ロエ…、クロエ」
「……ん?」
「よかった!クロエっ!大丈夫かっ?」
「お父様…?私は…」
「城に行く途中、クロエは意識を失って倒れていたんだ。一体何があったんだ。」
「……」
真実なんて言えない。
『王太子の命令で宮廷魔導士に襲われた』なんて言ったら、不敬で殺されるわ。
私を殺せなかった王太子はどうするつもりだろう。このまま諦めてくれるかしら…。
「ところでお父様、ここはどこですか?」
「城だ。」
城…!?
「もしかして王太子殿下もいらっしゃるのですか…?」
「ああ、目が覚めたと伝えに行っているから、すぐに来るよ。」
「いえっ!お父様、私はまだ本調子ではありませんので…」
絶対会いたくないわっ!
「クロエ…無事でよかった。」
「…王太子様……。」
遅かった!
「何故こんな事になったんだ…?やっぱり私が迎えにいけばよかった。」
よくもぬけぬけとそんな事が言えるわね。私を殺そうとしたくせに!…とは言えない。
「いえ…、こんなの誰にも予想できませんもの。」
焦っては駄目よ。
犯人が『王太子の命令で私を殺そうとした』…って、冥土の土産に言ったなんて事は誰も知らないはず。今は素知らぬ顔でやりすごすのよ!
「クロエ、起きてすぐに申し訳ないが、宮廷魔導士殺害容疑で、君は国外追放になった。」
ええっ!?
「魔法を使えないクロエに、魔導士の殺害容疑がかかってるって、そんなの馬鹿な話…」
「リード伯爵は私が嘘をついてるとでも?」
「……」
これ以上お父様が何か言ってしまえば、リード家全体に被害が出てしまう。
「私を護衛していた魔導士は全員殺されたのですか?」
私を裏切っていなかった人が1人でも生きていれば、証言してくれるかもしれない。
「しらばっくれるな。全員行方不明だ。死体をどこへ隠した。」
行方不明?
何故それで私が殺した事になるの?おかしいよね。
そうか、私を殺せなかったから、そんな事を言ってるのね。
1度狙われたんだから、これからは私の護衛が増えるはずだもの。抱き込んでた魔導士がいなくなった今、私に罪をきせて仕方なく婚約破棄する…みたいな演出が必要なのよ。
好きな女と一緒になりたい…って、こんな馬鹿みたいな理由で、殺されそうになったあげく国外追放…。
この馬鹿王太子が次の国王、結婚なんてこっちから願い下げだわ。
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