侯爵夫人は子育て要員でした。

シンさん

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わがまま娘2

私が着いた時には、エミリーは泣き止んでいた。
「奥様…?お話はもうよろしいのですか?」
「うん…。」

カルラさんがいれば問題ないわね…。
私は泣かせるばっかりだし、走ってきても役に立たなかったわ…。

目が見えるようになったら変わるかもしれないし、それまでの我慢よ!

「ミランダ、部屋に戻って様子を見てくるわ。」

あの人達、エミリーといた時間なんてほんの少しじゃない。子供に会いに来たよりも、『私に離縁するな』って言いに来ただけだったとしたら最低だわ。

私と入れ代わりで入ってきたイーサンにポフっと抱きつかれた。
「ルーっ!さっきトーマオジサン来てた?」
「来てたけど、帰っちゃったかもしれない。」
「ふ~ん…きのうはあんまり遊べなかった…。」
「……」
昨日はランスロット様が来てたから、私達の所に来ないように言いつけられてたのよね。

「私が見てくるから、待っててね。」
「オレもいくっ!」
「イーサン、トーマオジサンはお仕事かもしれないから、ルーナの帰りを待ってなさい。」
「…わかった。」
ミランダが言うとイーサンはコクコク頷いた。


「トーマはもう帰った?」

横を通りすぎるメイドに聞いてみた。

「いえ、帰った様子はございません。玄関にも来ていませんでした。」

「そう、ありがとう。」

まさか私の部屋でイチャついてるんじゃないでしょうね…。気持ち悪いっ!!早く出ていって貰わないと!

部屋の前に着くと、大きな声がする。女の声だけ。

『私が悪いっていうの!!』


『アレン様の知り合いだったから、怖くてそんな事言ってるんでしょ!』



これは、痴話喧嘩ってやつかしら。くだらない。これならドアを開けたって構わないよね。

ガチャ

「そろそろ私の部屋から出ていってくれるかしら。」

私の顔を見て愛人は更に機嫌を悪くしたのか、声の大きさが増した。

「何よ!偉そうにっ!」

偉そう…て。

「そうね、貴女より偉いわ。ラッセン侯爵夫人だもの。勘違いしてるのはそちらでしょう?」

「っもともと貧乏貴族じゃない。」

「…少しきっちりさせましょうか。身分という物で上下を決めようとするなら、貴女は私に頭を下げるべき女なの。今となってはね。エミリーを引き合いに出すなら無駄よ。法律上、私とトーマの子だしね。」

「誰があんたなんかにっ!」

あぁ…どんどん稚拙な計画になってるのがわからないのかしら。

「トーマ、イーサンが寂しがってるから早く話を切り上げて。」

「…わかってる。エリーゼ、悪いがディランと帰ってくれ。」


…ディラン?
この邸の使用人にそんな名前の男はいないわ。
誰か男でも連れてきてるのかしら。知らない男をこの邸にいれるなんて聞いてないわよ。
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